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駐在妻インターンってどんな人?【第8期vol.2 けいさん(オランダ在住)】

2023年8月、第8期インターンではフランス、オランダ、ドイツ、タイ、ベトナム、中国から参加の駐在妻が加わりました。8期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー第2弾は、2022年2月からオランダに駐在帯同中のけいさんのご紹介です。

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【けいさん/お仕事プロフィール】
新卒で農業機械メーカーに入社。4年間、販促部門にて広告宣伝を担当しつつ、プレスリリースやメディア対応など一部広報業務に携わる。その後、より広報分野の専門性を高める為PR代理店へ転職。クライアントの広報活動コンサル業務を約1年間担当した。その後、配偶者の転職による転居のため退職。引っ越し先で転職活動中に夫の海外駐在が決まり、22年2月よりオランダ在住。


はじめに

帯同する前にも、何度かキャリアチェンジの選択をしてきたけいさん。毎回どんな心境で乗り越えてきたのか、お話を聞けるのを楽しみにしていました。日記をつけていて、その時々の感情を素直に受け入れ前に進む強さと、どんな時も家族を包み込み、駐在生活を共に送っていることを感じました。様々な状況の変化の中で自分を確立するに至ったけいさんのストーリーをお読みください。


予期せぬタイミングでの駐在辞令


駐在前から配偶者の転職による退職など、キャリアを見つめ直す機会が多かったようですね。どのような経緯で帯同に至りましたか?
―新卒で広告宣伝業務を担当する傍ら、一部広報業務(プレスリリースやメディア対応など)を行う機会が多く、色々な経験をするうちに広報職に魅力を感じていきました。そして、広報としての専門性を高めたいと思いPR代理店に転職したのですが、夫の転職と共に引っ越しをすることになり、勤め続けることができず約1年で退職しました。退職後は、引っ越し先でまた広報PR職を中心に転職活動をしていたのですが、勤続年数の短さと経験不足などから苦戦し半年後にやっと内定をもらえました。ところが入社日が決まった日の翌日、夫のオランダ駐在が決定したんです。


迫る決断、揺れる心


何というタイミングでしょう。凄いスピードで帯同の決断をしなければならなかったと思いますが、その時の気持ちや、決意するまでの心境の変化を教えてください。
―辞令が出たことに対しては素直に夫を応援したい気持ちがありました。しかし、自分自身のことを考えたときに、「転職活動を頑張ってきた意味は?私のキャリアは?夫のサポートをした方がよい?」と絶望に近い気持ちも抱かずにはいられませんでした。
ただ、夫について行くのであれば、できるだけ早く内定辞退の連絡をしなければいけなかったので、じっくり悩む時間もありませんでした。周囲に駐在(帯同)経験者もいない中で、帯同するのか日本に残って仕事をするのか明日にでも結論を出さなければいけない!という状況で出会ったのがCAREER MARKの1on1キャリアサポートでした。実際の駐在経験者の方からのアドバイスは参考になったし、今でもその時にもらった言葉はメモに残して心にとどめています。いつかこの先キャリアに迷った時に、この決断で良かったのだと見返せるように当時の気持ちはそうやって携帯のメモに書いていました。「日本で働いていたら得られなかった感覚を持てたり、海外に縁のある場所が出来た事は良かったのだ」と、自分を納得させていたのをそのメモを見て思い出しています。昔から、「置かれた場所がベスト」と思うようにはしています。

400本の桜が植えられているアムステルダムの公園は日本人に限らず春の人気スポットです。

一日一日を夫婦で乗り越える


当時の葛藤はとても大きかったと思います。そんな中でも着実に前に進もうとしているけいちゃんの強さを感じます。実際にオランダに来てからはどうでしたか?
―到着してみると、自分の心配をしているよりも夫の方が気がかりでした。夫自身は転職をして半年での駐在だった上、駐在前もコロナ禍でリモートワークがベースだったこともあり、あまり職場の方と顔を合わせる機会もありませんでした。そんな様子をそばで見て、この状況は転職経験のある私でも大変だなとよく思っていました。一方で私は、内定辞退までして来るべきだったのかと仕事への未練がまだまだあったので、夫婦共に不安定な状況での駐在スタートでした。しかし、「私が家族として夫を支えないと」と思い、夫には駐在生活が全てではないし、しんどければ日本に戻ってもいいと伝えながら、なるべく明るく振る舞いました。そうして、一日一日を夫婦で一緒に乗り越えてきました。

オランダ北部の島では船からアザラシを見られるツアーがあります。
こんなにたくさんの野生のあざらしを見たのは初めてでした!

