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イヤイヤ期男児ママが仕事をしつつMBAを取ったときの時間の使い方

こちらの記事でMBAを取った話を書きました。大変ありがたいことに、仕事と家庭と時間のやりくりをどうしていたか知りたいとのお声を頂戴しました。

まず、準備と在学中にどんなことをしていたかをこちらの記事にまとめました。その上で、これらが生活の中にどう組み込まれていたかを今回の記事にまとめました。

お役に立つかは自信がないのですが、仕事も家庭もありながら何かを学ぶ方の参考になれば幸いです。4600字程ありますので目次からご興味のあるところへどうぞ。

MBA、そろそろ行けるかなと思った転機


ぼんやりと、いつかはMBAと考えていたものの長男が産まれてからは子育てと仕事でいっぱいいっぱい。

変わるきっかけは、1歳手前で夜通し寝てくれるようなり、1歳を過ぎると保育園を休むことも少なったこと。浮いた時間で情報収集から着手しました。

オフィスで終わらない仕事を家で夜に子どもが寝たあと済ませる生活でしたので、時間のかかりそうなTOEFLの勉強だけ始めました。家での残業がない日に、残業に使っていた時間を代わりに充てました。

TOEFLは3回、受験は土曜にしました。もう子どもは1歳過ぎ、夫に託しても大丈夫でした。近所の会場を選べば午前中で終われます。

MBAの出願をするとき


この頃ちょうど新しい仕事を任されて、元の仕事を引き渡したり、新しい仕事の準備をしたりしていました。その間が結構長くて、つなぎにスポットで同じ会社の別の組織に頼まれた仕事を引き受けたりと、特殊な労務環境にありました。つまり、上司や同僚からの目線の届かない場所にいることが多く、出張の移動も多かったのです。

新幹線や泊まりのホテルなどあらゆる場所で調べごとやブレストなんかをしました。これもまた、縁とタイミングなんだと思います。出願に使うエッセイは夜にまとまった時間を確保し集中して執筆しました。子どもは9時には寝ているので9時くらいから11時の間です。

夜時間を作るときに意識したのは、家事は子どもが寝る前に済ませることです。食洗機に洗い物を入れる、洗濯乾燥機の予約をする、保育園の準備をする、などやり残しがあるとやりたい事をやる前に気力がなくなりがちです。夫がいる日は、子どものお風呂や寝る準備と家事をそれぞれやって、一緒にお布団へ入り絵本の読み聞かせをしました。そして子どもが寝たらやりたいことにすぐ取り掛かります。夫もゆっくりと自分の時間が欲しいので子どもとの時間は夫婦とも真剣勝負で、どちらかだけがダラダラ過ごすこともなかったように思います。

在学中。修論まで1年半。2週に1回計36回の課題の乗り切り方。


前に挙げた記事に書いたように、2週間毎に1つの課題エッセイを提出します。その際、チームメイトと議論(コメント欄に質問意見を投稿する)をします。この2週間をそれを5回繰り返した後、最終課題のエッセイ3000から5000words(各回指定があります)を提出します。
ここまでを、ひとつの単位(モジュールと呼ぶ)とし6回繰り返す、つまり一年半続けます。全て基準点に満たないと単位がもらえません。

この間は、2週間毎のサイクルを遅滞なく回すことに徹しました。泊まりの家族旅行があれば早めに終わらせる、平日忙しいときはその分挽回できる時間を締め切り前の週にするなどです。最終課題の方がそれまでの10週間よりハードなので2ヶ月分の予定を見据えて取り掛かる必要がありました。

まず、モジュールが始まったら講義の映像を見ます。5分くらいのものが5〜10個。これは明け方家族が起きる前に布団の中で見てました。息子は起きるとき隣にいないと泣いたので。もう今はそんなことはありません。さみしいです。

次に、参考文献を入手します。メインの教科書あるいは文献は、オンラインで入手できないとAmazonで古本を買うこともあるので早めにやります。メインの参考文献はないと課題ができないような設問になっているため、入手したら、何がどこに書いてあるか確認します。この作業はやはり子どもが寝てからです。仕事が忙しくて平日時間が取れないときは、一番手出ししたくない土日の夜に皺寄せがいきました。

課題は、3-4個の設問で構成されることが多かったです。課題が公開されたらすぐにスクショを撮り、それを出勤中に見て、先に読んでおいた参考文献のどこに書いてあるかを確認しました。これをやっておくと、課題のエッセイを書くときすぐに着手できます。

課題はたいてい、ケーススタディの資料が添付されているので、このケーススタディは通勤中に見たり仕事の昼休みに読んだりしました。不妊治療クリニックに通っていたときは待合室で読むこともありましたし、国内出張の行き帰りも使いました。厚い本を除き、だいたいの資料はiPadやスマホで確認できます。

設問と資料を行ったり来たり何度か確認し、追加の文献が必要なら検索したりダウンロードしたりして読んでおきます。これを平日、朝家族が起きる前や仕事や出勤の合間にやりました。

課題文の執筆は、平日夜にやるには負担があり翌日疲れそうだったので土日の午前中にやることが多かったです。特に土曜午前は、家族みんなのんびりと、テレビを見たりゲームをしたりとやりたいことをやっていて、子どもの相手をしながら執筆ができました。朝ごはんや着替えなどの後に洗濯や掃除をさっさと済ませて、取り掛かりました。

短時間でしかも子どもを見守りながらできたのは、先に、設問を読んで、参考文献や資料を読んで、設問への回答のイメージができていたからだと思います。2週間のうち、最初の週末は何を書くのかなんとなく把握してできたら簡単にできる最初の設問だけ書いて、次の週末に書き上げるというリズムでした。土日どちらかに予定があるときは空いてる方の日の夜も返上です。基準点を大きく上回るような優秀な成績を収めるのはあきらめて、コツコツ及第点を目指しました。

在学中。修論、最後の半年ラストスパート!


