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毎日が崖っぷちママが天使に助けられた話

「もしかしたら,天使が助けてくれたんだね」

そう言って,母とわたしは,二人でうなづき合った。そうとしか思えない,実に不思議なできごとだったから。

今,小学6年生の長子が小学1年生の時のこと。

その頃,長子は,小学校に入学したばかりだったし,わたしも仕事を再開したばかりで,親子で落ち着かない毎日だった。

今でもそうだが、崖っぷちに立っている綱渡りな3人育児ライフを見かねて,実家の母が新幹線に乗ってやってきて,何かと家のことを手伝ってくれていた。

「今日は早帰りじゃないし,Kちゃんの学童のお迎え時間まで時間があるから,買い物に行こう」

長子のKは小学校,下の2人のきょうだいは保育園だった。なので,仕事がお休みだったわたしは,母と一緒に街歩きがてら電車に乗って,買い物にでかけた。

用事を済ませて,また電車に乗って最寄り駅に着いた。そして,母としゃべりながら,駅から家に向かった。

暑くも寒くもなく,穏やかな春の日差しを感じながら歩く。駅からずんずん歩いて,道の角を曲がったところが我が家だ。

件の角を曲がったところで,なにやらオカシナ空気を感じた。

なんか白っぽく発光してかすんで見える人影と小さな話し声。

母と二人,急いで家に駆け寄ると,うっすら泣いていたのはKで,初めて会う見知らぬ若い女性が一緒にいた。

女性は肌が透き通るほどに白く金髪で,ヨーロッパ系の顔立ちの学生風のお姉さんだった。

姉さんは,仕事が終わって道を歩いていたら,しくしくと泣く声がしたので,近寄ってみたところ,Kちゃんが家の前で1人で泣いていたので,一緒に1時間ほどつきそっていた,と言う。

なんと!1時間も見知らぬ小学生の側にいて見守ってくださったとは。

母と一緒に平身低頭で礼を言い,きちんとお礼をしたいから,「お名前とご連絡先を教えて下さい」とお願いした。

ところがお姉さんは,「ちょっと前を通っただけですから」と,固辞されて,足早に去って行った。

Kちゃんに聞くと,今日は集団下校の訓練で,いつもなら学童に行くのだけど,ママもおばあちゃんも家に居ると思って,間違って集団下校チームに入ってしまって,家に帰って来たらしい。

今でこそ,小学校システムに慣れたKだが,その頃は親子でわからないことだらけで,小学校の先生や学童の先生から電話をいただいていた。

「Kちゃん,きょうは学童なのかわからないそうです」
「きょうは学童は使えない日です」

学校のシステムは複雑だ。

・朝7時に警報が出ていたらその日はお休み。学童も学校に準じるので使えない。
・朝10時に警報が解除されたら,給食なしで登校。
・小学校の子ども祭りの時は,学童から子ども祭りに行く場合,学童に帰ってこれないから,親が学校に迎えに行く
・遠足の時は親が校庭に迎えに行く

その頃は,昔と違って,クラスメイトが電話の伝言ゲームする学級連絡網がなくなり,メーリングリストで,個別の連絡が来たし,今はスマホのアプリに変わった。

また,学校関連のお知らせは,ねずみ色の紙にされた「学校便り」か「学年便り」で,大量のプリント類と一緒に渡される。

Kの場合,プリントをためてしまい親の手に渡らないことも時にあり,学校の情報が手に入らないし,プリントを読んだとしても,小さな字の羅列で,何が重要なのか全く分からない「暗号の羅列」にしか見えない。

学校関連の細かな情報は,防犯の観点からホームページに載せられないし,とにかく情報の洪水から,必要な情報が引っ張り出せなくて,本当に困った。

今は,学校連絡アプリで,お休みの連絡も学年ごとのお便りもPDFで引っ張り出せるし,字数制限があるから大事な要件だけなので,わかりやすい。

そんな感じで,小1の子どもから学校や学童にまつわる,流転しまくる情報をもらうのは難儀だった。

他の親たちは,どうなってるのか?とてもナゾだった。

わたしはママ友がいないから,そういった細かな情報が取れなくて,大いに困ったけれど,今は,6年間の小学校生活の積み重ねで,経験則ができて困ることは減り,保育園の時のママLINEに助けられている。

おっと,脇道にそれた。

そうして,「たまたま帰宅途中にであった近所の優しいお姉さん」に助けられた親子は,次の日からさっそく菓子折りを用意して,同じ時間帯にお姉さんが家の前を通るのを待った。

金髪に白い肌の外国人なので,とても目立つから,スグに見つかるはず。

でも,1週間経っても2週間経っても,お姉さんは,現れなかった。

そうこうしている内に母が家に帰ることになった。菓子折りと商品券を渡して,きちんとお礼を言うことをことづかったわたしは,目を皿のようにして,お姉さんを探した。

「ここまで会えないとなると,やっぱりあの人は天使だったのかもね~」

母に進捗具合を報告する電話口で,うなづきあった。

そうして3週間目の夕方のある日,子どもたち3人とわたしで買い物から家に帰る道で,あの時のお姉さんらしき後姿を見つけた。

急いでかけよると,お姉さんだった。

またしても,お姉さんは固辞したけれど,連絡先とお名前を聞いた。

家から50メートルも離れていないところに住んでいる方で,お母さんがスカンジナビア出身だけど,日本語がわかるという。

後日,お姉さんのお宅を子どもたちをたずねて,お礼を伝え,近所だからまた逢えますね~。と,気軽な気持ちで,すぐにおいとました。

あれから,5年が経つけれど,それ以来,わたたしたち親子はそのお姉さんに会ったことがない。

こんなにも近くに住んでいるのに合わないなんてありえない。

やっぱり,あのお姉さんは,神様がわたしたち親子のピンチを見かねて,遣わした天使にしか思えないのだ。

あの時出会えたお姉さん,いや天使さん,あなた様のおかげで,わたしたち親子は助けられて,あの子も6年生になりました。いつも見守って下さってありがとうございます。

これがわたしたち家族が天使に出会ったお話だ。

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