朝ごはんは向き合おう
澄子(85)はいつからか、居間にふとんを敷いて寝るようになった。
テレビは澄子の友だち。
だから一日24時間点いている。
ナンプレをしていようと、食事中であろうと、台所でご飯の支度をしていようと、電源をきることはない。
夜中ももちろん韓国ドラマの録画がひっきりなしに流れている。
早朝は大谷くんに夢中。
ふとんの中で、顔はテレビを向いたまま。
私が起きて行っても振り向かない。
今日も大谷君の勇姿を見つめながら私に言った。
「あんた、お父さんの食事の音がうるさいって言ってたよね」