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miyakonomi
鼻歌
私は音痴だ。
だからカラオケ等には行かない。
だが家で鼻歌を歌いながら料理をしたり、掃除機をかけたりする。音程が外れてようがどうでもいい。時に踊りながら歌ったりもする。
それを見た母は、なんとも言えない表情で、嬉しそうに私に言う。
「お前は幸せだね」と。
「なんで?」と聞いてみた。
「悲しかったり怒ったりしていたら、そんなふうに楽しそうに歌を歌ったりできないよ」と。
そうか私は幸せなのか。
幸せなんだ。
年老いた母が、楽しみもないから早くあっちの世界に行きたいのに、なかなか行けないと、毎日呟いている中、ほんの少し私の歌う姿で、楽しそうに笑う。
そんな笑顔を見るために、私はまた歌う。
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