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俳句 雑詠2句

 昔から妙に楽天的だった。これまでの人生を振り返って、心の中で呟いてきた言葉大賞をやったら、間違いなく一番は「まあ、なんとかなるだろう」だ。故に、運動にしても勉強にしても仕事にしても恋愛にしても、切羽詰まってことに臨んだことがなかった。そして、幸いと言うべきか不幸と言うかべきか、そんな屑みたい態度でありながらも、何故かそこそこな結果はついてきたわけで、まあ、これからもそんな生活を送っていくのだろうなんて考えていた。

 しかし、今小生の目の前には、生まれて初めて心から欲するものがある。「石田波郷新人賞」。俳人亀山こうきとして、これを取らずにはいられない。しかし、歴代受賞作や、同世代の俳人の句を研究してみると、焦燥ばかりが心に芽生える。時間はない。チャンスも一回しかない。「まあ、なんとかなるだろう」なんてことは絶対にありえない。妻や子供が寝静まった夜中、小生は物置を改造した2畳の書斎にこもり、駄句を前に、本当の絶望に打ちのめされている。



手花火の消えてる間だけ泣いている
緋めだかや素質はどこで買えますか

亀山こうき

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