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知識より経験が重要視される3つの理由

転職回数でスクリーニングは危険

人事の暗黙の了解というものがあります。
1つは3年の在籍期間が必要である。
2つは30歳で3回、35歳で5回の転職回数
3つは大学名、企業名でスクリーニング

この3つは中途採用でよくあるパターンです。
3つの理由をすべて杓子定規に使っている企業があったり、暗黙の了解がない企業があったりと混在をしていますが、ほとんどの企業は3つのハードルのうち2つは設けています。

転職回数が多い人をジョブホッパーというレッテルを貼りたがりますが、
そういう杓子定規的な判断や思い込み、決めつけというのはよくない。

職務経歴書をしっかりと読み込んでいるのであればいいのですが、たいていの人事は、転職回数が多いという理由で、書類を読み込む前に不採用のメールを送ってしまっているケースがほとんど。

ジョブホッパーについては明確な定義はない。
在職年数が短い、転職回数が多いという理由で、人事の人たちやエージェントが言い出したのがジョブホッパーという概念。

ジョブホッパーと面接する時間は無駄であるというのが彼らの見解。
理由は3つあると言われています。
1つ目が過去の経歴から見て長期勤務が出来ないという判断
2つ目がロイヤリティーが少ないから、マネージメントしにくいという判断
3つ目が実績がない、キャリアの形成ができていないという判断

この理由というのは本当に正しい根拠に基づいて判断されているのかどうかは、今のところ全くわかっていないというのが現状である。

ジョブホッパーを問答無用で書類選考で落とすということについては、ちょっとした疑問を感じることがよくあります。

確かに在籍期間が短い、転職回数が多いという理由だけで、ジョブホッパーと思われがちではありますが、そういわれない人たちに比べて、すぐにやめてしまっているという印象は確かにある。

しかし、書類選考の段階において、転職回数が多い、在籍期間が短いという理由で無碍に書類選考落ちとしてしまっていいものなのだろうか。

昔エージェント時代にとある企業の経営者さんからこういう話を聞いたことがある。

学歴や転職回数は気にしない。大きい会社、小さい会社も気にしないよ。

気にするのはその会社で何をやってきたのかということと、実績の有無によって判断をする。

理由は即戦力といっても、環境適応能力が無ければ意味がないし、実績が出せない人は必要ない。

コミットしたくれた数字に対してはこだわりを持ってほしい。
目標数値というのは会社が利益を出すために必要な数字であり、ノルマともいわれるものであるが、その数値をクリア出来ないのであれば意味がない。

個人でクリア出来なければ、チームでクリアを目指して欲しいし、チームでクリアを目指せないのであれば、全体でクリアを目指してほしいと考えているから。

組織に馴染めて結果として会社に貢献してくれる人を採用したいという気持ちが強い人だった。

在籍期間は関係なく、どういう結果を残してきて、結果を残すためにはどうしたらいいのかと本気で知恵を絞って、いろいろいな修羅場をくぐってきたり、経験を積んでいる人を採用したいと考えていた。

結果を残せる人材を求めているにもかかわらず、在籍期間だけで判断をするということは利益を生み出せる人ではなく、不良債権となる人を採用する確率が高くなるといえるでしょう。

働き方が多様化しており、フリーランス、アグリゲーターなどが増えてくることになり、正社員での採用以外も考えなければならない時代へ突入をしているにもかかわらず、いまだに昭和的な発想を持っているということは危機的状況ではないかと感じている。

人事も経営者も今までの採用のセオリーを見直す時期がきたのではないかと考える。

採用担当者に求められるスキルというのは、商品開発的な部分、マーケティング、広報宣伝、営業などいろいろな要素が複合的に混ざって化学反応を起こしていかなければいけない時代になっている。

指示待ち族で現場から悲鳴が上がるまで採用活動をしなかったり、退職者が出てきてから採用計画を立てるという人事はこれから必要無くなるだろう。

いかに採用をして、離職をさせないかというのを必死に考えなければいけい時代になり、攻めの人事に回っていかないと、人工知能にそのポジションを奪われてしまってもおかしくない。

レジュメを読まない人事がほとんど

ジョブホッパーは忠誠心がないと思われがちで、マネージメントしづらいというイメージがあります。

しかし、この考えは裏を読むと、うちの会社にはマネージメント力がありませんと公言しているようなものです。

管理職というのはどんな人材であっても活用して、会社に貢献するためにはどうしたらいいのかを考えることであり、戦力となる候補者がいれば会ってみたいというのが本音です。

書類選考落ちを決める前に、応募書類を熟読するして、短い経歴ながらもどれぐらい会社に対してコミットメントをしていたのか、どういう貢献をしてきたのかということを確認する必要があります。

そんな時間も取れないという人事であれば、タイムマネージメントができていないでしょう。

応募者が殺到をするといっても15分、30分、1時間程度で済む。

応募者管理をちゃんとしていないと、チェックするにも時間がかかるため、杓子定規的に1stジャッジをしてしまって、優秀な人材を逃していることもある。

それでも出来ないということになると人事部の職務怠慢といってもいいだろう。

ジョブホッパーはキャリアの形成ができていないという懸念はよく聞く話です。

しかし転職回数が多いからといって、キャリアの形成ができていないのでしょうか。

1社で20年勤務している人がキャリアの形成ができているといえるのでしょうか。

これは完全に思い込みと先入観で勝手に無意識に判断をしていることになる。

私はいろいろな会社でコミットをして目標達成をしてきた応募者と、1社経験で会社にコミットをして目標達成をしてきた応募者では、書類をしっかりと見ないとどちらが戦力として活躍できるかをイメージすることができない。

