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胃がん術後のダンピング症候群対策とQ&A

こんばんはむーちゃん先生です。

今回は胃を手術した後に起こりやすいダンピング症候群の予防と対策についてお話します。

術後に体調が悪いなという方はもしかしたらダンピング症候群の症状かも?!


ご自分の体調が当てはまるかチェックしてみてみましよう!

そもそもダンピング症候群のダンピングとは急速に落下するという意味で、その名の通り食べ物が急速に腸に入ることで引き起こされます。
早期ダンピング症候群と後期ダンピング症候群があり、それぞれ症状や対策が変わりますのでご注意下さいね。

●早期ダンピング症候群
(起こりやすい時期)
 食後30分以内
(症状)
冷汗、頻脈、動悸、 全身倦怠感、吐き気、 お腹がはる、 気持ち悪さ、 めまいなど
(原因)
 食後急速に食べ物が腸に流れ込むため、 早食いや食べすぎで起こりやすいです。
(予防方法)
・よく噛んでゆっくり食べる (1食に付き30分以上)
・食べすぎない(腹7.8分目)
・1回の食事量を減らして食事回数を多くする
・食事中の水分を少なくする(食事中に水分を取りすぎると、水分によって食べ物が早く腸に送り込まれて起こります。)水分補給は食事の一番最初か、食事をしていない時間がおすすめです。

★もし起きてしまった時は?
 頭を高くして、身体を横にし安静にすると自然と収まってきます。

後期ダンピング
(起こりやすい時期)
食事をしてから2-3時間後
(症状)
発汗、頻脈、 動悸、 倦怠感、めまい
(原因)
食後急速に食べ物が腸に流れ込み、一過性の高血糖になり、血糖値を下げるホルモン(インスリン) が過剰に分泌されて低血糖になるため
(予防方法)
・ よく噛んでゆっくり食べる (1食に付き30分以上) 
・糖質のみだと高血糖になりやすいので、タンパク質、脂質、野菜も取るようにする
・間食を忘れずにとりましょう

★もし起きてしまった時は?
 ブドウ糖をなめたり、 果物ジュースなど甘いドリンクを飲みましょう (0カロリーのものは血糖値をすぐ上げてくれないので、効果がありません)

以前患者さんで車や自転車の運転中に低血糖症状になった方がいました。

危うく事故にも繋がりやすいので、食後2-3時間後に運転する場合は、 飴玉などすぐ口にいれられる甘いものを持参しましょう。

以上ダンピング症候群についてでした。

ここから下はよくある質問にお答えします!

Q.食事の時は水分を取らない方がいいって言うけど、水やお茶を飲むとそれだけでお腹がいっぱいになってしまいます。水分は取らずに食事を頑張ったほうがいいの

A.水分は食事より大切です!人は2ヵ月間の絶食に耐えることができると言われていますが、水分は2週間も摂らなければ生きていけません。水分は摂ってもすぐに体外に出やすく、吸収も食事などの固形物よりもはるかに速いです。ただし、食事中の水分摂取はダンピングを引き起こしやすいので、程々にとりましょう。ちなみに急激な体重減少はほとんどが水分の減少によるものが多いです。食事の量に目が行きがちですが、水分の量も気に留めてみましょう。


Q.胃癌の術後じゃなくてもダンピング症候群は起きることがあるの?

A.胸部食道がん術後で胃管にされた場合も、食べものが胃内にとどまることなく短時間に小腸に流れ込むため、血糖値が変動し、めまい、動悸、発汗、頭痛、手指の震えなどの症状が起こることがあります。

Q.生物は食べてもいいの?

A.鮮度が良ければ大丈夫です。食べていけないものはありません。ただし胃が小さくなった分、胃酸が出る量が少ないため、鮮度が落ちた生物では細菌が体の中に入りやすくなり結果下痢が起こりやすいです。心配であれが火を通しましょう。また加熱をした方が消化しやすくなりますよ。

Q.コーヒーは飲んでも大丈夫?

A.一日1杯程度なら問題ないと思います。ただしコーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールのクロロゲン酸は取りすぎると下痢などの消化器症状を引き起こすので、取りすぎないようにしましょう。
またカフェインレスコーヒーについてはポリフェノールの除去をしていないものもあります。何事もほどほどに取ることが大切ですね。


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