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銅鍋の品格―クワイエット・ラグジュアリー

あの日、気圧された――
その実、こともなげにお店をあとにしたけれど、気圧されたのである。

4年ほど前のあの日、筆者はひとり京都にいた。
京都のオフシーズンといわれる2月、ひもすがら狐雨のアンニュイな日で、二条城近くの交差点では、つかめそうでつかめない「低い虹」も認めた。

折しも、件のウイルスでまもなくゲートは封鎖されるといったところで、
外国人観光客が散見するも、ゆきがかり上移動を憚るムードを醸していた。 

それでも日帰り京都を敢行したのには、それなりの理由があった。

否、偏愛の所業である。

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