マガジンのカバー画像

小説・負荷

4
小説です。
運営しているクリエイター

記事一覧

《小説》 負荷 (1) 

《小説》 負荷 (1) 

歩こう。
重たい身体を引き摺って。

彼女は突然居なくなった。
学校にも、家にも、スマホの通知画面にも姿を現さなかった。

4日後に遺体で発見された。
学校から、車で二時間半で着く山林。
川沿いの崖下で死んでいた。

身投げ、、、自殺らしかった。

遺書は無かった。

午後二時十六分。

真っ暗な自分の世界に逃げ込むように、布団の中に頭までくるまる。
スマホを開き、液晶下部にあるショートカットのア

もっとみる
《小説》 負荷 (2)

《小説》 負荷 (2)

電車に乗るのが好きだ。

電車の中には、心地よい浮遊感がある。
座席のクッションが柔らさなのか、それとも、車体の小刻みな揺れからなのか、その両方かもしれない。

重たいからだが少し楽になる。呼吸がひとつ深くなる。

周りを見渡すと、乗客の多くはスマホに視線を落とし、イヤホンやヘッドホンで耳を塞いでいたりする。

車輪が線路と擦れる音、車体の揺れの音、それでよろめく乗客の足音、衣擦れ、息遣い。
耳を

もっとみる
《小説》 負荷 (3)

《小説》 負荷 (3)

前回のお話

四限を終えて、弁当は食べずに下校する。
一時二十五分の電車を逃すと、次は一時間近く待たなくてはならないのだ。
校門ちかくでは、同じく、昼食よりも下校を優先した生徒がちらほらいる。
正門から続く長い坂道を下る。
傾斜が急なので、転げないように下を向いて、一歩一歩ブレーキをかけながら歩く。
アスファルトを擦り減った靴底で打つパタパタという音が至るところから聞こえる。
坂道を囲む木々はとう

もっとみる

後書き

こんにちわ葦原です。

まずは、私の小説を読んでくれた物好きな方々、どうもありがとうございます。

物語を書くのは久しぶりです。
長らく書いていませんでした。
精神が健全な証拠だと思います。

この冬は寒かったり、難しいテストがあったり、寒かったりしたので精神に異常をきたした結果、再び小説を書く気になりました。

全体を通して。

自分でもつまらないものを書いたなという自覚はあります。
エンタメ性

もっとみる