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Bugaboos 遠征記

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血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記6)

血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記6)

Snowpatch Spire
Sunshine Crack  5.11-

毎回、B-S colから戻ると目に付くラインがある。  

Snowpatch北面最上部に1本だけ真っ直ぐに伸びるクラックだ。あれはなんて言うルートかなと通るたびに調べようと思いながらベースに着くと忘れていた。

さて8/21、残り3日。計画していたルートも完遂し、さらに追加で登ったため成果としては上々だった。しかし、

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血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記5)

血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記5)

つづき

8/18
9:30に起床。
寒い。シュラフに入ったまま昨日の残りのチーズを食べて10:30ほどに出発。

10:50B-S colに着く。他のパーティと少々英会話を楽しみ、さらに下降。

12:30にapple bee domeに戻った。 
不思議とこの日は全く振り返らず、登ったルートなんかは見向きもしなかった。それどころか「明日どこ登ろうか」などと話していた。

Crescent To

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血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記4)

血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記4)

つづき

South Howser tower  
Becky Chuinard

8/17
2:30に起床。
いつもと打って変わって、テキパキと朝の準備をする。

3:30にテントを出た。 
昨日の偵察でアイゼンはいらないと判断し、軽い足取りでサクサクと下る。月の明かりが強く、ヘッデンはつけなくてもいい。幻想的な光に照らされたリッジは美しかった。ガレが強くなるとヘッデンを着ける。人工の光によって

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血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記3)

血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記3)

つづき

Snowpatch spire
Surf’s up. 5.9

8/14
North east を終え、ここからいきなりBecky-Chouinardの5.10-を行くのは少し怖いねということで、クッションとして先にSurf’s up 5.9をトライすることにした。

7:00にベースを出発し、通い慣れた氷河を登り、B-S colに到着。一息入れた後、取り付きへ。Snowpatch Sp

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血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記2)

血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記2)

↑前回
つづき

登攀Pigeon Spire West Ridge

 8/12
 腰に昨日の重荷によるダメージを覚えつつ、のんびりとシュラフを出る。快晴だ。昨晩の残りである不味いα米のようなものにチーズを入れて誤魔化した朝食を口に運び、今日の動きを相談する。せっかく晴れているのだからということで、概念把握がてらPigeon Spire ,West Ridgeに行くことにした。

モレーンと氷

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血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記1)

血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記1)

まえがき
 いつも僕のオナニーブログを読んでいたありがとうございます。
流石に毎度、僕の所感を書いていては他二人に首切られちゃうのでちゃんとした山行記録を書きたいと思います。
 ひとまず、2022年夏に行ったBugaboo遠征について以前書いた報告書をベースに少し書き換えて複数回に分けて載せます。読み終える頃にはBugabooに行きたくなるでしょう。いやー困っちゃうな。人が増えちゃうなこれは。

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