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抽象が好きな人、具象が好きな人

仕事をしながらぼやぼや考えたことについての備忘録。世の中には抽象が好きな人と、具象が好きな人がいるんだなあという話。


僕自身これまでデジタル系の部門にいたこともあり、他の部門の方の考え方との違いがすごく面白く、いつも興味深く考えを聞いています。

営業や接客のような「目の前にお客さんがいる」部門というのは、基本的に「具象」を軸に考える人が多い気がしています。三現主義と呼ばれるような、まさに「現場現物現実」は「目の前の具象をみよ」という考え方。営業に限らず、活動的だったり、経験を大事にする考え方の人も、「具象軸」の思考を持っているなあと思います。

一方デジタルやスタッフといった機能部門はもっと「抽象」を軸に考える人が多い気がしています。設計をしたり、データ分析をしたり、戦略を考えたりといった、「抽象」を仕事にしているからかもしれません。そのほか、寡黙だったり、歴史を大事にする考え方の人も、「抽象軸」の思考を持っているよなあと思います。

昔からごねごね考え事するのが好きで、かつデジタル部隊の僕にとって、「店頭に立つ」という具体的経験がすごく刺激的だったのを覚えています。


この「具象軸」「抽象軸」は、人間の「右利き」「左利き」と同じように、優劣ではありません。ただ、この両軸を行き来できるようになると、両手でものが運べるように、どんな場合にでも対応できるようになったり、さらに新しい発見を得ることができるようになると思うんです。

「具象軸」を大事にしすぎると、戦略がなくなってしまいます。うまくいっている時は問題ありませんが、厳しい時や不利な状況になった時に手詰まってしまいます。一方で、その分確実に一歩一歩前に進める・何かが得られるのが強み。世の中を見つめる解像度が高いので、得られる知識や経験は圧倒的に大きい。

「抽象軸」を大事にしすぎると、逆に戦術を実行しなくなります。ごねごね考えたり理屈をこねるだけで、手が動かない人の完成です。考えただけでやった気になり、理想だけ語って方法論を考えない人もこのパターンな気がしています。一方で、戦略的な思考なので、実行までできれば効率的な目標達成が期待できる考え方。


世の中の人ってどっちの人の方が多いんでしょうね。「考え事をする」という行為が、成果のわかりにくくサボってても何も言われそうだと考えたら、抽象軸な考え方に頼りたくなる人が多いのかしら。ただ、抽象軸が苦手な人が多いからこそ「ロジカルシンキング研修」みたいな思考系の研修が溢れているのかなあという気も。

典型的な企業で、「最初は現場・メンバー、成果を上げたら管理者」という構図は、「最初は具象を、その後抽象を」という流れだと解釈していいのでしょうか。そう考えると、人数が相対的に「具象軸」の人の方が多くないと、この構図は成り立たない気もします。

うーん興味深い。


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