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HSP(かもしれない)のに飲食パートを何故か一年続けている私が「向いている人」の条件を8個挙げる。

前提
○  HSP、またはHSPかもしれない人は飲食業は向いていない可能性が高い(らしい)。

その理由
1)毎日一定の仕事内容、毎日一定の忙しさ、毎日一定の機嫌の人たち(店長、同僚、お客様)ではないためハラハラすることが多く安心感が少ない。
2)状況によって最善とされる行動がある割に正解が分かりにくい。しかもその状況は刻々と変わるので最善とされる行動が変わってくる。
3)大きい声や体育会系ノリなど繊細な気質と求められることの相性が悪い。

○私の勤務先と登場人物(フェイクを含む)

1)勤務先→個人経営飲食店。価格帯はリーズナブル。常連客は多いが、その分ちょっとおかしい人も多くフレキシブルな対応を求められることもある。
2)私→HSPっぽいところがあるかもしれないと自覚し始めた35歳。飲食パートが向いていない気がしているのに何故か辞めずに一年経ってしまった。
3)店長→飲食業一本でやってきた57歳。誰でもウェルカム気質のせいで、使えない私を雇ってしまう。息を吸うように全ての作業が出来るが忙しくなるとテンパって間違うことも。店内ではまごうことなき全知全能絶対的な神。ねちっこくはなく、裏表がないところが最高だが、嘘もないので全てが本音であり私へのダメ出しもハッキリしている。私が仕事ができないことで今までのやり方を変えなければならないこと、目配りするところが増え、疲れている。
4)先輩たち→料理の修行をしながら他の作業も並行している。店長の域にはまだ達していないが機嫌が表に出ず、安心感を持たせてくれるのでHSP気質との相性はいい。店長のサポート(特にテンパリ時)、私へのサポート(店長に見えないようにこっそり教えてくれる)も忘れない、言うなれば天使。

以上を踏まえて、あまり検索に引っかからないような(笑)私の考える飲食パートが向いている人の条件や、HSP気質の方に向けての働く上での気持ちの持って行き方のコツ(自分への励まし)のようなものをまとめてみた。

1 大きい声出せる人、よく通る声をしている人

まず、HSP気質の人は音に敏感な人が多いのでないだろうか。突然大きい音が聞こえるとそれで頭が真っ白になったり、気が散って他のことが考えられなくなったりすることもあると思う。真っ白になって気が散っても、また戻ってくればいい。一旦「あーうるさいな!!」とうるさいと感じている自分を許すと戻る時間が早くなる気がする。「うるさいけど、うるさいと思ってはいけない」と押さえようとすると逆効果で「思ってはいけないのに…でもうるさい!」と気持ちがうるさい方に向いてしまうし、それを感じている間は効率も悪くなっている。言えそうな場所やタイミングがあるなら小声や口パクでも「あーうるさいな!」と口を動かすとかなり楽になる。ただし、言ってることがバレると本当にヤバいので、必ず周りをよく見ること。

飲食店はうるさいのに必要な音は聞こえにくい最悪な状況であることが多い。
お客さんの会話(アルコールが入ると本当にうるさい)、食洗機の激しい流水音、料理を作る音、換気扇の音、調理器具の当たる音、色々なアラームのピーピー音、電話の呼び出し音、店内のBGMなどなど。
その中でオーダーを通すために声をあげないといけないホール(私だ)の辛さよ…!大きい声で言うと「うるさいねんお前!」と容赦なく言われるし、読み上げる順序や略称を間違わずに言わないと「ハァ?!?!」と聞き返される。もちろん聞こえにくい音程でも「なんてぇ?!何言ってんのか分からん!」と怒られる。先輩たちが聞き取れても店長が聞き取れなければ意味がない。
店長と先輩たちはオーダーを聞いた後伝票を見ずに料理に取り掛かるため、聞き返すと時間のロスになるのだ。そうなると準備がワンテンポ遅くなるので声が通る人は向いている。
(声を出すの恥ずかしい?人見知り?大丈夫、10分で慣れます。)

2 耳がいい人

状況は上記の通り。そんな中、店長や先輩の言ってることがよく聞こえる、そしてお客さんのマスクの内側のモゴモゴ声を正確に聞き取ることのできる人は向いている。お客さんに聞き返して確認していると「聞き返すな!わかるやろ!」と店長から言われるが、本当に聞こえないんだなぁこれが。
私は唇を読むことができるので今まではそれでカバーしていたが、マスクのせいでますます使えない奴になっている。
(しっかし、何言ってんのか全然伝える気がないお客さんがたまにいるけどなんなんや??)