開き直った先の自分


自分も心の整理をつけなくてはいけない中、家族も支えようとしていたのですね。
そんな時期も越え、最近はどのような生活を送っていますか?
―今年から中高でやっていたバドミントンを再開しました。メンバーは年齢性別さまざまですが、駐在員パートナーの立場なのは多分私だけかな?
ほかの方は仕事をしている人ばかりです。キャリアを積んでいる方、特に年齢が近い方と出会うと、私にもこんな未来があったのかな~と比較して悲しくなる事もありますが、専業主婦が良い悪い、仕事をしている人の方が偉いのかどうか、という価値観は持たなくてよいと思うようになりました。そう考えるようになってからは、人と比べる事も少なくなり、開き直って自分を確立できているように思います。
今までも普段の生活の中で、みんなが興味を持つことにワクワクしない自分に劣等感を抱くこともありましたが、「それも含めて私なんだ」と思うと生活も楽しくなってきました。

毎年8月に行われる「Pride Amsterdam」の運河パレードでは、数々の運河は船で、
運河沿いの道は人で埋め尽くされます。オランダの大好きなところのひとつです。

CAREER MARKインターン


CAREER MARKインターンに応募したきっかけは?
―1on1キャリアサポートでCAREER MARKに出会った後メルマガを購読していて、その中でインターンについて知りました。
まさに前職で関わっていたようなPRのお手伝いが出来るインターンであり、スキルを継続する為にもこの機会を逃したくないと思いました。
オランダに来てからも転職サイトなどでゆるく転職活動を続けながら、PRキャリアが積めるチャンスを探していました。しかし時差やフルリモートがハードルとなり、なかなか叶わなかったので、CAREER MARKのインターンを知ったとき、私にはもうここしかないという思いでした。


強い意志のもと応募したのですね。そんなけいちゃんと一緒に活動ができて嬉しいです。実際に始めてみていかがですか?
―正直、始めてみて自分に落胆した部分もあります。仕事の感覚は衰えるものじゃ無いと思っていたのに、前は当たり前にやっていた事が出来なくて落ち込む事もあります。
それでも、同年代で、似た境遇でありながら、考えが違う仲間に出会えたことが本当に良かったです。互いを比べることなく、インターン仲間として語り合えることが嬉しいし、落ち着いてみんなを受け入れることができ、同じ目標に向かって走っているので楽しいです。それぞれが遠い国に住んでいるけれど同じ状況で繋がって仕事が出来る環境も素晴らしいと思いました。
今はなにもかも手探りですが、インターン期間が終わるころには、私がそうだったように、次の一歩に悩む駐在員パートナーが自信を持って人生の選択をするためのサポートをCAREER MARKを通じてできたらなと思っています。

やはりサッカーは大人気!もともとJリーグチームのサポーターをしていたので
ドイツやベルギー、スペインなどにも観戦に行っています。

レールは敷かない人生


仲間として同じ目標に向かって語り合える楽しさ、私も毎日感じています!
今後のキャリアについてはどのように考えていますか?
―内定をもらっていたのに辞退した時点で、先の事は考えても思い通りにならない、それで落ち込むくらいだったら理想を描きすぎない方が良い、と考えるようになりました。駐在帯同期間で何か達成することももちろん素晴らしいけど、最低限英語が使えれば日本に帰った時に仕事の幅が広がりそうだから英語のスキルくらいは高めておくか~というように気楽に捉えるようにしています。(笑)
ひとつのレールを敷いてしまうと、乗れなかったときに落ち込むから、良い意味でレールを敷くのをやめました。

