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息子が2歳から4歳のときにMBAを取った話

いつかその時がくると思っていたのにちっとも来ませんでした。MBAのことです。

20代は仕事にプライベートにあくせく、いや悪戦苦闘して30代は結婚と長男出産、職場復帰であっという間に過ぎ去りそうでした。

「いつか」はやって来てはくれないんだと気づいて重い腰を上げました。
せっかくなのでMBAを卒業するまでの記録を残すことにしました。
あくまで私の例で参考になるかわかりませんが何かのヒントになれば幸いです。

MBAっていつとればいい?


何に使うかによりいつ取るのが良いかは違うかもしれません。私は「あれば尚良し」で、焦らずやったら40手前でした。大人になると人生は立て込むんですね。なお、ビジネス上大事な布石になる方は早めの方が使える期間が長くなります。職場の方を見ていると、高い地位に就いて経営者向けのexecutive MBAに進む方法もあるようです。

起業アイデアが固まったら、昇進したら、コロナが落ち着いたら、など、今じゃないと思えばそれもありです。けれどいつかやりたければ下調べや準備だけでも始めるのがよい気がします。実際、出願までに一番時間を要したのはTOEFL試験で、細々とでも勉強しておけばよかったと思いました。

忙しくて身動きが取れない状況の脱し方


MBAを取ろうと言ってもその時36歳の私。現実はキツキツ。
ひとつ。子どもがもう1人いたら!
ひとつ。仕事の幅を広げたい!
ひとつ。家族の思い出も作りたい!
全てがタイムリミット寸前で急を要する気がしてました。
体は一人分しかありません。
できるのか?いつかはやらなきゃ!何もしてなくていいの?
ぐるぐるするのは、ワーキングメモリを圧迫します。
まずは、今できることを決めようと思いました。
それは優先順位付けでした。

時間がない!はデフォルトの30代。優先順位どうする?


仕事があろうがMBAがあろうが、家族のための時間を削らないことを鉄則にしました。思い出は二度と作れないと思ったからです。これが第一優先事項でした。

次に仕事を継続したかったのでMBAはオンライン一択になりました。英語圏で完全オンライン、あってもオンラインとスクーリング少々のハイブリッドにすると、かなり選択肢は絞られました。入ったら卒業は必ずすると決めました。つまり私の場合は家庭の次が仕事、その次がMBAでした。

第二子を希望するも自然妊娠は振るわない状況下、37歳でやっとMBAの出願と合格。縁があったのはイギリスの大学で100%オンラインでした。こうして仕事、育児にMBAが付加されました。

妊娠については夫婦でたくさん話して、不妊治療の前段階の各種検査を受けるけど人工授精以降には進まないと決めました。葛藤はもちろんありましたが前に進むには仕方ありません。くるべき子どもがいたなら、それは神様が決めてくれるさ!と自分の思いは手放しました。

夫婦でクリニックに行き急いで治す病気はないことを確認し、その後仕事は良い区切りのところまで走り抜きました。すると縁があったポジションに異動することになりました。新しい仕事にワクワクしつつ、この時もう38歳。仕事、育児、MBAに妊活が緩やかに並走する期間の始まりです。

異動した後の仕事は心地よく楽しく、それがよかったのか奇跡的に39歳で次男がお腹に降臨してくれました。妊娠後期にMBAの全過程を終えてから育休に入り出産。そして四十路に突入しました。ここで仕事と育児の生活に戻りました。

振り返ると激動の30代後半

肩車で子どもを担ぎながら坂道を駆け降りるかのようなスリリングな日々。綱渡りのようでいて、しかし、パズルがカチッカチッとあうような気持ちの良い感覚でした。

それもそのはず、自然な流れ任せでその時できることを順番にやっただけだったのです。赤ちゃんは来なかったかもしれない、異動は叶わなかったかもしれない、MBAがあっても結局キャリアアップはないかもしれない。そんなリスクから逃れられません。上手くいかなくてもそこからまた新しい道が開けるさ!と落ち着いて過ごしました。

強いて、ここから何か教訓を得るなら?

きっと結婚もベビ待ちも、仕事も、早め早めにどうしたいかを考えて動くに越したことはないのでしょう。そう簡単にいかないのが人生。計画的で着実に進んでいる人にいつも憧れていました。気が楽になる考え方があるとすれば、成功失敗より、巡り合わせとご縁で考えることでした。

MBAの優先順位が高ければ専門塾に頼る、家族のサポートを得る、などリソース配分も変わってきます。望むものに応じた方法があると思います。

30代のMBA。ちょうどサラリーマン人生の中ほどに位置し、よい学び直しになったと思います。子どもに手がかからなくなったらまた何か勉強したいです。その頃には親の病気や介護も心配になります。

何かを始めるのに遅い日はない。
何を始めるにも最初の日はある。

この精神でこれからも無理せずやっていきたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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