3 短気記憶が強い人

お客さんがオーダーしてレジを済ませて帰るまで一時間程度、(もちろん入店して席に着く前に即注文して食べてすぐ帰っていく人もいるが…)その回転の中ですぐ覚えて→すぐ忘れて→またすぐ覚えることができる能力は向いているどころか超即戦力だと思う。
注文を取った順に作っていくが、まとめて作ったり前後することもあるので注文内容をしっかり記憶できれば状況に慌てることもない。そして帰った人のことはその時点で完全に忘れないと、注文内容が近い人がいるとごっちゃになります。(あれ?ここに座ってた人って定食たべてなかったっけ?ん?単品追加?あれ?)

4 暗算ができる、数字の感覚に優れている人

私が全く暗算ができずお釣りを返すのがトロいため店長はイライラが限界突破してしまい、結局レジに数字を入力していいことになった。店長曰く、レジを打つより頭の中で計算する方が早いとのこと。レジがなくても釣り銭の計算はパッと出てくるらしい。暗算や算盤のできる人は本当に強い。
また、メニューの価格が完全に頭に入っていて、お客さんが食べているものを自分で頭の中でどんどん足し算していける人は伝票の記入漏れにもすぐ気づけるので向いている。例えば、A定食(千円)ジンジャーハイボール(480円)後からデザート(780円)追加。と言われてパッと2千円ちょい、または全部で2300円いかないくらい、みたいなざっくりした足し算ができる人は向いている。
(ちなみに私は電卓を使わないと合計が出ない。)

5 手が大きい人、指が広がる人、手首に負荷がかかっても強い人

配膳するときは重たいし、さげものをする時も積み上げるので重たい。片手で持つことも多いし食洗機に入れる時も案外手に負担がかかる。手が小さいと少し不利です。トレンチ(お盆)をよく使うお店ならトレンチ上の平衡感覚とどう配置してバランスを取るかの練習が必要な場合もあるが、手が大きい人はトレンチを持った時もそもそもの土台が安定しているので大変有利。
(下げる時は積み上げすぎず持てる分だけ、滑らないように。圧を感じても絶対慌てるな。割ったらもっと怒られるから…!)

6 人の顔を覚えるのが得意な人

この人はいつもB定食、この人は1杯目絶対ビール、ピンクの女子がチョコレートパフェでその向かいがモンブラン、この人はいつも奥の席に座るなどなど。注文内容もそうだがお客さんの顔を覚えるだけで事前に心の準備ができ、心理的な負荷や覚えないといけない量が少しマシになる。常連さんの顔が分かるとスムーズに進むこともあるので人の顔を覚えるのが得意な人は向いている。
(多分こっちのピンクの女子がチョコレートパフェだったな…「チョコレートパフェ御注文のお客様」…ヨシ!たまたま合ってた!!「モンブランです。」ニッコリ)

