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利用者とその家族とのコミュニケーション

聴く技法


利用者の話を聴く技法としてイーガンによって示されたSOLERというものがある

S(SQUARELY)→利用者とまっすぐ向かい合う事、例としては対面や適切な距離を保つことを指す

O(OPEN)→開放的な姿勢をとる事、腕や足を組まず、耳を傾ける

L(LEAN)→相手に少し身体を傾ける事、例としては少し前屈みになり身体をそらさずに、話の展開によって傾きを変更するなど

E(EYE CONTACT)→適度に視線を合わせる事、視線の方向や強さに注意し、視線を外すタイミングを考慮する

R(RELAXED)→リラックスして話を聴く事、自分の緊張を伝えない、相手の緊張を受け止める、くだけすぎないなど

感情表現を察する技法


言葉だけでなく、傾聴と観察による気づきや、洞察力、共感の技法や適切な質問により心情を察する事に努める

質問


効果的な質問を用いる事で理解を深め、コミュニケーションがとりやすくなる

閉じられた質問→はい、いいえなど単語だけで回答できるもの、相手は答えやすいが、本当に言いたいことを引き出せないという面もある

開かれた質問→どう思われますか?いかがですか?など自由な回答ができるもの、考えなければ答えられないが、得られる情報も多いため会話は発展しやすいという面もある

注意点→一度に複数のことを尋ねたりすると相手は戸惑いやすくなり、丁寧さを欠く「なぜ」「どうして」などは相手を防衛的な気持ちにさせるときがあるため、質問の仕方は注意する

同意・納得を得る技法


焦点化→援助者は相手の話す内容を理解・要約し、重要な部分に焦点を絞り、利用者に質問する

これにより、相手の選択を重視して、気づきの過程の展開を促す

明確化→相手の話にまとまりがない時に、「〜ということですか?」と代弁し、伝えたいことの確認をとる技法

直面化→問いかけなどにより、利用者が自分自身の感情や体験、行動を見直していくきっかけのために用いる技法

相談・助言・指導


バイスティックの7つの原則→相談援助を進めていく上で基本となる原則

①個別化→利用者の個別性を理解して、その人に合わせた援助を行う

②意図的な感情表出→利用者の感情に意図的に関わり、利用者の肯定的・否定的な感情を自由に表現できるように働きかける

③統制された情緒的関与→援助者自信の感情を自制し、感受性を働かせる事で利用者の感情を理解し援助に役立てる

④受容→利用者のあるがままを受け入れて、行動や態度に対して道徳的な批判を行わない

⑤非審判的態度→いかなる理由があっても、行動や態度に対して自分の価値観で批判してはならない

⑥自己決定→利用者が自分の判断で、受けるサービス内容などを決定する

⑦秘密保持→プライバシーを守り、情報を外部に漏らさない

意欲を引き出す技法


意欲低下が見られる利用者に対して、単なる励ましではなく、視点が変わるように誘導したり、その人の潜在的な能力を肯定的に捉えるような視点(ストレングス視点)に気づかせることが大切

利用者と家族との意向の調整を図る技法


手順

①利用者の意向の聞き取り

②家族の意向の聞き取り

③利用者の意向を家族に代弁する

④意向の調整

注意点として表向きは合意がとれているようでも本心は違う場合もあるため気を付ける

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