歴史上の関係から、インドネシア料理店が多いオランダ。
これはオランダ式インドネシア料理「Rijsttafel 」。

色々な経験を乗り越えてきたからこそのマインドですね。柔軟な考え方、見習いたいです!
最後に、読んで下さった方へのメッセージはありますか?
ー日々新しいことにチャレンジできている方には当てはまらないかもしれないですが、、、多くの駐在員パートナーが一度は「なんでこうなったんだろう?」と誰にぶつけたらいいのか分からない想いを抱いたことがあると思います。私もそうですし、私の周りでもそんな声を聞くことがあります。キャリアもスキルも中途半端な私ですら、「これまで少しずつ積み上げてきたものはどうなるんだろう」と、とにかく周りの人と比べてはやるせない気持ちが湧き上がってくることが未だにあります。
そんな時は良い意味で「開き直る」ことを提案したいです!私の場合は、まずは毎日の生活をしっかり送ってその上で、心に余裕があれば何か始めてみればいい続かなくてもいい、と開き直ってからは悩む日が減ったように思います。
異文化に飛び込む決断をしたこと、後悔や未練を抱えながらも毎日生活しているあなたは素晴らしいと伝えてまわりたいです(笑)

基本的にエアコンが自宅にないので暑い日には海や湖で避暑をする人が多いです。
この夕陽の先はイギリスです。

あとがき

夫婦で一日一日乗り越えたという言葉がとても印象的でした。予期せぬタイミングで帯同の決断をしなければいけない状況で、自身も多くの葛藤があったと思います。そんな中でも、家族をチームとして考え、支え続けるけいさんの優しさと温かさを感じました。
この先どんなタイミングで新たな生活がやってくるか分からない私たちですが、周囲に左右されずにたくましく今を生きるけいさんの姿に、帯同生活を楽しむヒントがあるように思います。

最後までお読みいただきありがとうございます!


インターン活動を振り返って

7か月前に書いた応募書類からピックアップしたものに自分でコメントをしてみます!

まず、「インターン活動でやりたいこと」
・インターン同士で知識共有しながら全員でスキルアップしその後も繋がれる関係性を築く
⇒活動当初「先輩はかけがえない仲間に出会えたというけど、時差をまたいだフルリモートで、たった7か月間の活動期間で?」と疑いしかなかったです!
なのに、9期も活動を継続するわたしは、8期最終日の今日、卒業する仲間の背中を見送りながら、さみしくて「行かないで〜」と子どものようにじたばたしています。それぞれの経歴から発揮されるスキルは私にないものばかりで、仕事観に大きな影響を与えてくれた尊敬できる仲間と「いつか日本もしくは世界のどこかで会おう!」と言い合える関係性を築けたので目標達成です!

次に「インターンとして活動したい理由」
・活動を通じて社会における駐在帯同者のバリューを高めたい
⇒CAREER MARKの想いと通じる気持ちを持っていたんだなと思います。
同期のメンバーを始め「こんな人たちが働い(け)てないのは社会の損失では?」と思うほど優秀な人に出会ってきました。CAREER MARK+運営チームの活動を通して少しは貢献できたかな?9期では広報チームとして情報発信を通じて、より一層ギアをあげ駐在員パートナーが活躍できる社会を実現する一助になれたら、と決意を新たにしています。

最後に、、、
仕事をして社会に貢献してもなければ、子育てをしているわけでもない、全部の家事が得意なわけでもない、じゃあなにができるの?という風に「あーだめだ」と今も思います。ただ、活動を通して仕事の勘は取り戻したし、責任感も働いていたときと変わらず、時差を越えたフルリモートでのチームワークは日本でずっと働いていた場合より得意になったかも?とも思います。
”どんな状態でもいいからキャリアとつながっていたい”を行動に移したことで得られた経験や関係性がいつかの未来に活きるようマイペースに歩みを進めていきたいです。



インタビュー・文:
CAREER MARK 第8期インターン 川上 薫

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