修論のモジュールのうち前半は研究法やデータの基礎を学びつつ、修論の計画を提出しました。基本的には、それまでの6モジュールと同じ方法でやっていきました。

いざ執筆が始まると、計画と書いていることが違ってきたり、取ろうと思っていたデータが取れず別のデータを探したり、思うように進みませんでした。それなのに、どんどん書いていかないと字数が足りません。最初の1ヶ月で雲行きが怪しくなり2ヶ月目にだんだん焦り始め、最後1ヶ月に火事場の馬鹿力でドカンと書き上げた気がします。最後の方は、土日平日問わず昼も、特に夜に必死に書いている状態でした。裁量労働制かつコロナでフルリモートで産休前で仕事も緩やかだったので、日中会議のない時間も使いました。

定期的に担当教官に提出してアドバイスをもらいます。書いたものを直しながら新しいパートを書き出していくので、ひっきりなしにファイルをあけることになります。パソコンはキッチンの片隅に置きっぱなしでスリープになっていました。カウンターにパソコンを広げて思いついたら立ったまますぐ書くことも多かったです。とにかく書いて、読み返して削って、その繰り返しでした。

全体を通して。用意すべきは時間より頭と心。

夜まとめて作業するときも、睡眠時間を極度に削るのは体力的に無理でしたので毎日決まった時間に寝ました。起きる時間もいつも同じです。

代わりに、寝付く前や歩いている時や保育の送り迎え中に、あるいはトイレの中で、次は何を書こう?足りない資料は何かな?と考えていました。

忙しい中で勉強をするのに用意しておくのは、時間よりむしろ頭や心な気がします。

時間は、物理的にはパソコンの前に座る執筆時間と、資料を読む時間さえあればよいと思います。

執筆時間を最短にするには頭の中での整理が必要でした。それを毎日の生活に取り込むには、執筆内容を考える頭の中の余裕が不可欠ですので頭の中の容量、頭を使う余裕(エネルギー)の獲得が肝でした。

頭の中の容量の作り方で簡単なのは、普段頭を使う場面を減らすことです。例えば、食事のメニューをパターン化する、メイクの品数を減らしいつも同じにする、服はレンタルしクリーニングはしない、私服や靴をパターン化する、家の中を整理して収納をわかりやすくする、不要な物を手放す、生協の注文は登録を活用する、日用品はAmazonで同じものをリピートする、毎日しない家事を隔週や月一でルーチン化する、などです。ポイントは、決めてしまってただその通りにだけやることです。

頭を使う余裕の作り方も簡単です。職場や家庭でストレスをためないこと。嫌なことがあってもさらりと笑顔で爽やかに対応すると悩みは寄り付いて来なくなります。何せ、悩みに気を取られている余裕がないからです。あとは、トラブルや悩みの種に早め早めに対処するのも有効でした。病気も問題も放置される間に大きくなりがちです。

物理的な時間は、子どもの成長とともに浮いた時間や、仕事に余裕が出て出現した時間以外は、それまで自分のために使っていた時間を潰しました(持ち帰りの仕事、仕事のための勉強、読書や映画、美容などなど)。家族のために使ってきた時間から取り崩したい場合は、家族に承諾をもらう必要もあるかもしれません。

時間は作るもの?


よく、時間は作るもの、と言われます。
私の感覚では、時間はただそこにあり、それを使うだけのように思います。

新しく何かをするには、

今何かに使っているものを別のことに使う。
今無駄に使っている時間があれば有効活用する。
今人のために使っている時間を取り上げて自分のために使う。
今何かにかけている時間を短くして浮いた分を使う。

などなど、どこかしらか使わなくてよいところを見つけたり、使わなくするところを作らなければなりません。これが、時間を作ると言われる所以だと思います。

しかし、そもそも作り出さなくても時間はそこにあるのです。とにかくやってみて、支障がない状態のままやり続けてしまうというのもありかもしれません。であれば、少しずつ緩やかに始めていくと良さそうです。

YouTubeに夢中になればInstagramに割く時間が減り、Amazonプライムに夢中になればNetflixの時間が減るというようなことはよくあります。今ある時間の中で優先順位だけ入れ替るのがお手軽です。やりたいことから使える時間を使うということです。

家族がいると、家での時間は1分も無駄にできないことが多いです。私は、まずは自分の持ち時間の中(平日朝夜と勤務中と土日朝)を最大限に活用してみて、家族の時間に迫り出さないようにしましたが、さすがに土日のランチは手抜きしました。

誰かに皺寄せがいかないように、でも、みんながやりたいことができるようにしたいものです。

おわりに


いかがでしたでしょうか。
振り返ってみるとなかなかスリリングな2年間でした。いつか息子が勉強したくないと言い出したら、大人も勉強するんだよ、だからお勉強と仲良しになろうよと言えそうです。

ネットを検索すると出てくるのはエリートの方のMBAホルダーの記事が多く、私にはなかなか敷居が高いなあと遠い目で眺めることが多かったです。平凡な主婦で平凡なサラリーマンの例として、この記事がわずかにでもどなたかの背中を押すことができたら、と思います。

もし具体的に気になる部分がありましたら、新たに記事にいたします。

長文におつきあいくださいまして、ありがとうございました。

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