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コロナショック以降の転職と働き方とお金のはなし

転職の広告を見ていると…年収が上がる!?

よく電車の中でドアに貼っている、ステッカーの広告を見ていると、転職をすると年収が上がると思われがちですが、実は年収ベースで現状維持を勝ち取れればいいでしょう。

なぜかというと理由は2つあるんです。
1つ目は信用も信頼もない人を採用する際に、社内の同じ年齢、同じ職位の人を参考に、転職者の年収が決まるケースがあります。

最終面接が終わった後、オファーレターを作成する際に、◯◯さんと◯◯さんの現在の等級号棒と年収ベースをまず調べて教えてほしいという形になります。

転職者が前職年収500万円とした場合、同じ職位のAさんなら470万円、Bさんなら480万円となると、着地するのが450万円ぐらいになるケースが多くなります。

本当に現場、管理職、役員がどうしても採用したいという気持ちがなければ、500万円の年収を支払ってもいいということにはならないのが組織の理論です。

人材紹介会社は職業の仲介業者である

もう1つは人材紹介会社経由で応募をしても、給与交渉をすることはNGというのが業界内の常識です。
給与交渉をすることで評価を下げることになり、自分たちの売上が確保できなくなってしまうからです。

人材紹介会社の収益は採用して3〜6ヶ月の試用期間を無事に経過をしてくれれば、紹介手数料が100%入るシステムになっています。
平均の残業代や平均の賞与支払額を含めた見込み年収の30〜35%が、人材紹介会社の収益になる。

そのため、転職サイトで地引網のように広告を出し、スカウトメールを撃ちまくる。
しかもテンプレートでうちの会社はすごいんです!取り扱い企業が上場会社なんですというように、なぜスカウトメールを送ったのか?ということは全く触れていないからゴミ箱直行になるわけです。

SNSのように短文で簡略化する力、ライティング力などが求められる時代ではありますが、やっていることは私が人材ビジネスに入った当初からここ20年近く何も変化をしていないということ。

人材紹介会社をキャリアドックの意味合いで使う人に対しては、時間を割くことをせず、生産性と効率性、自分自身の目標数値をクリアするために、どうしたらいいのかを突き詰めた究極のゲームに近い。

年収が上がるケース、年収が下がるケース

コロナショック以降については、本当に必要な人材には高年収で採用をするケースが多く、徐々に買い手市場へと変化をしています。
業績が悪化したことを受けて、採用の見直しが入っているため、新規採用を停止してから、失われた20年で起こった高給取り、シニア層でリストラを開始し、会社に貢献していない、評価が低い人へのリストラが起こりはじめて、現場が疲弊していく。

その他にも未来へのリストラとして、新卒採用を数年停止して業績回復してから始める企業も増えてきています。
2020年に入社した後、後輩ができない社員も多くなるといわれています。

人手不足だからといって売り手市場だった風が、コロナショックによって逆風に変わり、買い手市場へと変化をしてしまっている。
厳選採用、即戦力採用という形で間違った採用が横行してしまう危機感がある。

副業、複業時代の到来!?

最近の風潮として上がってくるのが、やりたいことを仕事にしようという風潮である。
2010年代前半に起こったノマドブームやフリーランスブームによって、キラキラした働き方に憧れる人が多くなっていました。
その後、2017年から2018年にかけて吹きはじめたのが、副業、複業ブームである。

パラレルキャリア、ピボットキャリアなどという言葉が流行りはじめた。
大きな転換点となったのは、トヨタ社長の終身雇用崩壊という会見だった。

バブルが始めるまでは、就職=就社であり、愛社精神で1社で40年勤め上げることが鉄板だったけど、バブルが終わりかけた1985年頃から、リクルートのとらばーゆ、Beingという転職雑誌がではじめて、人材ビジネスも同時期に産声を上げた。

バブルがはじけて失われた20年と言われるようになり、高給取りの管理職や会社の評価が低い人達がドンドンとリストラをされてきた。
その頃にも終身雇用が終わり、年功序列の護送船団方式はなくなったといわれたけれど、企業の9割がいまだに年功序列、終身雇用が当たり前になっている。

毎年昇給して、ボーナスを貰っていた時代から、定期昇給なし、ボーナスなしという時代になってしまった。
転職が当たり前となり自分のスキル、キャリアを選べる会社へ転職をするのが当たり前になったのもこの時期からである。

ノマドブームや副業、複業ブームが起きた背景もここからくる。

・バブルがはじけから、約25年間の給与水準はドンドン下がって、低空飛行担ってしまっている。
・終身雇用が崩壊しており、会社への依存割合が少なく、ドライになっている人が増えている。
・SNSで弱いつながりでギルト的な集団で稼ぐことができる。
・blogやYou Tubeで収益化することが簡単にできるようになった。
・本業の年収が上がらないなら、複業で稼いだほうがキャリアになるから。

本業で十分稼ぐことができたなら、副業、複業をする必要はない。
条件が揃ったために起こった現象ともいえる。

やりたいことをやると年収が下がる!?

フリーランスになると儲かるという人がいますけど、経費や時間で割ると自分が1人で働いてみると、最低時給を割っている!?という案件もあるので、正社員、契約社員で勤務をしている方が年収だけを見た時はいいことが多いです。

健康保険料、国民年金保険料、経費などをひいていくとフリーランスだから儲かるというのは幻想です。

しかし、フリーランスだろうが、社員だろうが、雇用形態に関係なく、どこかの組織に所属をして仕事をすることになります。
責任をもって仕事をすることは同じですし、やりたいことをやればストレスフリーであるという人もいうけれど、現実は全く違うということ。

やりたいことをやろうとしてもすぐに売上を上げることは難しいかもしれないけれど、数年で赤字を取り返すベースができるようになれば、フリーランスだろうが、独立だろうか選択肢としては残るだろう。

フリーランスから社員に戻ることもあるので、働き方については流動化してくるのが2020年以降だろう。

年収、会社のブランド、やりたいことなど働きがいについては人それぞれ。会社にぶら下がる時代は終わり、会社を信用する時代も徐々に終焉を迎えており、欧米のようにスキルを叩き上げて、より良い条件の企業への転職や複業から独立という流れがこれから加速していくだろう。

やりたいことをやりながら、年収を必死で上げていく事もできるし、逆に思考停止、勉強をしない、成長をしない人であればドンドン格差が開いていく時代になっている。

大きな波が起こる前に、ビッグウエーブに乗れるように練習をする時代かもしれない。

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