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【旅のあれこれ・屋久島編4】縄文杉トレッキングツアー、見どころは?どこが大変? その2

(【旅のあれこれ・屋久島編3】縄文杉トレッキングツアー、見どころは?どこが大変?」 その1の続きです)

 先日の台風(2023年8月・台風6号)で同僚が屋久島旅行をキャンセルしました。宿から「来ていただくのは嬉しいが、いらっしゃっても現地で思うように行動できない、帰れなくなる可能性もあります。」と連絡があり、キャンセルを決断したそうです。
 屋久島山岳部保全利用協議会のHPでは、荒川登山バス運行状況の最新情報(公式twitter)等が掲載されています。リンクを貼りますので、情報収集にご利用ください。
屋久島山岳保全協議会HP

 さて、なんとか縄文杉までたどり着きましたが、着いた後は大変だった同じ道約11キロを歩いて帰らねばなりません。山道は上りより下りがきつい、と聞いてはいましたが、それを今回体感しました。

昼過ぎからは下山ラッシュ

帰路で膝に違和感
 帰りの下りの山道は上りより、キツく感じました。足をなるべくしっかり地面につけるように、階段では進行方向に対して斜めに足を下ろす等しているうちに、左膝にちょっと違和感が生じるようになりました。ウィルソン株で休憩をしたら一旦それが無くなり、大丈夫と思ったのですが、歩いているとまただんだんと出てきました。
 するとガイドさんが「膝痛いのかな?」ときいたので、「痛いというか、少し違和感があります。」と答えたら、「休憩した時に言ってください。テーピングしましょう。」と、私を座らせるとズボンの上から両膝にテーピングを施しました。「休憩したら、違和感が無くなったので大丈夫と思いました。すみません。」恐縮しつつも、歩き方で異変に気付いたガイドさんに驚きました。違和感のある左膝だけでなく、両膝にしたのはバランスをとるためだそうです。

帰路も屋久島の自然を楽しむ
 
疲労と脚の不調で気持ちの余裕は無くなってましたが、帰り道も所々で屋久島の自然を楽しみました。

屋久島では多種の苔が生えており、苔は森の植物生育の循環に重要な役割を担っています。
しばらく晴天が続いていたので、この日は苔が乾いている、とのことでした。
右のコブが二つあるところが屋久島最高峰の宮之浦岳。
画像でもわかるように杉は生えておらず、森林限界を超えているので山頂あたりは笹等しか生えていないそうです。宮之浦岳は山に取り囲まれているために、屋久島の外周から見ることができません。山奥に入ったからこそ見れる、ご褒美の眺望!快晴でくっきり見えてラッキー!
厳しい自然環境のためか、ユニークな形になった樹木があちこちにあります。これは龍が口を開いたような形になった杉の根元。自然の造形って面白い。

遅れをトロッコ道で取り戻す
 バスで一緒だった同じツアーの他のグループと、ガイドさん達は無線で連絡を取り合っており、互いの位置や情報を共有していました。トロッコ道に戻った時に私のグループは一番最後であること、予定の16時までに終点に着くために頑張って歩きましょう、説明がありました。
 遅れた原因は…、私です。トロッコ道に入り、段差が無くなってからは、脚の不調に影響されずハイペースで歩けるようになりました。ガイドに先頭を歩くように言われ、ガンガン歩いてたら他の参加者がついてこれない…。差が開いたらちょっと休憩、を繰り返していくうちに、他のグループに追い付き、バスの迎えにも余裕を持って終点に到着することができました。

ガイド付きツアーに参加してよかった!
 個人でも縄文杉まで行くことは可能ですが、私はガイドツアーに参加して正解でした。参加者の状態に合わせて、途中ショートカット(近道)したり、荷物を(比較的安全な場所に)途中で置いて身軽にさせたり、膝の調子が悪くなった私にテーピングの応急処置をする等、参加者の安全を優先しつつ、バスが迎えに来る時間までに登山口に戻れるよう、スケジュール管理もばっちりでした。
 歩きながら屋久島の動植物等について、小休憩も兼ねて説明をしてくれるので、豊かな屋久島の自然をより実感できました。私が参加したグループはヤクシカ、ヤクザル、島の固有種のネズミをツアー中に見ることができまし た。ネズミはガイドがいなければ、気がつくことはできませんでした。
 担当のガイドさんは雨が降っていれば、昼食時はタープ設置して参加者が濡れないように対応し、傘をさしてお弁当を食べるような不自由な思いはさせない、と話していました。ガイドさんの荷物が大きいのはそういう物もリックに入っているからだったんですね。
 ちゃんと安全に参加者を案内できるのか、プロの目から見て怪しいガイドもいるそうです。料金が安いガイドは注意して、とのことでした。

