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フィードバックとチーム力の相乗効果をあげる3つのポイント

成長していることに気づかせる

部下の成長とはどういうことをいうのだろうか。新たな知識や技能を習得したということも成長のひとつだろう。

しかし、われわれは「自分では気付いていない点に気がつく」「視点が上がる」ということを「部下の成長」と捉えて重視している。

人間には認知(ものの見方、考え方)のくせがあり、無意識つまり自覚なく行動しがちで、周囲がそれを「問題だ」と感じていても本人には理解できないことが多い。

しかし、その気づいていない視点に気づくと、行動を修正することができる。

すると周囲からみれば「課題だ」と思われていた点が改善するため、周囲との関係も良くなり、社会の中で信用を獲得し、居場所ができてくるのである。

このような成長を部下にもたらす重要な機能が上司による「フィードバック」なのである。

フィードバックにはいろいろな意味がある

フィードバックと聞くと「考課フィードバック」を思い浮かべる方が多いかもしれない。

しかし、フィードバックという言葉そのものは、部下の仕事ぶりや結果に対して強化、統制、修正の目的で意見や反応を返すことであり、日常の問題である。フィードバックがなければ、自分のしたことが良かったのか、悪かったのか、また相手は自分をどう思っているのか「想像」するしかなく、時間が無駄になったり、誤解やボタンの掛け違いを招く危険がある。

そしてフィードバックがなければ日々の業務も新たな挑戦も「やりっ放し」に終わることになるのである。

フィードバックとは部下の成長を支援し、目標達成を促す目的で行われるコミュニケーションなのである。


そう考えると、フィードバックをしない手はないと思うが、前回触れたように相手との関係を保ち、相手のやる気を維持しながら、課題を指摘するのは案外難しい。

指摘を受ける側もプライドを傷つけられたり、面子を脅かされたりすることを恐れ、防衛的になり自己弁護や反発が生じて「自分に気づく」ことが難しくなる。

しかし、米国の心理学者エドガー・シャインは、人が新しい役割を勉強する社会化の課程では、面子をつぶすことが許されるという。

それは指導者に守られて訓練を受けている最中のことで、新しい地位や価値を再構築するために必要なことだとしている。

つまり、相手の面子をつぶすことになっても、部下の成長のためなら、許されることであり、むしろやらなければならないことだといえる。

但し、上司が課題を指摘するのは「君の成長のためなんだ」ということが上司の側に明確にあり、それが相手に理解されていることが必要なのである。

フィードバックをうまくやるには

せっかくのフィードバックを成長に結びつけてもらうには、「プライドを傷つけるような指摘をするのは、自分のためなんだ」と相手に思ってもらう必要がある。

つまり、相手に信頼してもらう必要がある。我々はよく知らない相手を信用することはしないのだから、普段から十分にコミュニケーションをとって、双方で「知っている」ことを増やしていく努力が必要だ。

そのためには上司が自己開示すること、つまりオープンに正直に自分を表現することが求められる。

さらに相手の悪いところだけでなく、良い点を適宜フィードバックしていることが必要だ。

そして、相手の言い分に耳を傾けながら、どこが悪いのか、なぜ問題なのかを事実を基に提示してゆくのである。部下が自分の狭い考えから抜け出すには、自分以外の視点から自分を見るような問いかけをしてみるとよい。

部下のとった行動や結果が次の工程にどんな影響を与えているか、若い人たちがどう思って見ているか・・・などを考えさせるのである。

こうした日常のフィードバックこそが、部下の視点を上げ、部下の言動を変える原動力になるのである。

視点が上がってくると、業務も楽しくなるものだ。

日々そうした変化を繰り返す組織を作っていきたいものだろう。

これを抑えておけば、チーム力がアップする

個人の力がアップすると同時に、チーム力がアップをしなければなりません。

20代、30代は教えてくださいが通用しますが、40代以降についてはこれが通用しません。

知っていて当たり前ということもあります。

わからないこと、知らないことを教えてもらう機会というのは、歳を重ねるごとに減っていくことになります。

チームを纏めるマネージメントスキルというのは最近注目をされることになります。

傾聴力はもちろん、問題解決力、誘導方法など、着地に向かってきちんとナビゲートしていく力も必要になっています。

最高のチーム作りをしていく必要があり、チーム作りが生産性を上げていくポイントにもつながっていきます。

1:上司のサポートが部下のやる気を左右する

現在では複数の企業でストレスチェックを実施しています。

この中で「働き甲斐がない」と感じているグループを抽出すると「仕事が合っていない」「自分のやり方でできない」等と感じていることが判りました。

「働き甲斐がない」ということは「働いた先に何があるか見えない」つまり「働く意味が見えない」ということです。

「働き甲斐がない」と感じる人は「仕事が合っていない」と感じていますが、合っていない仕事をするときには、その仕事の意味が見えないので、「働き甲斐がない」と感じるのかもしれません。

あるいは働く意味を考えずに「合っていないから働き甲斐がない」と逃げているのかもしれません。


2:仕事の目的を説明する

こう考えれば、「働き甲斐」を得る鍵は個々人が「仕事の意味(目的)」を考えることにあるといえます。

仕事の意味を理解し、働き甲斐を感じられれば、それは「自分に合っている」仕事になる可能性があります。 

また、自分なりに意味を感じ、自分の仕事と位置付けられれば、自分なりに課題みつけ、その達成を上司や顧客に認められれば、それが「自分のやり方」でできていると感じられるようになる、あるいはさらに自分のやり方を生み出していくようになります。

仕事が合っていない、働き甲斐がない、と感じている方はご自分の仕事の意味を今一度じっくり考えてみるとよいでしょう。

今の仕事の目的を意識し、その中で「私の仕事の意味」を自分なりに見出すことが重要です。

この時、若手に対しては、上司がその「意味」を明確にし、仕事を与えるときにはその目的を説明するといったサポートが大切です。

3:フィードバックを行う

もうひとつは結果へのフィードバックです。フィードバックは考課時に限りません。

仕事の区切りにおいて、できたこと、できなかったことを具体的事実として率直に伝えてください。

特に、若手には「自分は仕事ができる」「仕事はおもしろい」と感じさせることが必要です。

そのためには、できたことをきちんと評価してやる上司の存在が重要となります。

よい評価によって獲得した成功体験は自信につながります。

さらに仕事の意味を理解していれば、仕事に興味をもって取り組むことが考えられます。

主体的行動(やる気)は仕事への興味(好奇心)と成功体験(そこから生まれる自信)によって生み出されることが分かっています。

主体的に動き出したときに「自分が決めている」という感覚を持たせることもやる気を引き出します。

成功体験は周囲からのフィードバックがあって、感じられるものです。

部下のやる気を引き出すコツのひとつはここにあります。 

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