見出し画像

20、「3と4と12」藤原和博さんの巻①


 年に一度行われる「経営への提言」。
社員が日頃から考えていた新規事業や業務改善プランを論文にしてリクルート経営陣にぶつける機会だ。

 そこで毎年グランプリや準グランプリを受賞していたのが藤原和博さん。
通信事業の戦略から情報誌の未来まで、その内容は多岐に渡り、読むたびに唸らされることばかり。どうやって分析し、新しい構想を打ち立てられるのか、なぜ僕の頭にもスッと入ってくるくらいわかりやすいのに深い論文に仕上がっているのか、そこへ近づく道筋がまったく見えなかった。

 こういう時は当たって砕けろ。直接本人に話を聞くのが早い。
 早速、電話をかけ、少しだけ時間をもらうことに成功した。
 
他部署の僕がいきなり連絡して、相談に乗ってくれる組織の垣根の低さ、忙しいはずなのに時間を割いてくれる藤原さんの懐の深さに感謝するばかり。
こういう時、リクルートに入って本当に良かったと思う。

「藤原さん、『経営への提言』で入選するためのコツってあるんですか?
どうして藤原さんの論文はあんなにわかりやすいのですか?」

「コツというわけじゃないけど、構成に関しては全部3つか4つで括るようにしてる。3と4は人が物事を理解しやすい数でしょ。3拍子、4拍子というリズムや、起承転結は4つ、守破離は3つのステップ。四季は4つ。
 3と4を掛け算した12は基本単位として1ダース、1年は12の月からなっている、着物は十二単。
 
体内時計や脳内時計も3と4と12で整理すると理解しやすい。
だから、4章構成で各章に3つずつの項があり、全部で12のテーマにするとか、プレゼンの時は、「ポイントは3つあります」と整理して、聞いてすぐ記憶できるようにしてあげるとか。そんな感じかなぁ」

帰宅して、藤原さんの論文を改めて見直してみると、見事に3と4と12で構成されている。

藤原さん、コレいただきます。
部署は違いますが、今日から藤原さんを勝手に心の中で上司に任命させていただきますので、何卒よろしくお願いします。


楽しんでもらえる、ちょっとした生きるヒントになる、新しいスタイルを試してみる、そんな記事をこれからも書いていきたいと思っています。景色を楽しみながら歩くサポーターだい募集です!よろしくお願いします!