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印象に残ったカメラカタログ(Part3)

印象に残ったカメラカタログの紹介をしていくシリーズの最後。
著作権に配慮し、ここでも斜線を引いておいた(意味があるか分からないが)。


●TAMRON FOTOVIX(1991年07月)

「電子画像」と言うと、パソコンで取り扱うデジタル画像を思い浮かべるかも知れないが、このFOTOVIXは写真をアナログで取り込んで電子画像とする製品である。

当時は「電子画像」と言うとNTSC信号のTV映像を意味し、ビデオカメラで撮影し、ビデオテープに記録するシステムが中心であった。電子スチルカメラというシステムもあったが、これもビデオテープに記録する代わりに磁気フロッピーに記録するシステムである。
そしてこのFOTOVIXも、ビデオカメラのように写真を取り込み、電子画像にする。

ボクはこのFOTOVIXを購入し、ビデオデッキにつないでVHSテープに録画して写真の電子化を行っていた。

なお、この製品名のフォトビックス、PHOTOVIXではなくFOTOVIXとなっているので注意。

●KYOCERA SAMURAI X40(1989年04月01日)

本当は無印のSAMURAIを載せたかったが、有名タレントが大きく載っていたのでこの高倍率版のSAMURAIを選んだ。

SAMURAIは当時流行ったブリッジカメラの先駆けで、その自由な発想で生まれたカメラにカメラの未来を見た気がした。
なお、「ブリッジカメラ」というのは、一眼レフとコンパクトカメラを繋ぐ第三の形態という意味である。SAMURAIの後、各社から二匹目のドジョウを狙ってあらゆる製品が出たのは印象に残っている。

それにしてもこのカメラ、フィルム縦給装でハーフサイズの一眼レフというのが面白い。さすがにハーフサイズは無いなと思ったが、今ならデジタルカメラ化されたら欲しくなるかも知れない。

●Nikon価格表(1982年02月10日)

表紙は簡素なデザインなので、本文から掲載した。
このカタログの魅力は、購入を考えているときに色々と自分なりのシステム構築を想像し、電卓を叩いて合計金額を出して溜息をつくためのツールであるということ。

このカタログにも一部鉛筆で丸で囲ってある部分があるが、購入を考えている過程が痕跡として残っているわけである。

当時、ボクはキヤノンを使っていたのだが、やはり高級なニコンのカメラが欲しく、架空の購入プランを色々考えたものだ。

●CASIO QV700(1997年10月)

デジタルカメラは、最初はカメラメーカーよりも家電メーカーの勢いが強かったように思う。中でもCASIOとSANYOは早くから参入があった。
恐らくカメラメーカーのほうはフィルムカメラを本業としており、海のものとも山のものともつかぬデジタル製品など本気ではなかったのだろう。それはつまり、当時のデジタルカメラがビデオカメラの派生品であるという認識であったからに他ならない。

当時はボクもそういう認識が強かった。そのため、デジタル画像が欲しい時ばビデオカメラで録画したものをパソコンでキャプチャして使っていた。何しろ、デジタルカメラとビデオカメラが同じくらいの値段で同じくらいの画質なのだ。それならばビデオが撮れるほうが良い。

だがそれでもこのカメラのカタログで持っていたのは、「軽量コンパクトなボディでデジタルキャプチャするのも良いな」と思っていた部分もあったからだ。

●SIGMA レンズカタログ(恐らく1980年代)

これも表紙だけでは伝わらないと思ったので本文から掲載した。
当時のシグマは、レンズそれぞれにギリシャ文字を当てていたのが新鮮であった。そういえばシグマという社名もギリシャ文字であるから、何らかのこだわりがあるのだろう。

当時のズームレンズは画質に妥協があるという認識があったせいか、カメラメーカーにはあまりラインナップが無く、その隙間を狙ってレンズメーカーからはズームレンズが多く出ていたように思う。

レンズなど気軽に買えるような財力が無かったので、こういうカタログを眺めながら、「こういう撮影ではこのレンズを使おう」などとイメージを膨らませるのに役立った。

●Nikon E2(1995年05月)

ニコンは、デジタル一眼レフカメラは早くから手を付けていたようだったが、それでも他社(KodakとFUJIFILM)との協業であった。
他社との協業では、想像するに光学系とメカニズム系はニコンが担い、デジタル処理系はFUJIFILMというところだろうか。

それにしてもこのカメラはイメージセンサーのサイズが小さいながらも、縮小光学系を持っており、35mm判のレンズがそのままのイメージで撮影可能だという。どうりで奥行きが深いカメラになっている。
図体が大きくスマートではないが、それでもこのカタログ表紙の写真写りが良いので、ジッと見ているとなんだか欲しくなってくるのだが、標準価格は100万円超え。

ちなみにカタログは、業務用途のカメラであるのにヨドバシカメラで手に入れた。

●FUJICA AX(1980年08月)


フジカというカメラは不思議な魅力を持ったカメラであった。
このAXシリーズ以前にSTシリーズというスクリューマウントのカメラがあったが、これもまた不思議な魅力があった。

さてこのAX-5というカメラは、見たところ機能がCanon A-1にとても似ており、ダイヤルなども窓式という点でも酷似している。それにしてはA-1ほど話題になっていなかったので、本当は大したカメラじゃないのか・・・?とどう評価していいのか分からなかったことを覚えている。そのせいで、何かヒントが無いかとカタログの隅から隅まで見たものだった。

ところでこのカタログの隅に、オプションとして「フォトレコーザー」というフィルムバックがあり、なんと手書きの文字を写し込むことができるとのこと。さらりと信じられないことが書いてあって、本当にそんなことが可能なのかと疑ったものだ。

後々、メカニズム系の本を読むと、掘込製作所というところの製品らしく、パンタグラフ機構で1/5に縮小して文字を書くという仕組みらしい。ミノルタでも同じ製品がオプション品になっていたそうだ。

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