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ポジティブ心理学の先駆者「私の好きなショーン・エイカー」

今回は、私の好きなショーン・エイカーについてご紹介したいと思います。

彼の代表作『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』をご存知の方も多いのではないでしょうか。

4年前、私は自分の会社を立ち上げました。会社員と異なり上司やロールモデルがいない中、自分で全ての物事を決め、意思決定を行うプロセスには心折れることも多く、悩みぬいた中で出会った価値観が、ショーン・エイカーの「ポジティブ心理学」でした。

ポジティブ心理学の基本的な考え方は、「人間の脳は、普通の気分のときでもネガティブな気分のときでもなく、ポジティブなときに最もよく働くというにできている、ということが証明されている」というものです。

なかでもショーン・エイカーの理論は「人は目標達成によって幸福になるのではない。もともと幸福だからこそ、目標達成ができるのだ」という、「鶏が先か、卵が先か」という理論が日本でも話題になりました。

なお、私個人は「鶏が先か、卵が先か」という曖昧な理論が先に有名になってしまったことが、日本国内でショーン・エイカーがそれ以上に流行らない原因でないかと感じています。彼の魅力はこれだけではないのです。

※Tedもおすすめです。日本語字幕付なので日本語で楽しめます。

「平均信奉」から脱する

ポジティブ心理学そしてショーン・エイカーについて人間の行動を理解しようとするとき、これまでの典型的なアプローチは、「平均的な行動」や「平均的な結果」を探るものだったといいます。しかしショーン・エイカーはこの手法について「平均信奉」と呼べる状況を生み出してきたのだと指摘しています。

平均的なものだけを学ぶなら、我々へ平均的なレベルにとどまる

そしてショーン・エイカーは、ポジティブ側の「異常値」に注目し、平均ラインより上部にいる学生の行動習慣について、ハーバード大で12年間に渡り研究を続けたのです。

私はこの考え方がとても好きです。「周りの人たちがこうしているから」「平均はこうだから」という "平均値" に注目してしまうと、どうしても私たちは短期的な視点に陥ってしまい、周囲と自分を比較してしまいます。

本当はもっと数年単位、あるいは十年単位で物事を考えて決断する方が良いということが、世の中には沢山あります。本当に人生において大切な決断ができなくなってしまうのです。

たとえば、起業の決断。最初の数年間は、会社員として勤務するよりも金銭的に苦しい生活が強いられるかもしれません。

けれども、5年後、10年後を見据えて捉えると、会社員よりも大きく収入を上げられる可能性があります。ところが、会社員として勤務する周囲の人たちの "平均値" に囚われてしまうと、リスクをとって起業する決断はできなくなってしまいます。

私はこの "平均値" に囚われてしまうリスクを、MBA在学中の就職活動のときに感じました。多くの学生は、目先の仕事が "平均値" 以上の収入であるのかを気にしてしまいがちです。

ちなみにMBA学生の卒業時の平均年齢を30歳くらいとすると、卒業後の1社目や2社目で仮に平均以下の収入であったとしても、残りの人生で挽回するチャンスは数多くあるでしょう。

しかし、目先の仕事が "平均値" 以下の仕事であるという概念に囚われてしまうと、それによってその人の幸福度が目減りしてしまったり、つい短期的な視点に陥って転職先を選んでしまいがちです。これは大変勿体ないことだと感じています。

挫折を「成長の機会」と捉えられる人が、その成長を実現できる

これは一般的にいうレジリエンスの考え方に近いものであると思います。

ショーンによると、危機や逆境から生き延びる方法は3つあるといいます。一つは、今いる場所をぐるぐると回る道。二つ目は、更に悪い結果につながる道。そして第三の道が、失敗や挫折から始まり、人をより強くし、より成長させる道です。困難のさなかに「成長の機会」を見出すことは決して容易ではありません。

けれどもショーンによるとそれは、「不運にもかかわらず上方へ向かう」のではなく、「不運があるからこそ上方に向かう」能力であるというのです。成功している人々は、逆境を単なる障害とは思わず、さらに発展するための踏み台とする「再起力」に長けているというのです

私は今年、MBA卒業後の就職に失敗して早期離職してしまいました。収入だけでいうと、MBA卒業後の平均値よりも遥かに良い待遇だったのですが、長期的に捉えた際、どうしても自分の思い描くキャリアプランの描けない環境だったのです。いざ決断するにあたっては、本当に悩み抜きました。

また、昨年私はニューヨークでの事業立ち上げにも失敗しています。クライアントとの交渉が上手く行かず、幾度となく悔しい思いをしました。いざ自分が挫折や失敗の渦中にいるとき、ショーン・エイカーの教える「再起力」の心構えは大変心強い指針となりました。

私個人の失敗談ばかりを書き連ねるのも気恥ずかしい気がしますので、今日はこの辺で終了にしたいと思います。

ショーン・エイカーついては、『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』を是非ご一読ください。

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