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参考になる昔の写真書籍

写真の面白いところは、「どんなに古い情報であっても役に立つ」という点である。しかも最近のカメラ関係の書籍は深みの無いつまらないものが多いのは気のせいだろうか。そのおかげで昔の書籍のほうが非常に参考になる。

ここでは、ボクがこれまで読んできた写真関係の書籍の中から、現在の自分自身を形成するに至るほどの重要な書籍を紹介したいと思う。


●ザ・撮影

業界誌「ザ・撮影」は、商業写真関係者向けのテクニカルな雑誌で、光の取り扱いについて非常に参考になる。これを読むたび、「写真というものはライティングに始まりライティングに終わる」という大原則を忘れてはならないという気持ちにさせてくれる。ここで「俺は商業写真は関係ない」とスルーしてしまうと写真の一番面白いところを知らぬまま生涯を終えるので気を付けたい。

この「ザ・撮影」で重要なのは、そこに書いてある具体的ノウハウをそのまま覚えてもあまり意味は無いということ。掲載写真と全く同じ写真を撮るならばそれでも良いが、そういうことはあり得ない。あくまでもロジカルに問題解決の方法を学ぶこと、そしてそれを自分の中に吸収して自分の視点に活かすことが重要なのだ。

●写真工業

写真はカメラで撮るもの。そしてカメラは歴史の積み重ねで成り立っている。
もちろん、カメラの知識が無くても写真は撮れるが、思い通りの写真を撮るという前提であるなら、やはりそれぞれのカメラの知識は欠かせない。

カメラ雑誌は過去に多くあったが、この「写真工業」は1952年創刊と歴史が古く、当時の最新機種の解説が載っているのが大変貴重。

この「写真工業」は、カメラを1つの工業製品として捉えて試験し、その情報を載せているのが参考になる。感覚でしか見ないカメラマンではなく、きちんとした技術者が見るカメラというのはやはり見どころが違うのだ。

もちろん、ユーザー目線というのも必要だとは思うが、ユーザー目線のみで情緒的に終始する記事が最近は多過ぎて辟易としている。

●現代カメラ新書

現代カメラ新書は、基本はモノクロ印刷で一部口絵があるタイプの文庫本である。単価が500~600円台と安く、書店に行くたびに1冊買っていた記憶がある。

存在感としてはちょうど保育社のカラーブックスのような感じで、集めたくなる心理も呼び起こす。

●コマーシャルフォト

アメリカ系の書籍のようだが、さすがにアメリカだけあってロジカルな記述に安心感がある。日本は情緒でものを考えるが、アメリカは基本的にそういった甘さが無いようだ。ハッキリとした目的があり、それを実現させるための手法が確立され、それを求める人間が読む本である。

●フォトテクニック

これもアメリカ系書籍のようで、情報量が非常に多く、いったん読み始めて入り込んでしまうと現世に帰ってこれなくなりそうな気にすらなる。また、読むたびに新しい発見があるのは、以前読んだ時の自分とはまた少し違うせいかも知れない。
古い時代のテクニックや情報であるものの現代でも完全に通用する内容は、それがいかに基本であり本質的であるかを物語っている。

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