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【句集紹介】山のこゑ 飯田龍太句集を読んで

・紹介

  飯田龍太の句は優しい。家族がいて、自然がある。俳人飯田蛇笏の子として生まれ、自身も俳人として大成した。

 兄弟を早くして亡くし、自身も患い、その中で家を援け、農業にいそしむ。龍太の句を見るといつも「泰然自若」という言葉を思い出す。

 「無理はしなさんな」。龍太の声が俳句から聞こえてくる。その肉声を小生は知らないが、いつも暖かい。

・厳選10句

夕焼けて遠山雲の意にそへり

抱く吾子も梅雨の重みといふべしや

月の道子の言葉掌に置くごとし

手が見えて父が落葉の山歩く

冬耕の兄がうしろの山通る

どの子にも涼しく風の吹く日かな

一月の川一月の谷の中

かたつむり甲斐も信濃も雨のなか

返り花咲けば小さな山のこゑ

父のこと問はれてをれば郭公鳴く

・作者略歴

 俳人。山梨県生れ。日本の近代俳句に大きな足跡を残した飯田蛇笏の四男。国学院大学文学部国文科卒。卒業論文は〈芭蕉の悲劇性の展開〉。1954年第一句集《百戸の谿(たに)》を出版,戦後俳壇の新鋭として注目を集める。1957年現代俳句協会賞を受賞,1968年第四句集《忘音》で読売文学賞を受賞。蛇笏主宰の俳誌《雲母》を父の死後継承し,蛇笏没後30年にあたる1992年に900号をもって終刊した。現代的な感覚溢れる瑞々しい叙情性が特徴の作風で知られ,現代俳句の第一人者と評される

(百科事典マイペディアより)

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