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過量服薬(OD)、興味、ある?

ほんじつのおもひ
安易な過量服薬の情報提供への危惧


過量服薬(オーバードーズ:OD)
指示された服薬量よりも過量に摂取すること(厚労省).

自分が市販薬をオーバードーズをしていた身であることを切り離しても、別段、否定しようとは思いません.
ただし、おすすめも、しません.

過量服薬しないといけないくらい今がきついのであれば、一時の避難の手段なのかもしれない.
薬をたくさん飲むか飲まないかは当人が決めることです.

今回述べたいのは、主にインターネットでの安易な過量服薬・ODの情報の流通です.
扱うのは、薬で一時しのぎをする、薬が一種の自傷行為の場合.
過量服薬で死のうとしている場合は今回は除きたいと思います.


◆ODの具体的な質問と回答

ネットサーフィンをしていると、こんな質問を時折見かけます.

「A様、ODしてるんですね! 何の薬がおすすめですか?」
「安くてOD向きの薬、教えてください!」

質問された人は、具体的な商品名を挙げて、あるいは伏せ字にしても伝わるように回答しています.

「あたしは―っていう風邪薬つかってるよー」
「20錠くらい飲むかな~、ぽわーってするの」

中には精神科で処方された薬を多めに飲んでいると言う人もいます.
回答に対してのレスポンスは、高確率で「ありがとうございます!使ってみます!」.

わたしは、このやりとりが非常にこわいです.


◆離脱症状

薬には作用もありますが、副作用もあります.
少し意識を飛ばせたり、気楽になったりするかもしれません.
だけれども、身体的な副作用、精神的な副作用は大なり小なり現れます.
以下は実体験です.
古いのか今時なのか分かりませんが、いわゆる「ソースはわたし」というものですね.

オーバードーズ、離脱症状きつい

・吐き気(吐きたいのに吐けない)
・頭痛(ぐわんぐわんする)
・幻覚(入浴中、お風呂にアメーバがたくさん見えた)
・希死念慮(飲む前より死にたくなった)
・尿閉塞感もしくは頻尿(トイレに行くのもふらふら)
・口腔違和(口の中が気持ち悪い)
・無気力(なにもかもおっくう)

思い出せるだけでこれくらい.
死にたくても、市販薬を飲みすぎて死ぬのは難しいとは知っていました.
救急車で運ばれて、胃洗浄という痛い処置を受けた人のブログ記事もやまほど読んできました.

それでもODを常習的にやっていたときは、離脱症状が出ることを承知で飲んでいました.
製薬会社や薬剤師のかたが患者さんのために製造した薬なのに、と罪悪感が生じても、苦痛が待っていても、市販薬を利用しないといけないくらい精神的にきつかったからです.
でも今は、薬が切れるときの不快症状のほうがこわくなりました.


◆安易な誘導

小学生~高校生の間で、気軽に手軽にODが扱われていることに不安と恐怖を覚えます.

きつくてたまらないとき、同じように苦しんでいる人を見つけ、その人が同じようにODやほかの自傷行為をしていた.
同じような人がいるうれしさや安心が芽生える.
軽い気持ちで尋ねてみる.
「なんの薬、飲んでますか?」
そこへ「aっていう薬~」と聞けば、試してみたくなる.
そのとき、ODが持つリスク、副作用、離脱症状まで知らされるかどうか.

500円~1000円くらいで手に入る市販薬をドラッグストアやインターネットで買って、たくさん飲む.
そしてどうなるか――.

飲む薬の種類、成分、飲む人の体質・体調などによって、現れる作用・副作用は違うでしょう.

いい経験を得られれば、また使うし、不快だったらもうしない.
不快な体験をしても、またODをすることもあるかもしれない.

市販薬の中にも麻薬成分が含まれるものもあります.
情報があふれかえるネット社会、ちょっと調べればどれが該当するのかは簡単に分かるはずです.
学校で、麻薬(クスリ、大麻、ドラッグ)は「だめ、ぜったい。」と教わると思います.
同時に、どんなことになるのか、というリスクも教わります.

市販薬や、がんの治療などに使われるオピオイド(一例)、向精神薬は、用量を守って使用した場合にのみ安全性が認められています(現時点).

ひっくりかえせば、用量を守らないと危険ということです.

少々はなしが飛躍したようにも思いますが、薬を意図的に飲みすぎるこわさも、どうか知っておいてください.

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