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「ジェンダー」の本当の意味、知っていますか?

SDGsの第5目標になっている「ジェンダー」。
この言葉を使う人・記事を、よくみかけるようになりました。
ジェンダー論の研究者としては、かつてジェンダーがバッシングされ、行政でジェンダーを使うことが禁止されていた頃を思うと、とても嬉しいです。
その一方で、ジェンダーを本来の意味と違う形で使っている人もいるのが、残念でなりません。

よくみかけるのが、ジェンダーを単なる「性別」とする使い方。そこでは、男女だけの場合と、LGBT+も含めている場合と、どちらもみられます。
ですが、ジェンダーは単に性別を指しているのではありません。

「ジェンダー」とは、「性別を『子どもを産むかもしれない身体』をもつ女と、そうではない男の2つに分け、それぞれの性に社会的・文化的な役割や責任を割り当てることによって、つくられる性差」のことです。

このジェンダーには、大きく2つの矛盾があります。
 〇性別を、男女の2つだけに分けること。
 〇個別性ではなく、性別にもとづいて社会的責任や役割を割り振ること。

最近よくLGBT+が話題になるように、性別は男女だけではありません。
また、体力も知力も、男女という性別だけで決まるものではありません。
でもいまだに、企業等での働き方や、子育てや介護などのケアについては、男女で役割が決まっているかのように語られてしまう。
それは、社会にジェンダーが根づいてしまっているからです。

「男性は仕事に向いていて、女性はケアに向いている」というのは、経済社会に都合のよく作られた神話で、科学的な根拠はありません。
ジェンダーという「あたりまえ」を疑ってみることで、社会の見方を変えていきましょう。

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