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人種やジェンダーほか文化の違い|カナダ高校留学日記 Vol.08

カナダに来てから2ヶ月が経とうとしているが、まだまだ文化の違いはたくさん発見できる。

例えば人種差別について。

実際に差別されたことはないし、差別されている人も見たことはないが、やはり日本よりも圧倒的にセンシティブに捉えられている感じがある。

カナダ先住民の寄宿学校の事件のこともあり「Truth and Reconciliation Day(真実と和解の日)」 が近づくと、「自分の国のアイデンティティを失ってはいけない」といった内容を含む講演も学校で行われたりした。

「○○人って……」と特定の人種を主語にした発言には、細心の注意を払わなければすぐに人種主義者扱いになってしまうようにも感じる。


ジェンダーについて

同様のことがジェンダーにも言え、どこまでセンシティブな話題かどうかは恐らくかなり人によるが、学校で普通に過ごしているとあらゆる所でジェンダーの話を耳にする。

あまりに耳にすることが多いので、そこまで重い話題やタブーではないのかとも思うこともあったが、やはり自分のジェンダーを考える上で苦しい思いをした人もいる。

学校でできた友達の1人にLGBTQの子がおり、いつも軽々と自分はゲイだと発言することが多いのでその程度のものなのかと思っていたが、その子の幼馴染みの子に聞くと、やはり変わったときは急な変化で戸惑ったらしい。

同性の子に告白して上手くいかなかったのがきっかけで、精神的にもかなり落ち込んでいたと聞いた。

他にも自分の名前が嫌だったり、家族が同性愛嫌悪だったりと、色んな障壁がありながらも自分の恋愛対象が同性である事実としっかり向き合えているという事実は、本当に尊敬する。

ゲイでなくても「they/them」のpronoun(代名詞)を使う人もいれば、どれでも構わないという人、it/itsを使う人もいる。

しかしどうしても見た目からして女の子っぽいと、sheが口から飛び出てしまう。

ネイティブでも慣れていないとたまに起こるらしいが、ジェンダーについて学ぶ良い機会なので、皆のpronounをしっかり覚えようと思う。

今はまだどこまでオープンにジェンダーの話をしていいのか分かっていないので、あまり親しくない人との会話でそのような話題が上がったときには、とりあえず深追いしないようにしている。

最終的には勝手がわかるようになればいいなと思う。

衛生面について

また衛生面についてもかなり違和感を感じることが多い。

もちろんきれい好きな人もいるが、全体的に清潔感のない生活をしている人が日本よりも多いように思える。

家や車が散らかっていることに始まり、ピザなどに限らず面倒だとすぐに素手でご飯に触れる、指に付いたら舐める、そして服で拭くという一連の流れを目撃することが非常に多い。

ハンカチを持ち歩いている人もほとんどおらず、いろんな物を触って手も洗わない、ハンカチやティッシュでも拭かないという衛生習慣には、なかなかに驚かされる。

またげっぷなどの下品とされる生理現象も、人によっては軽々とする。素手ご飯よりかは目撃回数は少ないが、アフターケアとしての「Excuse me」さえ言えば何でも許されるかのようなな軽さなので、少し驚いてしまう。

しかし代わりにあくびや咳など、そこまで下品ではない生理現象にも「Excuse me」を使う。

食事について

食事面では特に困ることはないが、違いとしてはとにかく簡易的だなと感じる。

基本的に朝ご飯はシリアル、昼は前日の夕飯の残り物をお弁当として学校に持って行き(5ドルでカフェテリアのランチを買うこともできる)、夕飯は一品か二品の簡単な料理をホストマザーが作ってくれる。

朝や昼にはトーストを作ることもあり、自由に具材を選べるのでとても楽しい。

日本にいたときと比べると、最も差を感じるのはやはり夕飯。

まずおかずがほとんどないと言って良いほど少なく、メインディッシュの量も少ないことが多い。

メインと言ってもじゃがいもだったりお肉だったり、豆や麺、白米やパンだったりするが、ご飯や麺しか主食でなかった日本と比べるとバラエティがあって面白い。

意外とお腹は満たされたが、フレンチトースト2枚だけなどの時もある。

以前受け入れた日本人留学生はよく食べる子だったと言っていたので、日本人にとってはやはり少ないのではないかと思う。

シリアルから始まり、こちらの人は簡単だがお腹が満たされる物を食べる傾向にあるなと感じた。

ただ、夜な夜なお菓子やアイスを食べたり、食前だろうが気が向いたときにデザートを食べたりと、間食が多い印象を受けた。

学校生活の違い

学校では、服の指定がある日が時々あって面白い。

1限目の初めに先生がお知らせなどを読み上げるときや、4限目終了時に放課後の活動や次の日についてのアナウンスがあるときなどは「~を着てきてください」と言われるが、実際に着てくる人はあまり多くはない。

ただ先述した「Truth and Reconciliation Day」などは、ある生徒が寄宿学校初日に着ていたオレンジのシャツを取り上げられたという出来事にちなんだ「オレンジシャツデー」でもあるので、オレンジのシャツを着ようという動きはカナダ全土であるらしい。

中には「Every Child Matters」と書かれたシャツを着ている人もいた。

他にも別の学校と何らかの関わりがあるときは、緑と金色など、その学校のカラー(基本的に学校にはテーマカラーのような学校を象徴する色がある)を着てくる指示があったり、ハロウィーンが近づくと黒とオレンジの日があったりする。

楽だなと思ったのが、基本的に教科書を持ってくる必要がないこと。

数学や科学では宿題で分厚い教科書を持ち運びしている人を見かけるが、基本的に授業はスライドとプリントのみで、教科書が必要なときは借りるスタイルのため、持ち物は筆記用具とバインダーのみで良い。

中にはリュックすら持ってこない生徒もいて、驚かされる。

著者:ぴーなっつ
新しい世界が見たい。新しい自分が知りたい。そんな思いから留学を決意し、長年の憧れだったカナダ・プリンスエドワード島にて10ヶ月間の高校留学を経験。留学先での新たな出会いや気付き、挫折や失敗、そして苦難を乗り越えて手にした成長など、人生を変えた10ヶ月間の日々を綴ります。