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就活前にやるべき、お金に関する自己分析と人生のマネープラン

就活生には自己分析や業界分析以外にもやって欲しいことがあります。それは、

お金に関する自己分析と人生のマネープランの立案

です。

もちろんプランを立てたからといってその通りに動かなければいけないというわけではありませんし、人生何が起こるかわからないので、途中で変更することも可能です。(むしろ変化があったときは、計画を見直すべき。)

マネープランの立案と聞くと、何だか大それたもののように感じますが、そんなにカチッとしたものを作る必要はなく、就活生だったら事前に企業についてお金の面で調べるとかお金自体の勉強そのものをしておくだけでもだいぶ違うと思っています。

実は私、かつてお金の面で見ても新卒入社した会社を間違えた…!と感じたことがあります…。(完全に私が悪いのですが)大学生の頃私はウン百万円(有利子)の奨学金を借りて大学へ通っておりました。
社会人になったら当然返済をしていかなければならないのですが、新卒で入社した会社は、とっても給与が低かったのです。もし寮がある会社で、月額2,000円とかで住めるといった福利厚生的なものがあれば問題なかったかもしれませんが、そのようなものがない中小企業でした。

当時の私は、「デザイナー職かっこいい!」といった感じで見栄ばかり気にし、奨学金返済や税金などを含めたマネープランを考えることもなく、(むしろ住民税とか社会保険料のこともまったく知らなかった)しばらくした後、奨学金返済に苦しめられていきました…もちろん賞与や昇給が見込めるなら良いのでしょうけど、何だかそこも怪しいことに気がつく自分。

最終的には、給与が高い企業に転職をして、奨学金の返済に当てました。

就活前から、奨学金返済や社会保険料、税金なども考慮して企業選びをしていれば良かったことは言うまでもありません。もちろん転職せず、節約して生きていけば奨学金も返済しながらぎりぎり生活は出来たでしょう。

でも私は将来的にも節約ばかりの生活を想像すると、耐えることが出来ませんでした。貯金が出来ないことも不安でした。

もちろんそういった状況でも耐えることが出来る方もいるはずです。

最初に皆さんに考えて欲しいことは、自分自身がどのくらいの生活レベルで幸せを感じることができるかどうか、ということです。

ざっくり言うと、お金に関する自己分析です。

例えば、お笑い芸人は最初はよほどのことがない限り、貧乏な生活をしながら売れっ子芸人を目指すケースが多いですよね。彼らはお笑いが好きで、お笑いをやるために最初は貧乏な生活を受け入れながら売れっ子を目指しているとも考えられます。

あなたは好きな仕事をするために貧乏は耐えられますか?

はっきり言って私には無理でした。

でも出来る人も世の中にはいます。

まずは自分自身が生活を優先する人間なのか、それとも好きな仕事を優先する人間なのかを考えると良いと思います。(特にデザイナーなど手に職系のお仕事)

それがわかったら、就職後の具体的な生活にかかる費用を調べましょう。

厚生労働省が発表した「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、大学卒男子の平均初任給は21万2,800円だそうです。
ただし、それが全額もらえるわけではありません。
給与からは税金と社会保険料、会社によっては共済会費など様々なものが天引きされ、実際の手取り額は額面よりも少なくなります。
まず、4月分の給与でも雇用保険料と税金は引かれます。


  • 雇用保険料の計算方法/給与の0.3%

  • 所得税/課税所得×税率(年間で算出)

課税所得とは、総収入から通勤手当や旅費を引いた金額から、社会保険料・雇用保険料・様々な所得控除を引いた金額のことを言います。そして、課税所得額により5~45%の課税率が設けられた「累進課税方式」により、所得税が決定します。

例えば、初任給21万200円の方の場合、

  • 雇用保険料は630円

  • 所得税は約5,000円

よって、手取り額は20万4,570円となります。

さらに5月の給料からは、健康保険料と厚生年金保険料が徴収されます。この2つも、収入によって徴収金額が異なってきます。

  • 健康保険料/給与の4.985%

  • 厚生年金保険料/給与の8.914%

大卒初任給21万200円の場合、健康保険料は1万478円、厚生年金保険料は1万8,737円です。さらに雇用保険料と所得税も引かれますので、手取り額は17万5,355円となります。
そして2年目の6月以降はここから更に住民税が引かれるのです。住民税は前年度の所得を元に計算されます。扶養家族の状況にもよりますが、都内一人暮らしでしたら大体7,500円程度は見ておいた方がいいでしょう。

