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ep.10「休みの理由によらない休みやすさ」がデンマークの働き方の鍵かも。

みなさんこんにちは!
デンマークに留学していました、Airiです。

今回は留学中に行っていた「言語カフェ」でのボランティアにて、デンマーク人の方とお話したデンマークの働き方についてお伝えしていこうと思います!!

それではスタート!🚩


languageカフェのボランティア


私は2023年10月からの後期の期間中、2週に1回の土曜日、language カフェというところでボランティアをしていました。

Studenter husetという「学生のたまり場」的なところがあり、大学生を中心に街の人たちの憩いの場になっているようなところです。ここは完全に学生によって運営されており、1階にあるカフェ☕️🍩・バースペース🥂、イベント、languageカフェ、全て学生ボランティアが運営しています!👀

そのなかで、私がボランティアしていたlanguage カフェというのは、色んな母国語を喋るボランティア側が言語ごとにテーブルを作り、その言語を学びたい、喋りたい参加者の方々をお迎えして歓談するというものです。

たとえばデンマーク語🇩🇰のテーブルがあったり、英語やフランス語🇫🇷、中国語🇨🇳、スペイン語🇪🇸のテーブルがあったり…。私はその中で、日本語🇯🇵のテーブルを担当するという形になっていました!

カフェの様子です。お茶菓子を食べながら和気あいあい、ざっくばらんにお話しています


今回はそこで出会った人との会話から学んだことについて今回は書いていこうと思います。

とある方とのお話


とある日のボランティア。公的機関(恐らく市役所的な場所)で働くという若い男性の方が来てくださいました。

日本文化がとても好きで日本にも旅行に行ったこともあり、今回日本語のテーブルに来てくださったとのこと!!大変気さくにお話してくださいました✨

お話をお聞きしていると、コペンハーゲン大学の薬学部卒業ということで、同じ大学出身の方でした!(交換留学で同じというのもおこがましいですが💦)。親近感もわきつつ、行政にお勤めの社会人の方とお話できるということで、私の質問スイッチがON🔥!笑😂

労働環境や制度について、根掘り葉掘り聞いてみちゃいました!!


①お勤めの勤務先について

―お仕事は何をされてるんですか??

役所での、薬事的な業務に関わっています。薬の承認とか、安全性の確認とか、そういう書面での仕事です。

―職場環境はいかがですか?残業とかありますか?

僕の勤めているところは公的要素がある機関だから、民間企業よりはきちんとしているところがあるかも。残業はほとんどないと思う。

―お休みとかも取りやすいんですか?

取りやすい環境だと思うよ!年に1ヶ月くらいはみんなバケーションをとるのが普通だし、僕もちょうど11月に1ヶ月日本に行く予定で、休みをとるよ。

(心の声)
えー!すごいなぁ、旅行で堂々と休みが取れるのか。。

―仕事は大変ですか?私が聞いたことあるのは、欧米の会社はパフォーマンスが良くないと簡単に解雇されやすいって話なんですが…💦。そういう緊張感はありますか??

うーん、あまりにも仕事の質が悪かったら解雇とかそういう可能性もあるかもしれないけど、そんなに気にしているわけじゃないかもな。これも、僕の場合は公的機関だというのが関係してるかも。民間だったらもう少し厳しくみられるところもあるかもしれない。


②育児休暇について

―育休について聞きたいです!!育休を取る人は、男性も女性も多いですか?

そうですね、男性も育休取る人は最近は多いと思います。でも、まだ女性の方が育休を取る割合としては多いから、まだそこは平等ではないかもね。


―日本では、育児休暇を取るのは子供を持たない方からするとずるい!という意見もあったりするのですが、それについてはどう思いますか?

僕も子供を持っていないけど、ずるいとは全然思わない。なぜならデンマークでは休みを取るのが普通だから。さっきも言ったけど、サマーバケーションとして1ヶ月くらい休みを取るのはみんな普通のことだし、風邪やほかの事情で休むというのも普通のことだから。

(心の声)
なるほど、、、!もしかしたら誰かが休んでいる状態がデフォルトなのかもな。誰も休んでない状態がベースなんじゃなくて、誰かが休んでいても回るのがベースというか。。
そして、「休みの理由によらず休みやすい社会」って結構育休の仕組みづくりを超えた「全員にとっての働きやすい社会」を考える上でキーかもしれないなぁ。介護だって風邪だって必要なお休みだしなぁ。

ーでもでも、誰かが育児休暇とってたら他の人の仕事増えるじゃないですか。それはやっぱり嫌ですよね?

