見出し画像

洗濯も憩いの時間に

なくなって初めて、いかに貴重な存在だったかを思い知らされることがある。

自宅から一番近いコインランドリーが閉店した。

そこを管理していたオーナーが、一家で引っ越してしまったのだ。

細い路地裏にある、目立たない場所にも関わらず、そこにはいつも、人通りがあった。

他のコインランドリーより値段が安かったためか、遠くからわざわざやって来る人もいたようだ。

何より、1日中灯りがともっていて、夜は防犯の役目も果たしてくれていた。

コインランドリーの存在は大きかったのだ。

今は、夜になると真っ暗で、人っ子ひとりいない。

仕方なく、他のコインランドリーを探しに出掛けた。

すると、割りと近くに、セルフサービスのカフェが併設されたコインランドリーを発見した! (但し、乾燥のみのようだ。)

いつの間に出来たのか、開店して間もないようで、明るく綺麗でお洒落で、こんな所にも日進月歩を感じてしまった。

カフェとランドリーのコラボは、北欧アイスランドに端を発するそうだ。『洗濯も憩いの時間に』というコンセプトのもと、洗濯が癒しの時間・空間に、今変わりつつある。

これも1つの出会いと別れ。

一番近かったコインランドリーが閉店しなければ、新しいコインランドリーを探すことなんてなかった。偶然通りかかって見つけるのは、きっともっと先だったに違いない。

使い慣れたコインランドリー閉店で、ちょっと沈んでいた気持ちに、小さな灯りがともったような気がした。


この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,778件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?