見出し画像

アラフォーのワーママがMBA取って何になるの?の答えが最近分かった話。

アラフォーワーママMBAを取る


今の上の子が2歳から4歳の頃にイギリスの大学院のMBAをオンラインで取った。

下の子のつわり中に論文執筆が始まり、論文が終わってから産休へ。産まれたての赤ちゃんの世話をしているときに卒業証書が送られてきた。

2人目の育児休業から復帰して、社内の人事システムの個人履歴にMBAの取得を追加した。

上の子のお世話もまだまだ大変だった時期にMBAを取ったわけだけど、夫の目は冷ややかだった。

在学中は、勉強時間は家族が起きる前や子どもが寝てから、休日子どもがテレビを見ている時間などから捻出したから家族に迷惑はかけていないはずだが、出願前には夫に息子を託して英語の試験を受けに行ったりもしたから。

子どもを抱えた平凡なサラリーマン主婦がMBA取って何になるの?

それは、夫の声であるようで、見えない誰かさんからの「子どもも小さいのに母親という立場で今やることなの?」と、批難する声と受け止めていた。

(いや、実際は、別に世間の誰も私が何をしようと気に留めないが)

日本ではビジネスエリートじゃない人のMBAはまだまだ認知がないんだろうな、と思う。

若い頃から私は仕事で外国の人と接する機会が多かった。大手企業の人も個人企業の人もいた。MBAを若い時にとってビジネスで活躍する人も、社長になってから夜間学校で取る人もいた。だから大人は学びたい時に学ぶのだと思っていた。学生時代留学した大学にはおじいちゃんおばあちゃんもいた。

ところで、じゃあ私がなぜMBAが取りたかったと言うと、当初は「MBAをいつか取ろうと思っていたが、時間ができるのを待っていると、学んだことを活かす時間がなくなっちゃうから」だと思っていた。

でも、気づくとサラリーマン人生も折り返しで「何かを学ばないと自分の中の考え方が古いままな気がするから」とか「今後自分が応募するポジションに応募する競争相手はみんなMBAは当たり前に持っている気がするから」と言ったような、切実なものに変わっていた。

本来、ビジネスの体系的な知識を取得する学位がMBAなわけだが、私にとって「知識」自体がそこまで意味をなさないことを薄々感じていた。

MBAで学ぶ知識を活かして仕事をする人は起業したり事業を立ち上げたり会社を売買したり、とっくに、MBAを取得してとっくにそう言う仕事で成果を出している年齢だ。私が今後会計やら財務やら戦略やら、事業の舵取りをするような仕事をしないのは明白なのだ。

なら、そのMBAって、本当に役に立ってるのだろうか?

自分としては、大人の宿題が終わった!というスッキリした気持ちが得られたので良かったのだけど、外から見た人が評価してくれたのか?という観点で役に立っていないより役に立った方がいい。

最近、その答えらしきものに出くわすことがあった。

MBAが役に立ったんだなと思う出来事とは

一つは、2人目の育休復帰後半年ほどで新しい上司に「MBA取ったんだね!」と言われた時だった。

上司はもう大きなお子様がいらっしゃる男性だが、それでも子育て中に勉強するのは大変なのによくやり遂げだねぇ〜!というポジティブな評価をしてくださった。

いや、現実は…課題が及第点に足りず再提出したこともあったし、コピペのし過ぎでお咎めを受けて「論文の書き方」を再受講させられたこともある。論文執筆の時期はちょうどつわりで、当時の神様のような上司が仕事をかなり配慮してくださったのをいいことになんとか仕上げたのだ。とても、人様に褒められるような状態ではなかった。

でも「やり遂げた」ことは一定の評価に値するようだ。

今から3年も前の出来事だが、初めて会う人に対して「子育てしながらMBAを取ったのは、すごい」というわずかの加点がある。

もう一つの出来事は、最近受けた転職での面接でのこと。

上長になることになるディレクターが「MBA取ったんだね」と気にしてくださった。

そこに突っ込まれると思っていなかったため驚きつつ「自分の価値を高めるために足しになるかと思い、隙間時間に勉強しました」というようなことをしどろもどろに答えた。

MBAの効果かは何とも言えないが、無事にオファーレターをいただいた。因果関係は謎としてMBAを取ってから初めて転職面接に成功したならMBAはマイナスにはなっていなさそうだ。

応募していた職種は、現場から必要なデータや情報を掴んで意思決定をして結果を出す職種だったから、自分で目標を設定して成果を出すプロセスが回せる人だとは判断してもらえた可能性はある。(リアルなところはわからない)

なんにせよ、MBAを取った後に初めて会う人たちに何らかのインパクトを与えていることは確かなようだ。

ワーママのMBAならでは?

そう言えば、こんな話もある。

私と同じくらいのお子様がいらっしゃる男性社員の同僚で現在オンラインMBAコースでがんばっている方がいる。話を聞くと、授業はちょうど夜ご飯どきにzoomで参加するか映像で視聴という形で受講するかが選べるらしい。理解度を考えると断然zoomで参加が望ましいだろう。

私のコースは授業は録画しか選択肢がなかったが、もし「夜ご飯どきにzoomで参加」しか選択肢なかったらコースに入れなかった。子どもたちにご飯を用意して食べさせてお風呂に入れないといけない時間に授業なんて受けていられるわけがない。

妻に子どもたちを託して1人授業に参加する同僚の姿を勝手に想像して、ワンオペな奥様が気の毒に思えた。

(じぃじばぁばと同居してて全然平気かもしれないけど。よそのお宅のことは分からないから勝手な想像はよくないですね。)

こうしてみると、母親でありながら子育て中にMBAを取るのは男性のそれより難易度が高いような気がする。あくまで、主観だけど。

仕事家事育児というより厳しい条件下で卒業したことがインパクトを与えていると思えば、逆に、母親がMBAを取るのはお得かもしれない。

家庭にフルコミットして仕事もしつつ、睡眠時間を削って自分の時間を必死に確保した男性は「どうせ奥さんに家事育児丸投げしたんでしょ」なんて思われてしまうかもしれないから…そうなると気の毒である。

結論

本来ビジネスに必要な知識を体系的に学ぶことを目的としたMBAという学位。

それをワーママが取得した途端に「不利な条件下でも何かを成し遂げる根性と努力を讃える称号として機能」しているのではないか?

と、言えそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?