1社経験者の場合は、会社内の社内信用預金がたくさん出来ており、仕事をするチームでも信頼関係ができているから、大きな仕事を成功させているケースもある。

しかし、それはその会社内のルールであり、他社では通用しない可能性がある。

反対に複数の会社を経験している場合については、短期間で社内の信用預金を作ることができる能力があると見える。

仕事をするチームに対しても、信頼関係を築くことができるから、ビジネスプロデューサーとしての素質があるかも知れない。

長期勤務が出来ないかもしれないけど、会社に貢献することができると推測できる。

どちらがいいかというのは書類上で判断をすることはできないだろう。
そうすると面接というのが普通の流れであるが、最近の採用担当者には決定権がないことが多い。

採用担当の部署長が判断をすることになる。

レジュメを右から左へ受け流すことが多いのが最近の傾向。

選考基準が明確化されておらず、会社全体というよりかはその部署のルールで判断をしている。

1社経験の場合にはリスクが伴うことが多くあります。

その会社内のルールで上げてきた実績が他の会社で通用するとは限りません。

ましてや大手企業病にかかっている場合は、中小企業やベンチャー企業では活躍出来る確率は、10%以下になるといっても過言ではありません。

組織に人数が多く割かれているから管理職は進捗管理だけで済みますが、中小企業やベンチャー企業ではプレイングマネージャーとなるので、プレーヤーとしての実績と進捗管理など、いろいろな雑務も発生する。

いろいろとやることが多く、フットワークも軽くないとできないことが多い。

転職経験が少ない人に対してアレルギーがあるわけではないが、書類選考基準をしっかりと見直す必要があるのではないかと提唱している。

杓子定規的に転職回数で判断をするということはかなりの危険をはらんでいるということ。

在籍期間が長く、経験者数が少ないという先入観と思い込みでの判断はやめたほうがいい。

私自身もジョブホッパーといわれているからである。
転職回数が多く、在籍期間も短いという理由から、書類選考でお祈りメールが届くことを経験しているからこそいえる部分もある。

営業から支店長へ昇進して、人事でも管理職を経験しているからこそ、もっと高い目標へとキャリアアップしたいと考えているのはいつものことです。

常に現状に満足をすることなく、さらなる高みへと向かって行くことや
チャレンジをすることを優先したいと考えているからです。

現状維持に満足をするということは、衰退を意味することになるから。

偏見と先入観と思い込みがミスマッチを発生させる

極めて短い期間で転職をするということはリスクになることを承知のうえで、自分のキャリアとして活躍できるポジションがあったらチャレンジをしてみるのもいいでしょう。

リスクは承知のうえで、チャレンジをする人も少ないから、差別化につながることもある。

転職回数の制限があったとしても、ドンドン応募をしていた。

お祈りメールが届くことにも慣れっこになってしまったかもしれない。

エージェントを通しての書類選考通過率が10%前後と言われている時代に、
20%は書類選考を通過していたわけですから、確率は2倍あった。

諦めずにちゃんとやることで結果がついてくることを知っているからかも知れない。

諦めてしまったらそこで終わってしまうし、転職活動は一生やり続けることになると腹をくくっているからだ。

短期間で退職をした会社とは疎遠になるのではないかと思う人が多くいますが、強いつながりではなく、弱いツナガリで継続的につながっていくことが多くあります。

アライアンスを組んだりすることもありますし、講師として呼ばれたりすることもあります。

いろいろな先輩方、エージェント業界の人たちから、短期間で退職をするということは経歴にキズがつくしやめたほうがいいとか、後悔するからやめなさいと言われ続けてきたことがあった。

私自身は結果を残せているのだからいいじゃないか。自分がやりたい仕事を突き詰めているわけだし、大手企業からベンチャー企業まで体験をすることができたことは、自分のキャリアとしてはプラスに感じている部分が多くある。

どの会社でも採用をするときには、経験社数が少ない人よりも、転職回数が多い人を採用してきたこともある。

転職回数が多い人はキャラクターがあり、モノゴトをいろいろな角度から分析をすることができるひとが多かったから。

私自身もいろいろな人の転職を手伝ったり、採用をしてきた実績がある。
IT業界、金融業界の営業マネージャー、サービス業のマーケティング、自動車メーカーの人事部長、精密機械メーカーの経理部長など、多種多様な人材の転職をお手伝いさせてもらった。その数は実に3000人を超えているのが現状である。

私はジョブホッパーを正当化しているわけではありません。
短期間でやめてしまった背景や理由を知らずに、杓子定規で書類選考落ちと確定をしてしまうことについて、かなりの危機感を持っているということをいいたい。

面接で相性が合わないという理由で採用を見送ることもあるし、面接で会ってみたら、スゴイエッジの利いた人だったりすることもある。

最初っから思い込みと先入観でバッサリと切り捨てる時代は終わった。
これからの時代はいろいろな人をいろいろな採用方法で集めていく時代。
そして離職をしないようにするにはどうしたらいいのかを考える時代。

育成のみ、即戦力のみという考え方をしていては時代遅れだろう。
育成と即戦力との両方を鑑みながら、パワーバランスをしっかりと見て、
人材戦略、採用戦略を作っていく必要がある。



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