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担当者の作業負担問題を解決するツール「Marketia Affiliate Tag Manager」

 今や大企業の活用も珍しいものではなくなったアフィリエイト広告。無駄な広告費が発生しない成果報酬型、費用対効果の明確さ、SEO・SNS等あらゆるプラットフォームに対応できる柔軟性といったメリットは、ユーザーの消費行動の場がオフラインからオンラインへと流れている現代において広告主には魅力的に映ります。
 アフィリエイト広告を活用する企業が増える一方で、その運用業務の煩雑さについてはあまり知られていません。安全な運用と成果達成の実現を両立するために、担当者は地道ながらも欠かすことの出来ない、数々の調整や確認作業を積み上げていく必要があります。
 加えてアフィリエイト広告で高い成果を出す鍵は、掲載媒体を増やし、ユーザーと商品・サービスとの接触回数を増やすことです。そのために複数のASPを活用するというのは王道手段ではありますが、その分担当者の作業は増え、対応しきれなくなるというジレンマが発生してしまいます。

成果計測ツール「マーケティア」

 担当者の作業負担問題を解決するために、代理店各社はタグマネジメントツールを提供しています。カラックでも成果計測ツール「Marketia Affiliate Tag Manager」(以下、マーケティア)を支援先企業に提供し、ご活用いただいてます。
 マーケティアでは、複数のASPから発行される成果計測タグの一元化管理を行い、簡易に成果を計測することが可能になります。簡易性・安定性・拡張性・利便性という4つの特徴を持ち、成果計測タグの実装の手間を軽減、成果承認作業の効率的などのサポートを行います。

解決課題①広告主の作業負担を軽減

 複数のASPを活用すると担当者の作業負担が大きくなる。そうお話ししましたが、マーケティアが解消する作業とは、主に成果計測タグの実装作業を指します。
 アフィリエイト広告を運用すると、ASPから発行された成果計測タグを設置する作業が必ず発生します(※)。この作業自体を省くことはできず、担当者はサンクスページ等にASPが指定する様式で正しくタグ設置をしていかなければなりません。
 このタグ設置作業の負担が大きくなるのは、ASPを複数社利用している場合です。成果計測タグはASPごとに発行されます。設置方法や計測方法なども異なるため、ASP1社のみの利用であればタグ設置作業は1度で済みますが、ASP3社を利用している場合にはタグ設置の作業が3社分発生してしまうのです。

 この問題を解決するのが、マーケティアの持つ「ワンタグ」機能です。

 「ワンタグ」は、ASPそれぞれから発行されるタグを1つのタグに集約。担当者はワンタグから発行されたタグを1度設置するだけで、あらゆるASPに対応することができるようになります(簡易性)。作業負担が減るだけではなく、ページに設置するタグも減らすことができるため、ユーザーのページ読み込み速度の低下を防ぐことにも繋がります(安定性)。

※計測方法や成果報酬の設定によって、タグ設置作業が発生しない場合もあります

解決課題②成果承認のコスト削減

 ASP複数社利用により発生する広告主への負担はタグ設置問題だけではありません。複数ASPを活用し、異なるタグを設置すると起こるのが、1件のコンバージョンに対して複数のアフィリエイトサイトで成果が出たとカウントされてしまう重複成約です。

 ユーザーがA社に登録するアフィリエイトサイト⇒B社に登録するアフィリエイトサイト⇒C社に登録するアフィリエイトサイト、と複数社のアフィリエイトサイトを経由して最終的にÇ社からコンバージョンしたとしても、A社・B社・C社全てで成果がでたとカウントされてしまいます。
 重複成約が発生すると、担当者はASPごとの管理画面を見比べて、ラストクリックされた媒体を見極めてから成果報酬を支払います。この作業により広告費自体に影響は出ませんが、重複成約が起きたコンバージョンの数だけ「ラストクリックを見極める」作業が発生してしまうため、高い成果が上がるほど担当者の負担は増えていく可能性があります。 この重複成約の問題を解消するのも「ワンタグ」です。ユーザーの行動履歴がワンタグに集約されるため、ラストクリックされた広告のみを成果としてカウントすることができるようになります。
 言い換えると、複数のサイトに重複した成果を発生させない、ということです。アフィリエイターに重複成約でコンバージョンした件数が届いてしまうと、極端な例ですが「100CVもとれていたのに、広告主は20CVしか承認してくれなかった」と言う風に映りかねません。広告主に対する印象は悪く、その後の取引関係にも影響する可能性があります。

 こうした自体を回避するためにも、重複したサイトに成果を発生させない、つまり最初から重複を除外した数値をアフィリエイターに提示します。100CVした中で70CVが重複成約だったとすると「30CV中、20CV承認が降りた」と見せることができ、アフィリエイターの期待を削ぐこともありません。

ITP規制、2020年アップデートポイント

 ITP規制がアフィリエイト広告に与える影響の1つに「アフィリエイトの成果計測が難しくなる」という問題があります。

 アフィリエイト広告は、成果(=何に)に対して広告料(=いくら払う)の支払いが発生する取引手法を採用した広告のことで、成果報酬型広告とも呼びます。この成果を示す指標としてよく用いられるのがCPA(顧客獲得単価)です。どこのメディアに掲載された広告がどのユーザーにアクションを促したのか、成果が明確に出た上で広告費が支払われます。
 しかし、ITP規制によりブラウザ側でユーザーのトラッキング情報が削除されてしまうと、コンバージョンがどこのアフィリエイトサイトを経由したものか特定できなくなる、つまり成果計測ができなくなるということです。成果報酬型という仕組み自体が成立しなくなる可能性があります。

 現在、ASPが対応している主要な計測方法は6種類あるとされ、それぞれデータ欠損までの時間が異なります(※)。 カラックとしては、商材に適した計測タグを用いることが、ITP規制の影響を最小限に留めるための対策ではないかと考えています。

※今後、規制内容が変化する可能性があります

 例えば、脱毛サロンの広告で「来店予約」をコンバージョンとして計測する場合には、サイトを閲覧してすぐに来店予約する人が多い傾向にあるため、24時間はデータ欠損が起きない導入が容易な1st Party Cookieによる計測で十分と言えるでしょう。反対に、単価の高い商材はクリックしてからすぐにコンバージョンせず、検討期間が長い傾向にあります。このような場合には、導入難易度が高くともデータ欠損のないサーバーサイド計測、もしくはセッション計測の導入が適切であると考えられます。
 マーケティアでは昨年ITP規制に対応すべくアップデートを行い、上記6種類のうちDNS計測を除く5種類の計測方法を実装しています。現状、ITP規制はApple社のブラウザであるSafariにのみ実装されていますが、2023年にChromeはサードパーティCookieサポートを段階的に廃止すると発表しており、他ブラウザでも同対応がなされると予想されます。
 規制遵守・プライバシー保護を徹底した最新の計測方式に対応すべく、今後も状況に応じて順次アップデートを重ねていく予定です。

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(イラストレーション:ニッパシヨシミツ