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採用活動が確率論から共感と等身大のマーケティングに変化した3つの理由

採用マーケットは日々変化をしている

採用マーケットは人手不足ということ言い続けている。
しかし、それが先入観と思い込みであるということに気づいていない。
35歳以下を採用したいということから、人手不足ということになるだろう。

働き方はいろいろ検討をする必要があるにも関わらず、
正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトの4つに分けたがる。
正社員が安泰であるという時代は終わっているにもかかわらず、
大手企業への就職、転職を希望している人が多いということ。

中小企業やベンチャーはいつ資金がショートして給与未払いが起きるかどうか不安ですという転職者もいる。
大手企業の場合はそう簡単に潰れないという思い込みがあるため、そういう反応が多くなるのだろう。
証券会社や銀行が潰れ、大手企業が相次いでリストラ、工場の閉鎖など、
人件費、教育研修費を削ったことによって、失われた20年を乗り切った。

そのつけがちょうど今まわってきたといえるだろう。
新卒採用を控え、高度経済成長期、バブル期を支えた中高年をリストラ、
生産性を重視して、チームの力から個人の力にシフトチェンジをした結果である。
そこで起きたのはミドル層のマネージメント層が不足しているという実態と、
ぶら下がり思考が多く、思考停止をしている人材が増えているということである。

社畜という言葉が流行ったように、能力があっても、人望がなかったり、
出る杭は引っこ抜かれるという社風の会社では優秀な人材を管理職へ登用するというより、
自分よりデキの悪い人材だけど、社内政治のプロを重宝する傾向が未だに残っている。

ポストの数が少なく、昇進をするのに渋滞をしている企業も多くある。
業績が好調だからといって、外様を管理職のポストへ入れる事によって、
ハレーションを起こしかねないリスクをしっかりと考えていない採用担当者もいる。

ハレーションが起きる理由は、社内に火種があることに気づいていないことが多い。
自己評価、他者評価と会社評価が一致していないことが原因である。
自らポジション取りをする人材であれば、3つの評価がほとんど変わらないというのが正解。
自己評価が高く、他者評価と会社の評価が低いという事は、社内の信用預金がないことを意味している。
こういう時に限り、ハレーションが起きるリスクが高いのである。

社会人3年目、5年目ぐらいになるとよくというものがでてくる。
会社の仕組みや自分の立ち位置がわかるからこそ、もう少し上のステージに行きたいと考える。
その時に先輩社員が昇進待ちの行列に並んでいたらどう思うだろう。

その先輩が出世して昇進してくれない限り自分の昇進もないと判断をされてしまうか、会社のブランドがあるからということで残留を決意するかの2つで有る。
見切りをつけた社員はすぐに転職活動へ入っていく。

自分が積みたいキャリアの方向性や経験をフルに活かせることができるからである。
年収アップ、ポストへの着任ができると判断されたら、その会社から去ってしまうだろう。

ブランド力があり、大手の企業の看板にしがみついてしまうことを決めた人は、人事からするといつ破裂してもおかしくない爆弾を持っているようなものである。

自分の椅子を守ることに必死になり、必要悪になる抵抗勢力やしがらみに変化をするからである。
変化をするには痛みを伴うことが必要ですが、こういう人たちが抵抗することによって、改革のスピードが落ちてしまう。
ビジネスプロデューサー、ビジネスデレクターが育成できない理由はここにある。

ベンチャー企業がガリバー企業と同じになるには…

とあるベンチャー企業の経営者からの相談を例示すると、ちょっとした見せ方を変えるだけで、新鮮味が増し、共感性と等身大を出すことができたため、新卒、中途採用が順調に進み、ブランディングができたことによって、ガリバー企業と同じぐらいまで有名になった。

最初の相談はこういうものだった。
「ちょっと聞きたいんだけど、うちのホームページや採用情報を見てどう思う?」
「う〜ん…これではその他大勢の会社と変わらないですね。」
「何でそう思うの??」
「御社の特徴は社長や役員との距離が近いということ。言い出しっぺは成功、失敗問わずにチャレンジできる。そして、お互いが納得をいくまで話し合いをして決める目標管理と評価制度じゃないですか?」
「それを打ち出しているようにリニューアルしてもらったんだけど…」
「全くいいところが打ち出せていませんし、写真や文章に違和感を覚えます。あと、情報発信するときは文章を読んでいる人のターゲットがずれていますよ。」
その後、約1年間採用支援のアドバイザーとして一緒に仕事をさせてもらいました。

