リスティング広告に反応しないユーザーへのアプローチ方法を考える
本記事では、リスティング広告とアフィリエイト広告を併用した(主に検索エンジン上における)コミュニケーション設計について解説します。
・リスティング広告で効率を維持しながら、獲得できる数値にアッパーが見えてきている
・意欲的なキーワードで、検索者への接触数を増加させたい
といった広告運用担当者の方々にお役立ていただく想定でまとめました。
アフィリエイト広告と聞いてポイントサイトを思い浮かべた方もいらっしゃるかと思います。そうした方にも、企業規模問わず活用され、様々なプラットフォームへと展開されているアフィリエイト広告について、正しいご認識をお持ちいただくきっかけとなりますと幸いです。
「リスティング広告に反応しない層」とは?
まず、「リスティング広告に反応しない層」とは「オウンドメディアに載っている情報以外を知りたい人」、つまり、情報収集をしてから何を買うかを決めたいユーザーを指します。
Webマーケティング施策でリスティング広告「のみ」活用している場合、こうした情報収集欲求を持つユーザーに対してアプローチできていない可能性があると言えるでしょう。というのも、オウンドメディアに載っているPRを中心とした商品説明文では、ユーザーが抱える欲求を満たすことができないからです。
公式サイトを見たい、商品同士の比較情報が知りたい、口コミを参考にしたいなど、ユーザーが検索エンジンを活用する動機は様々です。情報収集しようとして偶然目に止まったリスティング広告で商品購入を決めるユーザーもいれば、価格や機能をあらゆるサイトで比較・検討した上で購入を決めるユーザーなどもいます。購買決定に至るまでのプロセスも、人の数だけ存在します。
Web検索上におけるコミュニケーション設計の基本は、「様々な欲求を抱くユーザーそれぞれに適した情報を設置できているか?」を考えることです。つまり、ユーザーによって重要視しているものが異なるのであれば、あらゆるニーズに応える情報をWEB上に配置しましょう、ということです。
リスティング広告に反応しない層が存在するのであれば、外部メディアに自社商品の情報を配置し、購入までの導線を作る必要があります。それを実現するために本記事で提案したいのが、アフィリエイト広告を併用し検索上位に面を張る施策です。
面を張ることの意味と目的
「面を張る」とは「検索トップに自社商品の情報が掲載されている(=占有率が高い)状態」を指します。リスティング広告枠と自然検索枠の両方に、自社の商品情報に繋がる検索結果が表示されている、ということです。
面を張ることで、情報収集を行うユーザーと自社商品とのタッチポイントを複数設けることができるというメリットがあります。様々な切り口から複数回に渡り商品と接してもらうことで、ユーザーは商品理解を深めるとともに、商品に対する購入動機を高めていくと言われています(このことを単純接触効果と呼びます)。
リスティング広告には「1商材1枠(1キーワード1ドメイン)」の原則があり、いかなる値段で入札をしてもリスティング広告枠の占有率を上げることができません。リスティング広告枠で複数回に渡りユーザーへアプローチできないとなると、自然検索欄における占有率をあげる必要があり、皆さんご存知のSEO対策が鍵となります。
アフィリエイトをおすすめする理由
そこで、自然検索欄の占有率をあげ、検索上位に面を張るためにおすすめしたいのがアフィリエイト広告を併用する方法です。
成果(=何に)に対して広告料(=いくら払う)の支払いが発生する取引手法を採用した広告のことをアフィリエイト広告、もしくは成果報酬型広告と呼びます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
面を張るのに何故アフィリエイト広告がおすすめなのか?
