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面接は応募者も面接官も同等である4つの理由

応募者にスポットライトをあてよう

これは、私が人事関係の仕事をしていて一番心がけていることでもあります。
面接ということになると、企業が上、応募者が下という構図が勝手に作られますが、実際のことをいうと、同等レベルであることを忘れています。

企業としては採用費用に1人に500万円から1,000万円近くかかるからどうしても上から目線になります。
応募者は企業に気に入られようとしてごますりをしたり、話を盛ったり、グレーゾーンで勝負します。
そうするとプロの面接官がいないとこういうことを見ぬくことが出来ずに、雇用のミスマッチにもつながってしまうのです。

以前にもいっていますが、過去すごい業績、結果を残してきた人が自社で活躍するとは限らない。
過去は過去の実績であり、具現性、再現性があるかどうかを見ぬかなければなりません。
商社にいたから、大手企業にいたからということで、採用すると失敗する例がよくあります。

有名企業出身者で実績を残している人であればほとんどの場合、会社が手放しませんから。
しかし、多くの採用担当者は書類選考の段階で、有名企業に属していたり、転職回数が少ないからといって、画一的な採用基準を勝手に設けて、優先して面接設定をすることが多くなっている。

私から言わせてもらうと、プロの仕事ではないからといいたくなります。
自動的に振り分けているだけであり、それであればシステム化してパソコンでやればいいと思うから。
どういうことをやってきて、うちの会社でどういう実績を出してくれるかという部分で見ていない。
過去の実績と勝手なブランドイメージの思い込みでそうしているだけだから。

とある企業の幹部は、「採用はシステムを作ればできちゃうんですよ。対人という点で労務や制度はパソコンでは出来ない」と。
今までの採用基準であれば、プラットホームを作り、その中で選べばいいのだから、採用担当者のポジションは将来なくるかもしれない。
また、伝言ゲームになる企業がほとんどだから、決済権者のアシスタントが代行してもいいと思う。

なぜ、採用担当者が必要なのかといわれると、ほとんどの企業が答えられないだろう。
これからの採用担当者は、思いっきり攻める採用担当者であり、プロの採用担当者でない限り必要ないともいえる。
自分がやってきた仕事を否定するつもりはないけど、もっと積極的に、アグレッシブに動いてほしい。

そこでひとつ差別化ができる点としてあるのが、応募者に対しての見方を変えるということ。
先入観や思い込みで見ることをしないで、会ってみて考えることもひとつの選考方法。
職務経歴書の書き方を見れば、ある程度の人柄や実績というのがわかるものである。
ちょっと気になった人は会うように心がけている。

もちろん根回しも必要ではあるが、まずは自分が会ってみてから、誰に話をしたらいいのかを考えるようにしている。
複数の職種を同時に募集をしている場合、特にそうすることが多い。
推薦ポイントや面接で深堀りをしてくれる担当者を探すためのインタビューである。

最近の企業でいきなり面接をするのではなく、面談形式を取り入れているところが多くなっているのは、職務経歴書だけでは判断をすることが出来ないから、一度呼んでみようという感じでやっている企業が多い。
なんの決定権もない人が面談で話しても意味が無い。
代表取締役であったり、企業のトップ、決済権者からランチ形式でザックバランに話を聞けるチャンスを増やしたい。

なぜそう思うのかというと、共感性と等身大というのが今の学生のポイントだからである。
フランクにトップがこんなことをやりたいと思うんだよね。君のこういうスキルが活かせるのではないかということで、
いろいろ専門家としての意見を聞かせてくれないかな。という形で、考えていることをぶつけあう場であり、
会議室や応接室では出にくいアイデアが出てくるのが、ランチ、ディナー形式のやり方である。
お互いに対等な立場で専門家としての意見を出し合うことが必要なのかもしれない。

こんな面接官がいたら、その企業はレベルが低い!

いろいろとTwitterでもいっていることですが、面接官のレベルが低下しています。
プロの面接官は余計なことを聞かないし、興味があれば深堀りをする。
表面的な鉄板ネタはあまり質問をしないのが主流である。

しかし、多くの企業で面接官のレベルが下がっているのは次のような質問を平気でしているからである。
年配者に多い傾向であるのは確かであるが、コミュニケーション能力を疑うことにもつながる。

・履歴書をみて、お一人暮らしですか、ご実家ですか?
→これは関係ない。年収を下げるための質問だと思って構わない。
いきなりこの質問はかなりリスクが高いということを面接官は知らない。

聞き方としては、人事制度的な話になりますが、住宅手当などの問題がありますので…と前置きをしてから、現在のご住所というのは、おひとり暮らしなのですか?ご実家なのですか?と質問をしないと、特に応募者が女性の場合は変な目で見られていると勘違いするケースもあるから。
全ては受け手がどう取るかがコミュニケーションであり、間違わないように前置きをすることを勧めている。

・ご結婚はされないのですか?していないのですか?
→これは男性、女性問わずにちょっとムカッと来る質問である。
応募者が男性であれば、いい年をして結婚をしていないということは人間的に欠陥があるからじゃないかとか、社会的な信用がない人なんだというレッテルを貼りたがる人が多いのは事実。
しかし、昨今の流れを全く把握していない、昭和の頑固オヤジかよってツッコみたくなる。
事実婚もあれば、同棲中かもしれないわけで、面接の場で話をすることではないと言い続けている。

