『お仕事紹介 地盤調査技師編』
こんにちはH.Iです。
今回の記事では地盤調査技師について紹介します。
あまり聞き馴染みのない方も多いでしょうが、これから住宅を購入される方は大事なことなのでぜひ覚えてください。
写真はピサの斜塔ですが、こちらは不同沈下と言われる現象で起きたものです。
※不同沈下とは、地盤のゆがみなどにより
建物が傾く(地中に沈む)ことです。
地盤によって斜めになってしまったんです。
実際に住んでいる家がこんなことになると大変なので地盤調査はしっかりしておきましょう!!
『地盤調査とは』
地盤調査とは、地盤の強度を正確に測定するために行う調査です。
調査は、住宅の場合、建物を着工する前の土地が更地状態で行います。
調査結果に応じて、基礎方法や地盤改良などが必要となるため、結果として建築計画に多大な影響を及ぼします。
基礎や地盤改良を行うと住宅購入費以外にお金がかかってくるので、土地選びは住宅の中で一番大事だと言えます。
そもそも、「地盤」とは、建物が建つ土地のことを指します。
地盤の強さは目視では確認できず、従来まで問題なく建っていた土地であっても、実際に地盤調査を実施するまでは本来の強度は測定することはできません。
そこで、専用の機械を使用して調査を行って地盤の強さを判定します。
ここからは私が、前職で行っていた試験の方法を紹介します。
メーカーによって試験方法は変わるので、これから地盤調査を行う予定の方は、専門家の方に相談してから地盤調査の依頼をすることをおすすめします。
『スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)』
スクリューウエイト貫入試験は、もともと北欧スウェ-デンの国有鉄道により路盤調査に採用されていました。
日本では1976年に日本工業規格(JIS規格)に制定され、簡単に測定できることから、ハウスメーカーを中心に1980年頃から戸建て住宅の地盤調査方法として採用されました。
調査の方法としては、地盤の鉄棒を機械で回しながら差し込んでいき、棒の沈み方の緩さ・硬さによって、地盤の強度を測定していきます。
一般的には敷地の4隅と中央の1点の合計5点において調査を行います。
敷地の4隅と中央は建物を建てた時の負荷が大きいところのため調査が必要になります。
スクリューウェイト試験(SWS試験)は、半日程度で作業を完了することができ、費用も安価なことが特徴です。
注意点としては、地耐力の測定は可能ですが、土質を調査することができないといった点です。
この注意点については、スクリューウェイト試験(SWS試験)に土質調査を追加することによって解消することができます。
土質は、砂礫や泥、砂などに分けられ、そこから地形について調べることができます。
旧河川や後背湿地などは地盤が緩いので、地盤改良が必要になることがあります。
『仕事のスケジュール』
私が前職で行っていた時のスケジュールを紹介します。
1日2件から3件ほど依頼を受けていました。
業務には地盤調査技師の資格が必要で、大学卒の場合6年の実務経験が必要となるので、入社後実務経験を積みながら資格取得していくのが一般的です。
土木などの専門卒の方は、実務経験が3年に短縮されます。
基本的には、調査内容をお客様に説明するので、仕事はお客様のスケジュールに合わせて行います。
地盤の調査は土地によって時間がかかる場合があるので、9時ごろからスタートします。
地盤調査は原則更地で行いますが、既存宅が残っている場合もあるので、事前に現地を確認しておき、地盤調査の機械が侵入できるスペースがあるか確認します。
スペースを確認後、100キロの重さの機械を運んで調査を行います。
もし、侵入できるスペースがなかった場合地盤調査の機械を分解します。
分解と言っても組み立てるのが難しくなるほどは分解しません。
機械にはおもりや操作するモーターがついているためそれぞれを機械から外し、できるだけ軽くしてから持ち上げて運んでいきます。
人が入れない隙間で調査するポイントがあれば、家屋の解体後に再度調査を
行うこともあります。
調査は1件30分から2時間ぐらいまで土地によって変更しますが、
18時ごろに終了することがほとんどです。
正社員の場合給与は平均年収420万で、派遣やパート社員の時給は平均1500円ほどです。
祝日はしっかり休めるので、労働環境は優遇されている場合が多いです。
※会社によって異なるため、求人をしっかりチェックしてください。
夏場は炎天下になるので、熱中症の対策は必須になってきます。
地盤は住宅購入をする上で重要になるものです。
お客様にとっては安心した住まいづくりをしてもらうため、
しっかり調査をする必要があります。
いかがだったでしょうか。
住宅にはいろいろな人が関わっていますが、縁の下の力持ちという職業も
やりがいを感じることができます。
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