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【初エッセイ】シンガポール文化とも言えるヘルパーさん(メイド)のいる生活から紐解く異文化コミュニケーションへ望む姿勢とは。

この記事では一般的な国対国の異国間交流の『異文化コミュニケーション』にフォーカスしましたが、実はこの『異文化コミュニケーション』は国籍や言語に縛られず、地域、ジェンダー、社会階級、世代、障害の有無などと、同じ日本人の間にも幅広く存在することを皆さんに覚えておいて頂きたい。それらを大きく踏まえて、この記事がこれからもっと身近になるであろう『異文化コミュニケーション』にどう対応していけばいいのかを考えるきっかけになれば嬉しいです。

住みなれた街からシンガポールへ

11年前、全く下調べなしで引っ越してきたシンガポール。一度は話が流れたので、やった!このまま豊洲に留まれる!と喜んでいたのも束の間、その2ヶ月後には豊洲のマンションを引き払いシンガポールに飛んでいました。

このまま豊洲に居たい。シンガポールになんか行きたくない。と散々思ったくせに、あれよあれよと月日は過ぎて子供も増えて、すっかりシンガポールの生活に馴染んだ今では日本に戻って生活する事を考えると若干の恐怖さえ感じるくらいこのシンガポールの緩さにどっぷりな私達家族。

引っ越し当初はチャレンジの連続で、英語は多少できるものの初めての海外生活、何もかもの勝手が分からず、まるで自分が 一人では何もできない子供に戻ってしまったような思いにジレンマを感じることも度々ありました。それでも、2歳にまだならない娘と二人、買い物に出かけたり公園に出かけたりとどうにか毎日を過ごしていたあの頃。

まだ誰も知らない土地で娘と二人で出かける時も、周りに日本人がいなければいないで済んでいたのが、3組ぐらいの日本人親子が楽しそうに集っているのを見ると心が風邪を引きそうになった、というか引いていたと思います。その光景は心が風邪を引いた者にはとても残酷な風景でした。

頼れる人も相談する友達も誰もいない、このままではおかしくなってしまう。と、当時流行っていたMixiで一生懸命友達作りに励んでいたあの頃。

あの頃は本当に必死だったと思う。

長女を産んですぐに社会から取り残されたような寂しさから育児ノイローゼになった辛い経験が蘇り、もうあんな思いはしたくないという思いと共に、どん底から保健所に電話をして育児支援センターなるものを知り、ママ友を作り子育ての楽しさを知った成功体験もあるじゃないか!みんなそれぞれ「寂しさ」と「誰かと繋がりたい」という思いは一緒なはずだ!と自分に言い聞かせ頑張っていろんな方とコンタクトを取って会っていたあの頃。

今思えば、幼い長女がいたからこそ頑張って外に出ていたし、廻りの方達も声をかけ手伝ってくれたり、いろんな場面で優しくして貰えていた。子供がいるからこそ始まる会話があったし繋がりもできた、つくづくシンガポールは子連れに優しい国だな~と感じたエピソードも沢山ある。あの時もし長女がいなかったら私どうしてたんだろう...と考えると、ある意味ゾッとします。

だいたいシンガポールってどんな国なの?

シンガポールへの引っ越しに後ろ向きだった私は、シンガポールという国がどこにあってどんな国だか知らないまま引っ越して来たので当初は戸惑いの連続でした。

国土が東京23区ほどしかない小さな国シンガポール、ほとんどの物資(水さえも)を輸入に頼るものの、金融のハブと言われ、各国のエリートが集結するお金の匂いのするマテリアルワールドシンガポール。やたらとベンツ、BMW、フェラーリ、マゼラティなどの高級車が街を走っているので最初シンガポールは自動車が安い国なのかな。と思っていた私。何を何をそんなバカなことを!実際はその真逆で、なんとこの国ではカローラやマーチが600〜800万円!?

世界で一番車の高い国だったようです…

それなのにこの高級車の数々…Crazy Rich Asianを地でいく方々がきっとアチコチにいらっしゃるんでしょう。あ〜、あやかりたい。

(ちなみに最近はあちこちでテスラを見かけるようになりました。)

しかし、そんなキラキラギラギラな印象を受ける反面、街の至る所に緑が生い茂り、なんとなくホッとする喉かな風景のなか、昔ながらのホーカー(屋台街のような食べる所)や市場も街のアチコチにキープされていて、両極をぎゅっとコンパクトにまとめた。そんな印象を受ける国シンガポール。だから私はこんなにユルッと生活してられるんだな〜、と思います。

シンガポールには中華系、インド系、マレー系と小さな国土に数種の民族が共存していて、公用語もそれぞれ中国語(マンダリン)、タミール語、マレー語、英語と、4つの言語が公用語となっています。そして共通語は英語なのでシンガポーリアンはバイリンガルが当たり前なんですね。

なのでお店なんかでよくあるのが、それまで英語で話していたと思ったら、突然目の前で違う言語にスイッチして話されることもしばしば。『あ、なんか聞かれたくない話してるな』と感じる瞬間です。

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