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キャリアブレイクを文化に


不思議な職業なのかもしれません。
特定のテーマを「文化にする」という職業。

活動を始めたきっかけは
妻のキャリアブレイクでしたが
いまとなっては
キャリアブレイクの研究や
文化にするための活動自体が
とても楽しくなっています。

「始める動機と
 続ける動機は別物」

と、先人に
教えてもらったことが反芻します。

自分の整理も兼ねて
キャリアブレイクの研究や活動が
どうしてこんなにおもしろいのか
少しまとめてみます。




1.人が変わること

ある男性が「次長職」から「部長職」に
昇進するときに、3ヵ月の休職を申請しました。

大変がんばってきた人だったので
休養を取りたかったということ。

もう1つは、
このまま部長職になっても
業績だけを目指すチームを
つくってしまう。

そんな違和感がずっとあったそうです。

だからこそ、
自分自身がしっかり休養を取り
本当に考えないといけないことを
考える時間を取りたい、ということでした。


生きていると
小さな違和感のようなものは
日々起こっているはずです。

それは、会社員だろうが
管理職だろうが、経営者だろうが
子供だったとしても。

その違和感は積もりすぎると
心身に異常をきたします。

一方で、その違和感は
次のステージをつくる
大きなヒントなのです。

その違和感をエネルギーに
変えていく時間と環境が必要です。


不登校・浪人・休学・休職・離職
さまざまなシーンがありますが
どれも転機なんだと思います。

キャリアブレイクという考え方は
そんな人がよい転機を
育てていく文化だと思っています。


2.社会が変わること

よい転機を育てるために
キャリアブレイクというバッファが
社会には必要らしい。

そうなってくると
社会が変容し始めました。

ブランクは悪だと言っていた
企業や人事、転職エージェント。

心配しすぎていた家族たち。

またキャリアブレイク期間を
受け止めてくれていた
書店やカフェなどのサードプレイス。

キャリアブレイク期間を
充実させてくれている
学びの場やボランティア。

不安定な期間に必要な
居住を準備してくれている
シェアハウスや短期移住。

社会全体が
よい転機を増やしていくために
つながっていきました。


そして、社会全体で
よい転機が増えていくと
「予防」が整っていきます。

なにか思い通りにいかなかったとき
予期せずにトラブルがあったとき

そういった転機に対して
「キャリアブレイクする」という
選択肢が1つ増えた状態が生まれます。


今まで怯えるしかなかった
「転機」というものに
リテラシーが生まれたのです。

転機の教育です。


3.文化であること

そしてこの大きなムーブメントが
商品やサービスが起点ではないこと。

法人をつくり
営利で運営しようと思うと
商品やサービスをつくって
提供し報酬をもらうことが
スタンダードです。

ただ、私たちは
商品やサービスではなく
文化で解決することを望みました。


理由は2つあります。

1つはキャリアブレイクしている人たちに
商品やサービスが必要だと思えなかったこと。

もう1つは
このキャリアブレイクという文化を
経済のルールに乗せない方が良いと思ったこと。

キャリアブレイク中の人は
弱い立場と勘違いされ
アドバイスやケア、サービスが
提供されがちです。

一方で、その行為自体が
弱者というラベルを貼っている気もします。

キャリアブレイクしている人たちは
自分の違和感をエネルギーに
変えようとしているパワープレイヤーです。

その人を信じて待つという
パワフルな文化にしていきたいのです。

また、商品やサービスをつくると
売上を気にしてしまったり
お金が軸になって動いたり
競争する原理が働いていきます。

そうではなく
文化として根付き
続いていくことを望みました。


少子化と言われていても
これからたくさん下の世代が
生まれていきます。

そんな世代に対して
胸を張って誇れる社会を
つくっていきたいと思っています。


キャリアブレイク研究所
代表理事 北野貴大

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