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DIYカントリー家具の作り方3(実践編)

このシリーズの今までの記事はこちらです。

今回で最後の記事となります。
いよいよ木材工程について書いていきます。


木材

家具DIYでかかる費用のほとんどは、木材の購入費です。
木材もピンキリですが、高い木を使えば、当然高級感のある作品ができます。
でも、安い木材を使っても、見栄えのする家具を作れるのが、カントリー家具の利点の一つ。
それに例え失敗しても、安い木ならば懐へのダメージも少なく、初心者にも優しいです。

私は、もっとも安い、この1×4材と呼ばれる木材しか使いません。

1×4材とは

1×4材とは、断面が19×89mmサイズの木材で、断面のサイズ比がそのまま名前になっています。

1×4材 断面が19×89mmサイズ

ほかにも2×4材などがあり、これは1×4材を2枚重ねたサイズで38×89mmになります。
2×4材は、日本の木造建築で主に使われる、基本的な木材です。

2×4材 38×89mm


1×4材のもっとも大きな特徴は、ホームセンターなどで手に入りやすく、安いということです。
そうした意味で、これほどDIYに適した木材はありません。
しかも、薄くて軽いので、持ち運びもしやすい。
一枚板や大きな集合材を使用する場合は、ずっと材料費は高くなりますし、持ち運びも大変です。

ただ、最近は戦争のせいで木材が値上がりしているようですね。
近所のホームセンターで値段を確認してきましたが、かなり高くなっていました…。

6Fは6フィート(1820mm)

コロナ禍以前は200円台だったと思いましたが、378円になっていました。
しかもこれで「特別価格」…。
木材はロシアからの輸入が多く、全体的に値段が上がっているようです。

それでも1×4材は、もっとも安い木材であり、1×4材がこの値段なら、ほかの木材はもっと高くなっていますし、既製品の木製家具の値段も上がっているはずです。

1×4材のもう一つの利点は、使い方にもよりますが、作る家具によって買う木材を変える必要がない点です。
1×4材さえあれば、なんでも作ることができます。
例えば、天板などに大きな板を使用したい場合は、下のように接着すれば作れます。

まずはじめに、このような設計図を書き、1×4材が何本必要かを計算していきます。

この設計図の場合は、6フィート(1820mm)の1×4材が、3本必要になる計算です。


1×4材の選び方

ホームセンターで、木材を選ぶときは断面から見て、反ったりねじれたりしていない真っ直ぐなものを選びます。

反りやねじれの少ない木材

木材は、湿度の変化ですぐに反ったりねじれたりするので、注意が必要です。
どうせ値段は同じなので、買う時点でなるべくまっすぐな木材を選んでください。
歪んでいる材だと、組み立てが難しくなったり、冬場に扉が閉まりづらくなったりします。

また、できれば節が少ない木材のほうがよいです。
節の部分が欠けて穴があいているものや、節のまわりが樹液でベトついている木材もありますので、よく確認してから購入しましょう。


工程

1、設計図を書く

設計図ができれば、家具DIYの半分くらいは終わったといっても過言ではない。
それだけ重要なものです。
先ほど書いたように必要な木材をここから計算したり、切り出しや組み立て時のミスを防ぐことができます。
反対に、ここで間違えると大失敗してしまうので、よく確認する必要があります。


2、木材を買いに行く

先ほども書きましたが、なるべく反りねじれがないもの、木目がきれいなもの、樹液や節が少ないものを選んでください。
完成してから節の部分が抜けて穴が開いてしまったりすることもあります。
それもDIYの味でもあるんですが。

ちなみに私は、ホームセンターで木材が積み上げられているところを、かなり、下のほうのものまでチェックすることもあります。
曲がっている木材を使うと、季節の変化で扉が閉まらなくなったり、補強が必要になり、余計に木材を使ったりすることもあります。

持ち運びには、6フィート(1820mm)と長さがありますので、車で行くか、ホームセンターで切ってもらってから持ち帰るとよいでしょう。


3、切り出し

せっかく、道具があるなら自分で切ってもいいし、ホームセンターで切ってもらっても構いません。
例えば、カインズホームですと、ワンカット50円と安いです。
私の場合は時間がないときは切ってもらうこともありますが、電ノコで切るのが楽しくて、基本的には自分で切っています。

自分でノコギリや電ノコでカットする場合は、差し金で印や線をつけながら行います。
上記の写真では少し見づらいですが、鉛筆で書いた線を目印に切っています。


4、サンディング

切り口や角が、ケバ立っていては危険なので、必ずヤスリをかけます。
この時に、表面などが荒れていたら、それも一緒にヤスリがけしてしまいます。
残っている鉛筆の下書きも一緒に削ってしまうと、あとで消しゴムで消す手間も省けます。
写真のタイプのヤスリは強力なので、軽くかけるだけで十分です。
プラモデルやネイルのようにヤスリの細かさを変えて整える必要もありません。
初めて作ったDIY家具では、このヤスリがけを忘れていて、危険な家具を作ってしまったこともありました…。


5、接着

1×4材から天板など作る場合は、写真のように木工用ボンドで接着し、クランプでとめておきます。
写真の右のように、切ったあとに接着してもよいし、左のように大まかに切った木材を、接着後に線を引いて真っ直ぐ切ってもよいです。


6、組み立て

いよいよメインディッシュ。

大きな作品の場合は、最初の骨組みを組み立てるときに力がいるときがありますので、慣れないうちは誰かに手伝ってもらうとよいです。
ねじどめは、電動ドライバーの先端にドリルを装着して、ネジ穴を一度開けてから、ねじ回しを装着しなおして、木ネジをしめていきます。


7、オイルステンorペンキ塗り

オイルステンもペンキも色が豊富にありますので、インテリアに合わせて好きな色を塗ってください。

オフホワイトのペンキ

木目を見せたい場合は、オイルステン(オイルステイン)がおススメです。

ウォールナット(色)のオイルステン

匂いがあるのでマスクをしたり、室内なら換気をよくして行ってください。


完成

完成したら、さっそく設置して、中身を入れていきます。

この瞬間が最大の楽しみでもあります。

過去に制作したDIY家具をこちらの記事で公開していますので、よろしければご覧ください。


まとめ

家具DIYは、基本的には売り物にするわけではないので、そんなに厳しくクオリティを求める必要もありません。
むしろ失敗すら味になるので、自己満足でじゅうぶんといえます。
私は創作をすること自体がとても好きなので、家具DIY以外では料理もしますが、料理では失敗しても良い味、というわけにはいきません。
家具DIYではちょっとした失敗でも「あり」と思えるのが、楽しみ方の一つでもあります。
また、ずっと形が残るところや、空間を創造できるという点も、料理とは異なる長所です。

最近では、ホームセンターが増えて、道具も材料も簡単に手に入るようになりました。
ホームセンターが積極的に、欧米のDIY文化が輸入を推し進めた恩恵と言えます。
このように経済的な「消費」によって、DIYの普及が進み、こうして大きなブームになりました。
しかし、DIYにはそれ以外の社会的な側面も見出すことができます。
例えば、創造のケア的な側面や、人間らしさの復活、ゴミ問題、環境問題、消費文化への問題提起、持続可能性といったキーワードが挙げられます。
私は、DIY文化がこうした社会運動につながり、語られるようになっていくと、もっと面白くなると考えています。

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