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大腸がん 抗がん剤の副作用の改善とストーマ離脱に向けた運動

ルネサンス運動支援センター、大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士の「ポポ」です。
※名前をクリック頂ければスタッフの紹介に飛びます。

大腸がんの40代男性
大腸がんで摘出手術後からストーマ着用となり、術後に行った抗がん剤によって手足・背中のしびれと吐き気があるご利用者様です。


【運動をしようと思ったキッカケ】

来館から約5か月後にストーマの離脱手術を控え、抗がん剤の副作用に対しての運動と、ストーマ離脱後の排便障害予防の為の運動を目的として来館されました。

吐き気は治療が進むにつれて徐々に慣れたのか無くなりつつありましたが、しびれに関しては手足の指に顕著に残るようになってきたとのこと。

また、このまま体力が落ちていくのも嫌だし、姿勢の崩れやおなかがポッコリ出てくるのも将来的には防いでいきたい。

ただ、学生時代も含めて運動はほとんどやっていないのでその点が不安だと仰っていました。

今回、具体的な目標として、
①ストーマ閉鎖後の肛門の機能を正常に機能させるための運動
②運動によるしびれの改善
③猫背気味の姿勢の改善

この3点にまずは主眼を置いて実施しました。

【①ストーマ閉鎖後の肛門の機能を正常に機能させるための運動】

以前、直腸がんのご利用者様の紹介の中でもあった「骨盤底筋群の強化」は、ストーマ着用によってあまり動いてない肛門を正常に機能させるためには重要な運動です。
※以前の記事はこちら※

以前もご紹介した通り、
キュッキュッと肛門をしめる動き10回
ギューッと5秒間しめて5秒で緩める動き10回など
お尻の穴をしっかりしめることを行いました。

またストーマ装着に当たって腹圧をかけることができないので、クラムシェルやショルダーブリッジなどの殿筋群を引き締める運動を行って肛門の収縮を代償できるような運動も行いました。

クラムシェル
ショルダーブリッジ

【②運動によるしびれの改善】

指先の運動を行い、血流を良くすることで抗がん剤治療によるしびれがしばしば奏効する例がありますので実施しました。

内容は、
手のグーパー運動10回
数を数える運動(親指からと小指から) 各10回
というような非常に簡単なものです。
これだけでもしびれが改善したり、症状が出そうで怪しいといった時に予防で行っていただくと改善することがあります。

【③猫背気味の姿勢の改善】

肩の運動に使用される棒体操を用いて背筋を伸ばすような運動を中心に行いました。

肩の動きの改善に用いることも多いですが、棒を使って背伸びをしたり、肩甲骨を動かすことによって背筋が伸びて、姿勢の改善につながります。

【ストーマ離脱後の現在】

抗がん剤の副作用に関しては治療終了とともに改善し、今ではしびれなども感じなくなってきている状態です。

また、便失禁に関しては全くなく、便意を催す感じがしばし出ることがあるようですが、運動などで刺激をすると催す感覚がなくなるようで、定期的な運動を継続されています。
そろそろ腹圧をかけるような腹筋運動を行っていこうかと考えているところです。

猫背に関しては現在も姿勢改善の運動を続けて実施されています。

【あとがき】

現在もこのご利用者様は運動を継続されておられますが、
『運動はずっとした方がいいけど、ここに来る以外に何をしようかな?』と
今後について考えておられます。

ストーマ離脱後の排便障害も思ったよりなく、仕事も順調にこなしていて、ルネサンス運動支援センター以外に新たな続けられるものを検討されているようです。

ですが、ストーマがなくなり、色々と制限がかかっていると思っていたことも地道に乗り越えられ、これから新たなる目標を今、一緒に模索しているところです。

これからの新しい目標が見つかるように運動を一緒にしながらお手伝いしていきたいと思います。

色々と悩まれている方もいらっしゃると思いますが、是非1度ご相談にお越しください。
何か良い道が見つかるかもしれません。

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