経営者との距離感が近いこと、新規事業について随時提案できること、
他の会社にはない人事制度の注目をして、人に対して投資を惜しまない、
現場も経営者も一緒になって頑張っているという点を差別化点としたことによって、
今では大手企業や有名企業と並ぶぐらいのところまで、ブランディング化ができた。

社内にいると当たり前のようなことも、社外から見ると新鮮さがあり、
差別化できるポイントになることは気づかないことも多い。
エージェントやコンサルタント会社を入れたとしても、
お金が発生するため、ちゃんとした実態にあったブランディングができないこともある。

また、採用基準を明確化することで妥協なき採用をすることができる。
枠に囚われてしまって、柔軟な発想ができない人が増えていることもあり、
自分の経験やスキルを土台として、組織の枠を飛び出して活躍できる人材を採用したいという代表の思いもあり、そのことについて、採用担当、役員、代表にもコミットメントをしてもらいました。
そうすることによって経営者、現場担当、採用担当が同じ景色を見ているということを意識付けして、その点を強調する採用戦略で戦うことができるからである。

採用担当者の必要なスキル

最近、求人広告やホームページの採用情報などを見ていると、
「人材」→「人財」というキャッチコピーをよく見ます。
はっきりいうと、ホンマでっか!?と聞きたくなるようなコンテンツが並んでいる。

人事や経営者が採用戦略ができないということであれば、外部のコンサルタント会社や他人の知恵を借りることをすればいいと思う。
それにはコストが発生するのはもちろんである。

そのコストを掛けたくないということが見え見えだと、企業のブランディング化ができるわけがありません。
そしてすぐにブランディングができるのではなく、徐々に浸透をしていく形になるため、即効性はあまり期待しないでください。
年間単位で考える必要があるため、本気で経営戦略の一部として本気で知恵を絞れるかということである。

それには相当な覚悟があり、ビジネスと同じぐらいのリスクがあることを承知してほしい。
そう簡単に成功している企業のポイントをパクれば、自社でもできるなんてことはありません。
採用担当者に求められるスキルは、いろいろなスキルを兼ね備えておかないといけません。

就職、転職市場の市場動向、競合他社の年収、広告のコピーライティング、ソーシャルネットの知識、WEBマーケティング、人的資源管理、情報発信力、本質を見抜く力、コミュいケーション力、提案力、問題解決能力、経営戦略、実行力、実績などいろいろな要素が複雑に入り組んでいるのです。

採用担当は非常に忙しいというのはわかりますが、面接であれば他者を巻き込むことができればいいわけですし、エージェントや広告会社を味方につけることができれば、採用手法についても知恵を絞って効率的にできる。

色々なスキルを必要とするがそれを身につけている採用担当者には出会ったことがない。

言い訳をすればキリがないけど、今後も優良企業で100年企業を目指すのであれば、経営者と人事採用担当者が一緒になって、経営的な視点から採用戦略を考える必要がある。

「いい人がいれば採用したいです」とか、「うちなんか中小企業、ベンチャー企業で…」と諦めるぐらいなら、採用担当者のポジションで仕事をしている意味はない。

何が問題で、どういう原因があって、それを解決する能力が無いのであれば、会社説明会や面接にはでてきてほしくないというのが本音である。
仕事をやらされている意識で採用をしているから、そういう言葉が言い訳じみて聞こえてしまう。
そうではないという人もいるかもしれないが、プロ意識が低い人事とエージェントが組んでも、底辺層の知恵しか出てこないし、上のステージにはいくことができないだろう。

ずっと無限ループに迷い込んでしまって、疲弊していくのか、諦めるかの2択である。

経営者の皆さんも人事担当者は社内外の営業担当であり、広報でもあるわけですから、戦える人材を配置することをオススメします。
人事が人材の墓場であるといわれないためにも、そういう組織づくりが必要です。

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