応募者が女性の場合は特に気を付けなければいけない。
この質問の裏の意図としては、すぐに辞めたり、産休に入るリスクを背負うなら採用したくないという
昭和の頑固おやじ的な発想がそうさせているからである。
採用するからには長く努めてほしいいけど、結婚、妊娠、出産、育休などライフイベントが多い女性を活用しきれない理由は、こういう発想があるから。

また、男尊女卑の部分もある。
男女雇用機会均等法が施行されても、男女の格差はなくならない。
女性が台頭するという環境にならないのは、昭和の頑固親父的な発想がそこにあるからだろう。

面接官の研修では質問するのであれば、最後にまとめて採用条件を策定する際に必要になる情報として質問します。
ということをいってから、プライベートに関する質問をするようにと伝えている。
ヘタをしたらネット上で炎上してしまうリスクが存在しているからである。

・お酒は飲まれますか?タバコは吸われますか?

これは微妙な質問であるが、基本的には面接の場では聞かないようにしてほしい。
お酒を飲まれますか?という質問は、社内のノミニュケーションがあるということを暗示している。
愚痴をいいあうノミニュケーションよりも、自分のために時間を使いたいという人が増えているのにもかかわらず、コミュニケーションを円滑にする方法だと信じ込んでいる人が多いのが不思議である。

部署を超えてのコミュニケーション方法として運動会や社員旅行を取り入れている会社もあるが、コミュニケーションってそうやって取るものではないと感じている。
仕事を通していろいろな部署と関わらなければいけない。
知らない人でも臆することなく意見を言える環境を作れない企業側にも疑問がある。

タバコは吸われますかという質問は、世の中が健康志向になり禁煙ブームになりつつあるからだろう。
タバコを吸いに席を外すことはサボっているということをいいたいのも分かるんですけど、煮詰まった時に小休憩をとってメリハリをつけて仕事をしないといけない。

管理型にすることによって、信用がないと思われるとレッテルを貼り、人事の監視、上司、部下の監視が始まる。
まるでどっかの社会主義国のように、密告することで自分の地位を守ろうとする輩もいるぐらいだから。

タバコの質問をするのであれば、当社は健康増進のためにと前置きをしながら聞いたほうがいいだろう。
採用の段階できくのも変な話なんですけどね。

・圧迫面接はやめてください

ついつい昔の面接手法の一つで圧迫面接をする人が多くいらっしゃいます。
これは炎上するきっかけとなり、母集団形成にも影響が出てくるので、絶対にやめましょう。
人手不足となりつつある現在にとっては、リスクを分散することが求められるため、強権発動はやめてください。

・応募者はお客様であり、ユーザーになる可能性がある

新卒、中途問わずにいえることなのですが、応募者はお客様であり、エンドユーザーになる可能性があります。
サービス業だけではありません。法人営業でもクライアント先にいたりすることもありますから。
ちょっとした事で心象が悪くなると、ソーシャルネットやインターネットの掲示板に書き込みをされる。
そうすると本質を捉えられない人たちが炎上をさせてしまい、企業ブランドが低下するおそれがあります。
昨今でも問題になり続けている、土下座の写真をアップするとか、根も葉もないことを書き込まれる可能性があります。

情報が止まっていても入ってくる時代になっていることを覚悟してくださいと言い続けている。
インターネットの普及によって、風評被害は増えていますし、ブラック企業という言葉も一人歩きをしています。
人それぞれの価値観が違うので統一化出来ないと思われがちですが、面接官は会社を代表する広報宣伝の役割もあるため、常に見られているということを意識してほしい。

面接は減点法から加点法へ変わっていくだろう

新卒採用の場合も、中途採用の場合も一緒であるが、未来へ投資して、回収をできるかどうかがポイントになる。
新卒の場合はポテンシャル採用という言葉で片付けられてしまうが、入社3年での投資に対して、リターンが得られるのはどれぐらいかというのを計測している。
5年〜10年で回収をすることができるだろう。
転職市場の1つのポイントである、3年以上の在籍期間が必要というのはここから来ている。

例えがあまり良くないかもしれないが、私はよく競馬の調教師さんを例えに出して話をする。
人事は調教師であり、現場が調教助手や厩舎スタッフ、社長や経営者がオーナーである。
いくら出身大学がよくて、いくら成績がよくても、活躍できる人材とは限らない。
確率は宝くじで100万円以上の高額当選が当たるぐらいの確率だと思っている。

逆に見落としがちなのが高卒、専門卒、高専卒、短大卒である。
ほとんどの企業が4大卒以上という条件をつけてしまっているからである。
これからの時代は4大卒より、高卒、専門卒、高専卒、短大卒を狙うべきだと思う。
理由は簡単である。入社時にハンデを背負っているのだから、それなりに努力をしててっぺんを目指すだろう。

話を戻すと、当才馬の買い付けをする際に血統で見るのか、体つきを見て選ぶのかという問題である。
私がよく言い続けていることは、迷った時は直感を信じることといっている。
迷った時ほど、決断を先延ばしにしてしまいがちになり、悪い結果を引いてしまうからである。
自分の中でデッドラインを引いたのであれば、それまでに直感で判断をすることを勧めている。
そのほうがあの時こうしておけばよかった〜という後悔に繋がりにくいからである。

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