それは、
・あらゆるニーズに対応できる
・集客経路の増加が期待できる
・マスメディアを活用せず指名キーワードを増やせる
という3つの理由からです。
おすすめ理由①あらゆるニーズに対応できる
アフィリエイト広告を活用することで、様々な切り口から情報発信が可能である、つまり、ユーザーの持つあらゆる情報収集欲求に答えることができます。
ユーザーがリスティング広告に反応しない背景に、インターネットユーザーの広告慣れが関係していると言えるでしょう。下記調査では、リスティング広告を「検索結果ページ上部にある”広告”」と認識した上で「アクセスしない」と回答するユーザーが半数以上存在しています。
(株式会社プラスト:「コロナ禍のインターネットでの情報収集」に関する実態調査)
こうしたユーザーに対して有効なのが、アフィリエイト広告の特徴である「第3者視点から情報発信」です。アフィリエイターという第三者が商品について言及するため高い訴求力を持つ上に、競合商品との比較や体験レポートといった、広告主主体では発信できない形式で商品紹介が可能となります。
理由②集客経路の増加が期待できる
アフィリエイターは広告主と事前合意した成果達成へ向けて、作成したコンテンツにアクセスしてもらうための集客施策に日頃から力を入れています。今や検索エンジン、SNS、Youtube…など、TVを除くほとんど全てのプラットフォームがサイト流入への導線として活用されており、アフィリエイトサイトならではの集客経路の増加が期待できます。
検索エンジンを用いたSEO集客については、近年Webページの評価基準が厳しくなり、質の高いコンテンツ※でなければ上位表示が難しくなっています。オウンドメディアではSEO評価がされにくい「評判」「ランキング」「比較」といったキーワードも、アフィリエイターのノウハウにより検索上位にタッチポイントを設けることが可能となるかもしれません。
※2018年頃から検索エンジンのアルゴリズムが変わり、ユーザーにとって利便性・有用性の高いサイトが検索上位表示されるようになりました。内容が薄かったり、エビデンスのない情報を発信する全てのWebサイトへの風向きは悪くなっています。
理由③マスメディアを活用せず指名キーワードを増やせる
リスティング広告のCPA目標や件数目標を指名キーワードに合わせている場合、これらの目標値を改善させていくには、指名キーワードで検索する人の数を増やしていく必要があります。そのための王道施策にマス広告がありますが、予算的な問題で難しい企業も多いでしょう。
そうしたときに、マス広告の代用としてメディアパワーのあるアフィリエイトサイトに広告出稿しておくと、商品郡で検索したユーザーへと認知が広がり、CPAの数値が改善されるケースがあります。
もちろん、アフィリエイトサイト以外にもディスプレイ広告、SNSマーケティングなどでも同様の効果は見込めますが、「検索エンジンを活用するユーザーに複数回情報を当て、リスティング広告との相乗効果を高める」という点を考えると、アフィリエイトが最も相性が良さそうです。
理想的なコミュニケーション
以上の説明を踏まえ、アフィリエイト広告を組み合わせることで可能となる理想的なコミュニケーション設計は以下のようなイメージです。
冒頭にも述べた通り、「様々な欲求を抱くユーザーそれぞれに適した情報をきちんと設置できているか?」を考えることがコミュニケーション設計の基本です。ユーザーの欲求と言っても星の数ほどあるため、まずはマーケティングファネルの段階ごとに当てる情報を検討していくのも良いでしょう。
(例)
●顕在化する可能性のある層に対して、影響力のある第三者にレコメンドしてもらい興味関心度合いを引き上げる
●比較層に対して、比較サイトに類似製品・サービスとの定量情報を比較したコンテンツを設置する。ユーザーのニーズを満たし、比較検討を加速させる
●購入検討層に対して、購入の障壁となる不安材料を解消するコンテンツをレビューサイトに設置する。加えて第三者レコメンドによる購入の後押しを行う
●ネガティブ検索者に対して、ネガティブ要素を払拭・解消するコンテンツを設置し、比較層や購入検討層に引き上げる。ネガティブ要素が値段の高さであれば原材料へのこだわりをレビューサイトにアフィリエイターを介して伝えてもらったり、効果効能が疑われているのであればアフィリエイターによる体験レポートを掲載する。
おわりに
リスティング広告とアフィリエイト広告、両方の強みを活かすことでユーザーの欲求をひとつでも多く満たしていきましょう、ということが本記事でお伝えしたいことでした。
アフィリエイト広告はその健全性が懸念されることが多いですが、適切な運用管理が行われていれば本来トラブル等は起きない広告です。逆に言うと、適切な運用管理ができない広告主・広告代理店により、トラブルが発生しているとも言えます。今回の記事でリスティング×アフィリエイトを魅力に思っていただいた方には、実績のある代理店やASPに一度相談してみてください。
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(イラストレーション:ニッパシヨシミツ)