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「腐ったミカン法則」の真の意味

「早稲田の《わせ》って,早く育つ稲って意味なんだよ」

《早生(わせ)》ミカンをむしゃむしゃと,秒で平らげる子どもたちのせめてでも咀嚼の速度を緩めたくて,声をかけるも聞いちゃいない。

ちなみに,遅く育つ稲は,《晩稲》と書いて《おくて》。

パソコンの辞書を使ってみたら,「晩生(おくて)のミカン」と例があった。

そうなのだ。動植物の《成長のスピード》は,個体差(個人差)がある。

大学の「発達臨床心理学」の授業で,教えていただいて以来,わたしの「子どもの発達観」は一貫している。

教育業界や世間では,早稲田に限らず,早く育つ人材が「頭が良い」とされ,重宝される。

でも,待って欲しい。

IQ(知能指数)の発達は,大人になるまでの間で暦年齢の現在の「知能発達」の比率(割合)にして,《早い》か 《遅い》か判定する。

ただそれだけ。

例えば,9歳の知能指数は,同じ9歳の母集団に対してその子がどのくらい「早いか遅いか」それを測っているだけだ。

知能検査は,軍隊の入隊時に頭脳の出来を測って,入隊して軍人教育に耐えうるかを測ったことが発祥。発達検査(発達全体を見るが「知能検査」と同じ)は,特別支援教育を障害のある子に受けさせた方がよいかを測ったことが発祥。

集団教育に対して,その人が授業について行ける発達が「早いか遅いか」なのだ。

確かにその指標は大事だ。

でも,もう1つの見方もあって,心理学者としてそちらの方がとても大事に思っているけれど,一般的にそのことは全く気にされていない。

それは,「個人内差」だ。

個人の外との差をみるのが「知能指数の全体の数字(IQ)」とすれば,個人の中の「得意・不得意」の差をみるのが「知能指数の下位指数のばらつき」だ。

最近では,インターネット上に「知能指数の結果」がバーンとアップされていたりして,数字が独り歩きしている。

いくら自分の子どもでも,本来,そんな個人情報はネットにさらすものではないし,第一,そのような検査の問題や結果はアップしてはいけないのだ。

それは,まぁスルーするとして,「知能検査」と打ち込めば,用語が独り歩きする。

検査結果の「読み解き」は,われわれ臨床心理士の職務だ(現認者特例があった5年間には,「心理検査」を全くとったことのない人や検査も解析できない,国家資格の公認心理師もいる。わたしは公認心理師だけど,臨床の現場では「公認心理師」であるか否かなんて,一度も聞かれたことがない。アセスメント検査(アセスメント)の取れない心理士なんて,そもそも意味がないので淘汰されてしまう)。

わたしは,発達心理学者なので,こんな「発達の機序」は当り前の知識だけど,おかげで自分の子どもの成長発達に悩んだことは1ミクロンもない。

だって,悩む必要なんかないじゃん。

その子の特性を伸ばせばいいだけだもん。何を憂う必要があるのか。何を期待しているのだろうか。

子育てに「期待」なんていらない。子どものあるがままを「受け入れ」,どの方向に育ていけば「その子らしさ」が伸びるか,よくよく観察して,声かけして,間違って,修正して,試してやればいい。

だってその子の「脳と体の特性」なんて,科学的にわかることだし(心理学は科学です),どこをどう伸ばせば,伸びていくかのポイントなんて,科学的に明らかだもの。

「かおちゃん(わたし),これ」

夫がつきあいで受けたという,「なんちゃら心理学」の家族分のレポートをわたしにくれた。

サッと目を通して,そこらへんに打っちゃってしまったから,どこに行ったのかわからないけど,占い師の先生には悪いが占いは,「脳と体の特性」はわからないよ。

だって,9割の占いは「当たる」んだもの。
↓↓こちらの動画で小学生でもわかるように説明しております

昭和・平成時代の大ヒット教育ドラマで,「腐ったミカンの方程式」という回があったことをうっすら覚えている。

昭和の時代は,どこの家庭もミカンを箱買いして,寒いところに置いておいて,食べたい時に段ボールからミカンを取ってきた。

ぎゅうぎゅうに詰め込まれたミカンは,風通しがわるいと,腐ってかびてくることから,「腐ったミカンは周りにカビをまき散らすから,見つけたらさっさと箱からつまみ出す」という法則だ。

ミカンの成長速度は,みんないろいろなのに,早生も晩生もみんな一緒くたに段ボールにぶち込んでいるのは,みかんも子どもも一緒と言いたかったのではないか。

みんな一緒に横並びの「集団教育」の時代なんて,もうとっくに終わっているのに未だに昭和・平成時代の栄光を引きずって抜け出せない,腐ったミカンは,実は教育業界なのかもしれない。

そんなことを2学期が始まって1か月目の10月の頭に思う。

時代に合わない教育法なんて,いらない。もう,かわるべきなんじゃないかな。現場の先生たちは,みんなそう思っているし,実は文科省のお役人の先生たちもそう思っている。

3年間の誰もが逃れられない《流行り病》のおかげで,学校に行かなくてもいいし,オンライン化も一気に進んだ。時代の変わり目は案外,早くやってきた。

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論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。