そうなると、手取り額は16万円台後半と考えておくほうが無難です。

サラリーマンの大卒初任給から2年目くらいがざっとこのくらいなので、この金額で生活出来るよう計画を立てる必要があります。

毎月貯金はどのくらいしたいか、自己投資(英会話スクールなど)はやるのか、奨学金の返済なども考えて生活設計をすると良いと思います。貯金や自己投資を考えるとなると家賃は低めの物件を選ぼうとか、いろいろやりくりの方法が考えられますよね。もしくは初任給が高い企業を選んで就職する、などです。大企業などは寮があってかなり安い金額で住める可能性もあるので、そういった部分をチェックしながら就活をすると良いでしょう。(もちろん福利厚生目当てだけの就職はダメですけど)

また、企業では昇給率や賞与も大切です。年功序列がなくなってきているので、今後はあまり参考にならないかもしれませんが、日経キャリアNETでは会員登録をすると「上場企業何でもランキング」なるものがあり、そこで昇給率を含めた、上場企業の様々なデータを確認することが出来ます。
他にも東洋経済ONLINEの「生涯賃金ランキング」などもあるので調べてみると良いでしょう。
他にも制度を廃止している企業も増えましたが、退職金がある企業もあります。しかも支給額も企業によって異なりますので、ここもチェックしておいて損はないでしょう。
ダイヤモンドONLINE:退職金の「労働組合」別ランキングを初公開

とは言っても全ての人が大企業の恵まれた環境で仕事が出来るわけではありません。老後2,000万円も一時期話題になりましたが、退職金がない会社もたくさんありますし、年金も期待できません。そこで、ぜひ若いうちから「資産運用」について勉強し、始めていってほしいと思います。

退職金がない会社の場合、個人で退職金を積立てる方法があることをご存知でしょうか?
個人型確定拠出年金(iDeco)と言われるものです。
毎月決まった額を自分で拠出し、運用していくものです。
基本的に60歳までお金はもらえませんが、それ以後は年金として受け取ることができます。iDecoの良いところは、掛金、運用益共に税制優遇が受けられることです。
掛金全額は所得控除の対象となり、仮に毎月の掛金が1万円の場合、所得税(10%)、住民税(10%)とすると年間2.4万円、税金が軽減されます。
また、通常、金融商品を運用すると、運用益に課税されますが(源泉分離課税20.315%)、「iDeCo」なら非課税で再投資されます。
要は税金が減るんです!!

詳しくはiDeco公式サイトを見てみてね!

あとオススメはNISAです。
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。この制度を使ってコツコツ資産運用をしていくことをオススメします。積立NISAにして毎月一定の少額から始めると良いかもしれません。

詳細は金融庁が可愛いサイトを作成して説明してくれています(笑)
金融庁:NISAとは?

でも資産運用とひとことで言っても、日本では欧米のように高校生の頃から資産運用の勉強をする機会はないので、出来る方は少ないかと思います。
しかし、現在の日本の賃金や可処分所得は低下していっており、今後も上がるとは限りません。また、退職金制度もなくなりつつある今、自力で資産を増やすスキルは無駄にならないと思っています。

私も個人的に株取引を始めとした資産運用をやりまくっておりますが、若いうちからやっておけばよかったと常々思います…
特に株取引は会社の財務分析の勉強にもなるので、資産運用以外にも社会人として勉強するには一石二鳥です(笑)

その他にも、将来的に家を買うのか、子供が欲しいのかによっても人生の必要経費は異なってきますよね。今の時点ではすぐに全てを学んで計画を立てることは難しいとは思いますが、こういったことを意識しながら就活をしても良いのではないかと思っています。

ぜひ皆さんには私と同じ道を歩まないように、自己分析、業界分析以外にもお金のことも勉強して人生の計画を立ててくださいませ…(T T)

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