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私のコーチング活用術①「自分に100%の自信をもちたい」

コーチになるための資格を取った私は、自分もコーチをつけて自分を変える経験をしてみよう!と思い立ち、コーチを2人つけました。一人は香港に住むシンガポーリアン、もう一人は、インドの方でした。
 
なぜ同時に2人もコーチをつけたのかというと、2人とも全く違うコーチングスタイルだったので、両方体験して勉強してみたいと思ったからです。
 
1人は、伝統的なコーチングを提供する方で、私も「上手い質問するな~」と毎回感動していました。回を重ねるごとに、彼女自身もコーチとして腕を上げていく様子が分かりました。無駄な質問が一切なく、私の課題を解決するためにできる解決法までを、コーチングセッションの1時間以内に確実に引き出すのです。
 
正直、彼女のコーチングは、コーチングを受ける側にとっては、厳しいものでした。なぜなら、本質的な質問を投げてくるので、それに答えるためには自分の“奥深いところ”と対峙しなければならないからです。それは、追いつめられるような感覚ともいえました。しかし、効果は抜群でした。私は彼女のおかげで、逃げることなく、なりたい自分になるために、少しずつ前進し続けることができました。
 
もう1人のコーチは、友達と話すような感覚のコーチでした。冒頭の何気ない会話の中の言葉から、私の課題に気づき、その回のトピックにしてしまうような、「私さえ気づいていない私」を掘り出して、成仏させるのが上手なコーチでした。
 
その意味では、1人は「“私が認識している課題”を一緒に解決に導くコーチ」で、もう1人は「“私が気づいてもいない課題”を浮かび上がらせて解決に導くコーチ」だったと言えます。
 
私が2人のコーチをつけて取り組んだ課題の一つが、「自分に100%の自信をつけたい」というものでした。

周りからは、自信があって、何の悩みもないタイプに見えがちな私ですが、実の私は、どこか自分に自信がなく、コンプレックスを抱え、人から褒められても、それを素直に受け入れることができないところがありました。
 
この自信のなさが、私の成長を邪魔しているという感覚があり(実際、友達からも同じことを指摘されました)、これは真摯に取り組んで、今こそ解決しなければならない課題だと思いました。
 
自分に自信を持てない状態から脱すべく、コーチをつけて、自分に自信を持てるようになろうと思ったのです。
 
コーチをつけて2年。今の私は、2年前の私とは確実に違う自分になれたと思います。コーチ2人と、「なぜ自分はそう思うのか?そう思わせる原因は何なのか?」について色々な角度から話をしてきたおかげで、自分の思考パターン、“思考の癖”を理解することができるようになりました。
 
私の「自信がない」という状態は、私の“思考の癖”からもたらされるもので、その“思考の癖”は、私の過去の経験や、幼少期の育ち方からつくられているものでした。
 
例えば、コーチングを通して気づいたことの一つが、私が自分に自信を持てない背景には、母親が関係しているということです。

幼少期から母親に褒められたことがなく、いくら自分なりに努力し成果をあげても、「そんなことは、たいしたことはない」と一蹴され育ったことが、自分に影響を与えていると気づきました。それは大人になってからも影響を与え続けており、周りがいくら「すごいね」と言ってくれても、内心では、「いくらあなたがすごいと思ってくれたって、母親からはそう思われていないのだから、全然すごくなんかない。」という歪んだコンプレックスのようなものが邪魔をするのでした。褒めてもらった事実を、素直に受け取ることのできない自分。これが、私が自分に100%の自信を持てない理由だと気づきました。私が欲しかったのは(きっと今でも欲しいのは)、母親からの「すごいね」の一言なのです。
 
それに気づいてからは、自分の自信のなさの根本理由が母親にあるのならば、これはもう母親と向き合うしかない、と行動に移しました。母親に、「ずっと褒めてほしかった」という気持ちを伝えたり(だからといって、母親が変わるわけはないのですが)、母親のその態度と行動がなぜ起きたのかを考えたりしました(私が考えたところで、正解は分からないのですが)。
 
そのような一連の「気づく→考える→行動する→また考える」というプロセスが、自分を癒す、セルフヒーリングのような効果を与え、私は自分の自信は誰かに依拠するものではなく、他者からのValidation、つまり、他者から証明してもらわなければ持てないものではないことを意識できるようになりました。
 
コーチングには“根本治療”のような効果があります。
 
コーチが、「これがあなたの症状だから、これが治療法ね」と処方薬を出し、クライアントがその処方された薬をただ飲み続ければ症状が改善するというわけではないのです。クライアント自らが、自分の症状をコーチに説明し、もしくはその抱える違和感を説明しようとするなかで、コーチは「なるほど、そういう症状があるんですね。その症状はいつからですか?どのように痛みますか?」などと質問を繰り返し、そのプロセスのなかで、クライアントは、「あ、もしかしたら、この不調の原因は、あれかもしれない」と自分で自分自身に気づくのです。
 
コーチングは、「答えはその人自身の中にある」と考えますので、コーチは、クライアントに答えを与えることはしません。私はこれがコーチングの良いところだと思っています。
 
いくら誰かに「あなたが自分に自信をもつためには、まず、容姿を磨きなさい。私もそうやって、自分に自信をつけたから」と言われたとしても、私が心からその解決策に納得し、しかも容姿がその根本要因でない限り、いくらそれに取り組んだところで、真の課題解決はなされないのです。
 
コーチはその人の中にある答えを導き出すべく、色々な質問を色々な角度からします。その質問をするために、コーチはそのクライアントの話をよく聴いてその人のことを知ろう、理解しよう、とするのです。
 
私の2人の素晴らしいコーチは、その“私の中にある答え”を引き出そうと、それぞれのアプローチで一緒に根本治療に取り組んでくれました。彼女達のコーチングを受けてきたおかげで、今の私は、以前よりも自分に自信を持てる状態になっています。

また、何かチャレンジングな状況になったり、落ち込むことがあっても、「あ、これはまた自分のあの癖が出てきたからだ」と、セルフコーチングですぐリカバリーすることができるようになりました。
 
日本ではコーチングはまだまだ広く浸透してはいませんが、感度高く既にコーチングに興味を持たれている方気力と体力が充分で(楽な治療ではないので)根本治療を受けてみたいと思われる方は、コーチング上手く活用して、ご自身の更なる成長に役立てて頂きたいと思います。
 
コーチングで根本治療を!!


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