ある程度仕事は増えるかもしれないけど、代わりの人が来てその役割をやってくれたりきちんと申し送りしたりするから問題ない。僕の上司もついこの間まで育児休暇を取っていたんだけど、育休中は代わりの人が担当してくれていたよ。


ーなるほど。で、その上司の方も、育休を終えて戻ってくる時はすんなりと馴染めたというか、戻ってこれていたんですか?

そうだね、特に問題はなく復帰出来てたよ。


―育休中の人にも、週に1度とかチームの進捗報告とかはメール送ったりオンラインミーティングで共有したりするんですか?

え!そんなことはしないよ、「育休中」なんだから仕事はしない!!休んでいる間はまったく仕事には関わらないよ。(結構驚いた表情)

(心の声)
えええー!!私はここが1番驚愕ポイントでした⋯🙀育休中といっても頭の片隅では職場のことをいつも考えてなきゃいけないだろうと思っていた節があったので、、、。日本の企業はどうしてるんだろうか?社内snsは最低限チェックしてねとかありそうだよなぁ。

③採用について

―日本は一斉に新卒を採用し、会社はそのぶん教育制度を持つというメンバーシップ型採用なのですが、競争的で長期化・早期化しているなど問題が多いです。デンマークの採用はどうですか?資格とか必要ですか?

資格を見るというよりも、パーソナリティが大事かもしれないです。どんな性格か、その企業に適しているのかといったことをみますね。あとは、ボランティアとか何か経験をしたかとか。

(心の声)
え、それってガクチカとおなじじゃん!まあ、デンマークではギャップイヤーをとることは当たり前だってデンマークの友人からも聞くし、やっぱり日本より自分に向き合ってゆっくり決められる時間があるような気がするなぁ。。

(補足)
デンマークの労働環境については、note上では厚生労働省によるこちらの記事が大変参考になりました。

こちらはフォルケホイスコーレの理事長や文化翻訳家として活動なさっているニールセン北村朋子さんが解説してくださっている記事だったのですが、すごく読み応えがありました。例えば…

デンマークでは「休暇とは2週間以上続けて取るもの」との認識になっているのです。(略)なぜ「最低2週間」なのかと言えば、1週間休暇では、最初の1~2日は仕事のことを考えがちで、3日目ぐらいから休暇に没頭できるようになり、4日目に初めて完全に仕事のことを忘れて休暇を楽しめる。でも、5日目になると、「あ、もうそろそろ仕事に戻らないといけないな」ということで、仕事のことがまた思い出されてきて、休暇最終日は「明日から仕事だ」となってしまうからです。1週間の休暇では、実質1日程度しか完全に仕事を忘れる日がない。だから、2週間ぐらい休暇を取れば、完全に仕事から離れて、「今、していること」「今、行っている場所」「今、一緒にいる人」のことだけを考えられる日が数日間確保でき、本当の意味でのリフレッシュができるわけです。

厚生労働省,2024,対話から始める休み方・働き方 デンマークの暮らし方


終わりに


さて、いかがでしたでしょうか?

私は実は北欧に来る前、労働市場のことを専門に勉強していた頃がありました。
そのとき、北欧の「時短勤務で仕事より家族や自分の時間を優先する」というようなスタイルの働き方は、「仕事をなあなあにしていて適当な感じでやっているのではないか」と思っていたのですが、今振り返るとむしろ逆です。

きっちり仕事の範囲を決めて、時間も決めて、その中で短期集中働き切る!
という、むしろ短距離選手のような潔い印象を覚えました。(実際、仕事の効率ランキングを見てみると、デンマークはトップ層ですしね!)

少しデンマークに足を突っ込んでみた身としては、その割り切り感というかさっぱりした感じが仕事以外にも滲み出ているような気がして、それがデンマークの好きなところだなぁと思ったりするわけです。
(たとえばエスカレーターが止まっていても別にその上を歩けばいいやん、とか。)

何はともあれ、デンマーク人の社会人の方とお話しする機会はとても貴重だと思ったので、個人的にとても興味のあるお仕事現場のお話をモリモリ聞くことができて楽しかったです!

それではまた!
Vi ses ~~!!😊👋


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