7 その場で切り替えられる人、何度も立ち上がる人

接客業全般に言えるが、店長から注意されるだけでなく事故みたいにお客様から訳の分からないクレームをいただくこともある。そんな時、「すみません」と心から悪いと思っている顔をして謝りながらも、3秒後には何事もなかったかのように笑顔で仕事に戻らなければいけない。これが地味に辛い。ほんとはその場で落ち込んでバックで一人であーあ…とぼんやりしたい。気にしてしまうがそのことを気にしていたら次のミスにつながるため、とりあえず一旦どこかに置いとける人は向いている。私はその場ではそうでもないが、時間差で帰り道にミスを思い出してクソデカため息をつくことが多い。
ミスを気にしすぎて自分を必要以上に痛めつけたところでやってしまったミスがなかった事にはならないし、自分で傷口をえぐっているから治りも遅くなる。やってしまった事実と、「無力さ」「恥ずかしい」「なんで」「自分のダメさ」は必ず切り分けて整理しよう。
店長にどれだけキツい言い方をされても泣かず(女は泣くと不利)、気にしてません!風を装って(それはそれ、これはこれ!)普通に仕事に戻って、へこたれずに次の日も当たり前のように出勤する面の皮の厚さがないとやっていけない。
飲食店でしか働いたことがない人が飲食店には多すぎるので飲食業のノリ?のようなものが連綿と引き継がれていて、それは体育会系や根性論だったりする。もちろんそれが嫌で独立する店長もいるだろうが、その場合は店長=誰かの下で働きたくない、誰かのノリに合わせたくない、自分の好きにしたい…つまりは「くせもの」(と言うと悪口か…個性的?)の可能性が高いだろう(笑)
飲食店での当たり前は普通の会社だと当たり前ではないなーと思うことも多いがそれが良くも悪くもあり得てしまう。それだけ狭い世界や価値観だから、疑問に思っても「そうなんだろう、お前の中ではな」と心の中で言い返そう。話し方やノリについては「そういう話し方をするCPUやキャラ」と決めつけてしまって心の中でスルーして問題ない。(リアルならあり得ない語尾のキャラっているよな…あれと同じ)

8 自分一人でやろうとしない、でも足りないところにはスッと入っていける人

飲食業はチームワークが命なので一人で黙々とやりたい人はかなり厳しい。どれだけ仕事ができる店長だったとしても一人でできることは限られるし、こちらに指示を出しているのは結局手伝ってもらっているのと同じだろう。
また、指示待ちで完全に受け身の人よりはお客さんと先輩と店長の動きを見て足りてない所に自分から勝手に入れる人の方が向いている。先輩や店長は自分たちがする作業でとても忙しいので細かい「気の利かせ」のようなことは適宜こっちがやるしかなくなる。ただし、当然ながら他に優先順位の高いことがあるならプラスアルファの「気の利かせ」よりそっちをやらないと怒られる。
逆に自分がテンパったり全部は無理な時は、他の人にやってもらえそうならやってもらう必要があり、その時にいちいち「助けてもらって私は全部できなくてダメなんだ…すみません」と落ち込んでいてはメンタルがもたない。HSPさんは頼み事をするのに心理的負荷がかかりやすい人も多いとは思うが、自分一人で背追い込むとキャパオーバーしてミスする可能性もグンと高まるので、毎回は無理でもお願いする練習(やってもらう練習)だと思って頑張ってみよう。HSPでない人たちは、そもそも誰かを助ける事に大変だとか負担だとかそこまで重たく考えていないから。
(むしろ仕事できる人ができない私を助けるべきだし、私が得になるのではなくお店を円滑に回すためなんだから、どんどん沢山助けたまえ!)

以上、HSPかもしれない私が思う飲食パートに向いている人の条件を挙げてみたが如何がだっただろうか。

これを読んで当てはまっている人がいれば少なくとも私よりも「使える」人なのは間違いない。ぜひ、堂々と飲食パートに挑戦してほしい。絶対に重宝されて入ってくれてありがとうと感謝されるに違いない。飲食パートはキツさもあるけど、たまに楽しくなっちゃうこともあるし、賄いもありがたいし、私の勤務先はブラックというほどでもない。
ちなみに私はどれにも当てはまっていない挙句、普通にミスもしているのに何故かクビにもならずどうにか働いてしまっているので、当てはまっていない人もどうか安心して欲しいと思う(笑)

自分で条件を見直すと、慣れやトレーニングでマシになるものもあれば、元々の性質でどうにもならないこともある。でも自分なりに作業のやり方をこっそり変えたり、店長に見えないところで確認してミスを防いだりと、別に完璧にできなくてもそれなりにできる人間に仕上がらないだろうか。
これからもミスをしたりへこたれながらもトライアンドエラーを繰り返すしかないが、向いていなくてもそれなりにやっていく何かしらの策はあるはずだ。ある、そう信じたい。そうでないとやってられない。きっとある。うん。あるよな…?いや、あるのだ。どこかにある。見えなくても、今は持っていなくても、絶対に見つかる。
そうであってくれ、、、頼むから。

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