久々の回転寿司

久しぶりに両親と回転寿司に行きました
場所はショッピングモール内
澄子(85)は宇宙一の方向音痴なのでトイレまで付き添いました
戻ると喜朗(87)がプラスチックの湯飲みを持って「お茶がない」と騒いでいます
「ここをね、湯飲みでぐっと押すんだよ」
私が説明すると喜朗は実践して湯飲みを寿司レーンの下にある湯出しレバーに押し付けました
家族の分も淹れてやろうと思ったのでしょう
湯飲み三つを次々とレバーに押し付けた喜朗が気づくとテーブル一面お湯まみれになっていました
「ひっっ!父ちゃん、何してくれたんだ」
目線をレバーに移すと凹んだまんま!
ONの状態で動かなくなっているのです
私たちが騒いでいるとホール係の女性が布巾を持ってきてくれて、逆に謝られました
「レバーの故障です。こちらの手落ちです」と
私としては絶対に喜朗がなにか無理をしたんだと思っています
だって、いつもそうだから
果たして、お寿司を注文する段となりましたが、これがタッチパネル方式
私でも注文できるか怪しいのに大丈夫か喜朗
軽く使い方を説明してから澄子を迎えにトイレへ
流石、傍若無人・怖いものなしの喜朗
タッチパネルを無視して板前さんに直注文しています
すると板前さん
「はあ?商品名で言ってくんないとわかんないねえ。何言ってんの
?」と塩対応
いや、これは塩対応でなく老人いじめ?
だって途中から二人の会話が聞こえていた私が席に戻るのを見ると、急に態度を変えたんです、その板前さん
小さいころは「私のお父さんは世界一」と信じていました
それがどうやら間違いだったらしいことは早い段階で気づいていたけれど、赤の他人に意地悪されるのを目の当たりにして少々ショックでした
当の本人は相変わらずの調子で「感じの悪い奴だったな」と笑っていました
お寿司はおいしく、満足したようで良かったです


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