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私の中のネガティブさんとのお付き合い①(ネガティブさんとの出会い編)


はじめに

 「○○(読者の皆さんのお名前)さんって真面目ですよね」と言われたとする。

 「ふーん、私ってそうなんだ」
 「お、なんか急に褒めてくれた!嬉しい」

と感じず、寧ろ

 「うわ、遠回しに面白くない奴って言われた」
 「日本人全員真面目やし、私だけ褒めてるわけじゃないしなー。あー私も真面目な人の域をでない一般的な人間なんか…(以下略)」

等と感じている人は、私であり、同じネガティブな方だ。

 私も含め、そんな物事を後ろ向きに考えてしまう方に対する生き方の視点について、数回に分けて少し考えてみる。

ネガティブな私に

 冒頭からも察しの通り、私もまたネガティブ人間の1人だ。

 私のこの性格は遺伝だと思う。私の親もネガティブ思考で、日常生活にそれほどの支障はないものの、コロナ期間の自宅待機や祖父母の体調不良によるドタバタ等の苦しいことが起こる度に我が家の空気が一気に重くなり、落ち込んでいる両親をよく目にする。こうした場面を見て、私はしっかりとその性格を引き継いでいるのだと改めて実感する日々である。

 私がこうなった転機は、中学生時代の部活動にあると思う。

 私の入っていた運動系部活動は、中学3年生の時期には全国大会に出場したほどの強豪チームであった。しかし、運動があまり得意でなかった私は、交代要員としてぎりぎり申し訳程度の試合に出る事しかできなかった。

 方やエリート選手、方や落ちこぼれやエリートになろうと必死に歯を食いしばる選手の関係ができており、当然私は後者であった。

 まったく試合に出れずに私以上に苦しい思いをしている人の存在を考えると、彼らの分も責任をもって臨まないといけないという思いがあり、毎日練習に励んでいた。地区大会や県内大会などで少しだけ出場機会を得ることができたことも、私がコツコツと取り組んできた成果だと感じている。

 月日は流れ、チームは県大会優勝と地方大会への参加が決まった。その際、登録メンバーがさらに県大会以上に少なくなる関係上、悲しいことに、私はベンチ外となってしまった。

 これまでは少しだけ試合に出る可能性にすがることができ、試合に出て多少良い思いをすることができたが、登録されなかったことよって私が出場する形で勝利に貢献する可能性は抹消されたのである。

 その時、これまでの頑張りの成果が出るか否かに関わらず、そもそもその成果を試す場面が与えられなかったことを悟った。そしてとても純粋な15歳中学生は、過去一メンタルがやられてしまった。家に帰る度に元気をなくし、隠れて涙を流すことも多々。しかし、本番はこれからであった。

 幸か不幸か、所属する部活が全国大会にまで勝ち上がってしまったのである。早くこの屈辱的な思いをせざるを得ない場面から抜け出したかったのにも関わらず…。

 この部活動の戦績が大変名誉だとし、学校や地域等の様々な場で表彰された。私も部員の一人として壇に立ったり景品をいただく機会があったが、この時、特に勝利に貢献していない私が称賛されることがとても惨めに感じた。

 また、クラスの友達から「よく頑張ったね」「ほんとすごい」と言ってもらうことが多かったが、これがまた辛い。笑いながら「いやー特に何もやってないんっすよー」「ほんとみんなすごいよねー(自分を除く)」とごまかしていたが、このやり取りが私のメンタルをさらに追い込んでいった。

 こうした一件で「自分はみんなよりもダメな人間なんだ。自分なんて…(以下略)」との考えが生まれ、以降も引きずっていくのである。

受験による加速

 高校受験と大学受験の2度の受験を経験しているが、いずれも勉強すればするほど焦りと不安が積もっていき、自分に心配でたまらなかった。

 特に大学受験は本当に辛かった。大学が就職先を左右するとプレッシャーがあり、そしてみんなが「べつに評定2で卒業できるシー」などと怠けていいても、自分に厳しく日々勉強した3年間の私は「合格」によってはじめて報われると考えていた私にとって、大学受験に課す圧力は尋常ではなかった。毎日12時間以上は勉強し、風呂・飯・トイレ等のあらゆる時間をながら勉強にあてた。

 しかし、休憩はほとんど取らずに心身の疲労を順調に蓄積していった私は、必要以上に自分を追い込んだあまり本番にその力を発揮することができずに大学受験を終えた。

 滑り止め大学に入学するものの「第一希望に合格できなかった」「受験費用を払ってくれた両親の期待を裏切ってしまった」などと深く考えすぎ、何か余分なものを背負いすぎてしまっていた。最終的には精神的な病にかかって薬をいただいた程だ(今はそこまでの支障がないのでご安心ください)。

 大学入学後の1年間は特に遊ぶことなく治療に専念しており、これ以降も自分に「ネガティブさん」がつきまとうこととなる。

おわりに

 以上が、私とネガティブさんとの馴れ初めである。過去のつらい経験を文章化することは力がいる。しかし、この時点でよく考えると、ネガティブさんと出会うレールはすぐ近くにあり続けたのかもしれない。

 そこで次回からは、続編として彼(ネガティブさん)との付き合いや、それに対する対処法としての考え方などについて述べていきたい。


 読んでいただきありがとうございました。こうした出来事や思考は私にとって望ましくなかったものですが、後には私を善い方向に持って行ってくれたことも事実です。こうした活かし方の一例として皆様に共有できれば幸いです。

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