縄文杉に行く前にやっておくといいこと
 縄文杉を見た後の帰り道に、友人に「また来るの、無理かも…」と弱音を吐いていたら、ガイドさんに「トレッキングの3か月前くらいから、階段の昇降を毎日して備えれば大丈夫。」とアドバイスをいただきました。
 私は1ヶ月前から通勤時になるべく階段を使うようにし、休みの日は近所の急な坂を上り下りする等してましたが、これでは足りなかったです…。3か月前から階段昇降を徐々に増やし、登山開始前数週間は10階分くらいを毎日昇降をされることをおすすめします。
 一緒に行った30代の友人は3週間前からオフィス内の上下の移動(9階)はすべて階段にしたところ、しないよりははるかに良かったと思う、と言ってました。若くても普段は運動されてないなら、階段昇降をおすすめします。
 登山家が人間が垂直に登るのに要するエネルギーは平行移動の3倍、100m登るためには、平地を300m歩くエネルギーが必要と言ってました。私は長距離歩くのは苦にならないのですが、トレッキングは脚を持ち上げて登るので、脚まわりの筋肉を鍛える必要がある、と今回痛感しました。近所を散歩する程度では、登山の訓練にはならないです。

 宿に戻ったら私も友人(30代)も、疲労で足が上がらず、階段昇降に四苦八苦…。こんな状態で明日、白谷雲水峡トレッキング行けるの?!と互いに苦笑しました。風呂にしっかり浸かり、脚に鎮痛効果もあるシップを貼りまくって就寝しました。
 ちなみに宿によっては匂いが残るので、エアーサロンパスの室内での使用を禁止しているところがあります。同室の方にも迷惑がかかるので、ご配慮なさってください。

ハイシーズンの注意点
 私は混雑を避けて、GWの翌週の平日に縄文杉ツアーに参加しました。お世話になったガイドさん達全員から、快適に縄文杉まで行きたいなら夏休みやGWのハイシーズンは避けた方が良い、とのアドバイスがありました。
 人が集まると登山道も混雑し歩きにくくなる、混雑のためにもともと数少ないトイレが混雑して1時間待ちという事態にもなるそうです。とは言っても、その時期しか訪れることのできない方もいらっしゃると思います。
 緊急時に備えて、携帯トイレを持参することをおすすめします。現地で確認はできませんでしたが、混雑時には携帯トイレ利用者のための目隠しスペースが、出現するらしいです。私はトイレに頻繁に行くので、携帯トイレとトイレ使用時に身体を隠せる専用ポンチョを持参しました。使用はしなかったですが、持っていったことで安心して登山できて良かったと思います。
 
 夏は虫が多種出現するので、虫よけ対策もしてください。私が行った時は、縄文杉の展望台で蚊のような虫が沢山飛んでました。刺されることはなかったのですが…。ヒルも出るので、暑くても肌を露出する衣類で登山するのはおすすめしません。

登山の装備について
 
登山靴の使用、汗をかいても冷えない素材の服の着用、雨具は必ず携帯することをおすすめします。屋久島の山々は季節によって気温が大きく異なり、冬は雪も降る過酷な冬山となります。
 私が訪れた5月中旬は縄文杉のある高所(1,300m)はじっとしている寒く、休憩中は上着(フリース)が必要でした。縄文杉ツアーは標高差があるため、体温調整がしやすい服装が良いです。ネット等で訪れる時期の現地の気温を調べ、標高差も考慮した上で、それに対応した装備を用意してください。
 屋久島世界遺産センターのHPでは、屋久島の様々な情報を掲載しています。屋久島の観光情報の他、縄文杉の混雑状況、登山の装備等、縄文杉へのトレッキングには欠かせない情報が載ってますので、ご覧になってみてください。
 
 
屋久島は“1カ月で35日雨が降る”といわれるほど、日本で最も雨が降る地域です。雨具は必須で、通気性のある物をご用意ください。高温多湿の屋久島では、ビニール合羽は蒸れて着続けられません。

 水は途中に給水できる箇所がいくつかあるので、500mlのペットボトルの水を持って行き、空になったら水をこまめに汲むようにすれば大丈夫かと思います。道中の水は軟水で美味しいです!ガイドさんに水汲みポイントに着いたら知らせてくれるようにお願いしておきましょう。日常的に水を沢山飲む方は、1リットルのボトルの方がいいかも…。

 登山靴、雨具等は現地でレンタル可能です。私は登山用品レンタル付のガイドツアーに参加したので、身軽に旅行できて快適でした。

 翌日は白谷雲水峡トレッキングツアーに参加しました。雨が滴る苔の森は美しく、屋久島らしい自然を堪能できました。近々アップします。

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