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人を動かす会話の6つのポイント

いい方、伝え方が9割

組織の理論としてあるのが、「ノー」を「イエス」に転じさせ、クロはシロに、嫌なこともいいことに見せる。

説得とはごまかしの技術であり、どんな熱弁も、誠意も、論理も、詭弁も、
相手の首を縦に振らせるためのもの。

説得はいい方、言い換えが9割であり、新しい視点を開いてに提示させる方法があるんです。

1:理想形はメダリストを育てた小出監督

アスリートに寄り添いながら、どう伝えることで選手のモチベーションを下げずに、怪我に向かい合ってもらうためにいろいろな言葉をかけたそうです。

その小出監督の言い換えの口癖に「せっかく」ということばがある。

例えば選手が故障をした時、指導者はたいてい渋い顔をして似たようなことばをいうでしょ。

「気持ちが弛んでるじゃないか」「無事これ名馬といってな、怪我をしないのも練習のうちだ」という。

しかし、小出監督は「せっかく故障したんだから、いましかできないことをやろう」とか、「せっかく神様がやすめといってくれているのだから、しっかり休もう」という。

言い換えることによって、新しい視点を提示して、選手を前向きに切り替えさせることができる。

人間心理に通じた小出監督の真骨頂ではないだろうか。

2:具体的に夢を語れ

人は「夢」ということばにココロを動かされる。

しかし、「ホラ吹きと思われるのではないか」と懸念して、口になかなか出せない。

だからどうしても現実的な話をしてしまうが、「現実的」は「夢」の対極にあるものでココロは踊らず、説得もされないものである。

ホラと夢の違いは、話に具体性があるかどうかである。

つまりホラに具体性を加えると夢に変わるということ。

「売上を10倍にするのは簡単ですよ」と言われるのと、「私の人脈をフルに活用すれば、売上を10倍にすることは簡単です」ということば。

前者はどうやって10倍にするのかという具体例が提示されていない。

後者は人脈をフル活用してという具体例がついているだけで、もしかしたら大丈夫かもという気持ちになることがある。

少なくても「売上を伸ばす自信はありません」としょっぱい顔をしていう人間より、評価をされることは間違いありません。

3:Win−Winの関係へ

私の友人が音頭をとって、業界限定のボーリングの親睦会を立ち上げようとした時のこと。

役員、人事と揉めてしまい、困った知人はメンターの1人を尋ねた。

友人が「対立」ということばを使ったところ、メンターから「隔たりといえ」とたしなまれたそうです。

また、「それぞれの意見をひとまとめにして、大筋ということばに言い換えることが出来れば、反対するものはいないはずだ」という教えもうけたという。

「え〜異常、いろいろなご意見を賜りましたが、細かいことはともかくとしまして、親睦会をつくるという大筋において、ご賛同いただけたと思いますが、いかがでしょうか」

会合では賛同の拍手が起きたそうだ。

流石に長老から授かった知恵である。

大筋を太いロープにたとえてみればわかるが、1本、1本は細い繊維が束になって、ロープをつくる。

ロープが先にあって細い繊維があるわけではない。

「ロープをつくる」と決めれば個々の細い繊維はすりあわせるしかなくなる。

4:うまく同情を誘う

例えば昔のドラマでよくあったワンシーン。

「受験させてください、お願いします」とか、「もう一度チャンスをやってください、お願いします」という訴える場面。

この訴えは一方的なお願いであり、「私」から「あなた」に対して一方通行の会話である。

ところが、「私の立場ならどうしますか」と問いかけると、「どうするかな」という思いがチラリと相手の脳裏をよぎります。

すると途端に「私」と「あなた」は双方向になる。

相手の立場で思いやれば、同情心が芽生え、「じゃ、力をかしてやるか」という気持ちにもなるのだ。

卑屈になって相手を同情に誘いこむのであれば、言い換えつという攻めによって、相手の心に深く食い込んでいくのも「同情」なのです。

5:大義名分を与えて納得させる

人間は常に自分に言い訳で精神的なバランスを獲っている。

したがって、これを説得という視点から見れば、自分に言い訳する材料を相手に与え、それを大義名分としてやれば、相手にとってネガティブなことであっても説得しやすくなるということだ。

豊臣秀吉の刀狩りが一番いい例になる。
下々から武器を取り上げる際にも秀吉は巧妙な言い換えをしている。

「没収した武器はいま作っている方広寺の大仏建立の釘や鎹にするから、百姓は来世まで救われるぞ。さらに百姓は工作にだけ励めば、子孫代々無事に暮らせる。百姓を愛するから武器を取り上げるのだ」

「嘘つけ」と百姓たちは不満ばかりであったが、「大仏建立」「来世の救済」「子孫代々の安泰」という大義名分には逆らえず、やがて、それを自分に言い聞かせるようにして、刀狩りへ協力をしていく。

秀吉は見事な言い換えで支配を確実なものにしていったのだ。

6:始末に困るが、そういう男でなければ仕事では使えない

ヨイショというやつはさじ加減が難く、過ぎても足りなくても反発を生じる危険性がある。

そこで言い方を変えてみると、モノゴトがうまく進むケースもよくある。

西郷隆盛は神保家として名高いが、これは彼の人格だけでなく、人の心を読むことに長けていることを見逃していけない。

例えば西郷隆盛が山岡鉄舟を評したセリフなど、さすが西郷というしかないものである。

「命もいらぬ、名もいらぬ男は始末に困るものだか、始末に困る男でなければ点かの大事は謀れない」「始末に困る男」という否定的な一語が強烈であるため、お世辞とは受け取らず、そこまで私を評価してくれるのかと嬉しさを通り越して心酔したことだろう。

跳ねっ返りの部下や後輩に手を焼く上司は西郷隆盛式の言い換えを用いればいいのだ。

「キミは私のいうことを聞かないし、何事においても独断専行だ。そういう部下ははっきりいって始末に困るが、そういう男でなければ仕事では使えない」跳ねっ返りは感激して、以後あなただけに恭順の衣を表すことだろう。

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