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キャリアコンサルタントから見たブリーフセラピーの視点とは?

弊社では「キャリアコンサルタントのためのブリーフセラピー入門」というテーマで3つの異なるプログラム(MRIアプローチ、SFA、SFA技法実践編)を提供しています。
今日は「キャリアコンサルタントにとってブリーフセラピーの魅力とは?
そして難所とは?」について書いてみます。

まず何と言ってもブリーフセラピーの魅力はその提案(介入案)を具体的に提示することにあります。
「キャリアコンサルタントのところで相談したが、聴いてくれただけで終わってしまった」
という訴えを実は私も直接クライエントさんから聴いたことがあります。
具体的な方策として最初に何をすべきか、という内容がないまま相談が終わったというものです。これはある意味、養成講座ではなかなかたどり着けない部分なのでやむを得ないかも知れません。しかし現場では「聴いてくれただけで満足」ということでは対応が難しいことが多く、何らかの結果を求められることも多々あります。
このような状況下でブリーフセラピーは、提案を出すことを得意としています。
具体的なやり方を簡単に書くことは難しいですが
①パターンの抽出
②例外の探求
③悪循環の切断

の3つのステップを学ぶことで具体的な提案を出すことが可能となります。

キャリアコンサルタントにとっての難所というのは「パターンを焦点化する」になるかと思われます。パターンが何か、というのは大問題ですがここでは便宜上「ある任意の集団にある暗黙のルール」としておきます。そしてキャリアコンサルタントは養成講座でも学習仲間の勉強会でもずっと傾聴を学んでいるので「パターンに着目する」という風に視点を切り替えることに困難を感じるのだろうと思われます。ここさえクリアすれば、提案を出していくことはさほど難しい事ではなくなります。
(注:傾聴のベースにはロジャーズを中心とする人間性心理学が根底にあり、一方ブリーフセラピーはシステム論が根底にあるためにこの難しさが生じているのだと思います)

ブリーフセラピーは心理臨床の分野で有力ですが、医療・教育・福祉・司法などの分野でも活躍する方が増えてきています。傾聴とは違う、ブリーフセラピーの鮮やかな解決を提示する視点を学ばれると、キャリアコンサルタントとしての引き出しは間違いなく増えることになるでしょう。

(更新講習講師 中村 武美 記)

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