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営業もデジマケも本質は同じかもしれない

最近学んだことの頭の整理として、備忘します。仕事をしながら考えたこと。


最近、物を売る現場に立つことがありました。モールの一角にある催事場スペースで珈琲豆を売りました。

IT屋さんの僕としては滅多にない経験。「珈琲豆売ってます!」と言っては「これ、売る側目線だよな・・・」と思い、「珈琲豆いかがでしょうか!」に変えてみたり。「声の通りが悪いかな?」と思い声を少し高めにしては、「これじゃあ親しみが湧かないかなぁ」と思っては声を下げてみたり。四苦八苦する、学びの多い現場でした。


ある時、珈琲を気にしながら足を止めてくれたお客さんがいました。「こちらはこんな種類の豆で、」というように話をしてみましたが、お客さんは結局買わずに行ってしまいました。

その様子を見かねた、一緒にコーヒーを売っていた元営業の大先輩が声をかけてくれました。

「何で今売れんかったかわかるか。」

背筋が伸びる思いをしながら、冷や汗をかきながらモゴモゴする僕。

話すぎや。話を聞くんや。

「その話の中で、お客様にきちんとしっかり寄り添いながら、それならこの商品がいいかもしれません、と繋げるトークが、セールストーク。そのためには商品をとことん理解せなあかん。」

ぐ、ぐうの音もでませぬ・・・と思っていたところ、頭の中で色々な要素が一気に繋がったんです。


「あ、デジマケも、営業も、同じことなのかもしれない」、と。


先輩が教えてくれたことは、営業の極意は関係作り、ということ。ニーズもサービスも多様化して移り変わりやすい今だからこそ、この「関係作り」というのはさらに大事になってきます。

「話を聞いて、受け入れ、一緒にゴールを目指す」という姿勢を見せることで関係性構築に寄与していく。話を聞きながら、ニーズを聞き出して次のサービス開発に活かす。それをまた使ってもらいながら、さらに良いサービスを作る。狭く深く関わるあり方といえそうです。これが今の時代で、根気よくやる必要があることなんだと思います。

一方で、「これがこうで、こうよくて」と一方的に話したり、いろんな場所にビラを貼りまくるのは、デジマケにおけるいわゆる「広告」に近いんじゃないかなと思います。いろんな人に知ってもらえるし、効率が良い一方で、関係性構築は難しい、広く浅く関わるあり方といえそう。一長一短ありそうですね。


ここまでをまとめてみるとこうなりそうです。

広く浅く、知ってもらう:ビラを貼る、押しうる、宣伝する
狭く深く、お客様を知る:話を聞く、受け入れる、考えて提案する
-> 関係性を作って改善。

それでは、これをデジマケ領域に適用して考えてみます。

広く浅く、知ってもらう:広告、インフルエンサー施策、PR施策
狭く深く、お客様を知る:インタビューする、データ分析する
-> 関係性を作って改善。

アナログとデジタルの決定的な違いは、お客さんとの絶対的な距離があることでしょう。だからこそ、Google Analyticsなどのトラッキングツールや「データ分析」と呼ばれるものがもてはやされるわけです。いわゆる量的データ分析が流行ってる理由だと思います。

ただ、アナログに接客する際を想像すればわかるとおり、目の前の人を数値で表すのってめちゃめちゃ難しいと思うんです。だからこそ、インタビューをしたりフィールドワークをしたり行動観察したり、というのが大事になる。あまり耳にしないかもしれませんが、質的データ分析と呼ばれる領域であり、UXデザイナーがよく学ぶ領域だと理解しています。

量的データ分析をみんなやりたがるのは、分かりやすく手法化されており、なんかかっこいいから、なのかもしれません。しかし、「量的データ分析」だけ勉強するのは実際は片手落ちで、「お客さんは全て数値で表せる」という前提になってしまいます。きっちり「質的データ分析」も学ぶことで初めて、お客さんの実態がモデル化できるのではないかなあと思うんです。


同じ理屈で、「モノが売れないな、じゃあとりあえず広告打つか!」というのは、結局お客さんを見ていない戦略と言えそうです。「広く浅く、知ってもらう」戦略をする=押し売りをする戦略をしたところで、関係性は深まりません。それを第一歩として、関係性を深めていくことが必要になりそう。

もちろん、狭く深くやっていくとスケールが難しかったり、結局だれにも知ってもらえないみたいな事態になる可能性があります。結論、バランスなのかもしれませんね。


「モノが売れてない時にお客さんを知りようがないじゃんか!」と言われるかもしれません。ただ、質的なデータはこの世に無限にあるわけで、活用しない手はありません。フィールドワークをしたり、同業他社を使ってみたり、同業態を見てみたり、インタビューしてみたり、色々できることはある。

それを、やり方がわからないだとか、まとめ方がわからないだとか、面倒くさいだとか理由をつけて、量的なデータ分析に飛びつく人が多い・・・というのが僕のみる範囲の観測です。学びにくい領域だからこそ、この辺を抑えておくときっと価値になるんじゃないかなあ・・・


・・・などと思う、ド素人なんでも屋さんエンジニアなのでした。

(2055文字)

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