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ワーママあるある悩み「ロールモデルがいない」の裏にある心理について

ワーママに限らず女性がよく漏らす悩みに「ロールモデルがいない」というのがあるのです。

最近、その話を聞いていて掘り下げていくうちに、以前乗った相談に似ているなぁ…ともやもやしてきました。

以前乗った相談と言うのは、「ワーママで肩身が狭いから情報を開示してくれない同僚に主張しづらい」という悩みでした。

その時のポイントはこうでした。
1.ワーママだからと人に要求するのに躊躇するのは、要求すること自体に抵抗があるのかも?(ワーママでなくても年次が低いから、女性だから、と別の理由で躊躇する可能性がある)
2.仕事の上で要求することは悪いことだと思う必要がない。
3.要求を通しやすくするための技は幅広く持っていた方がいい。

この相談の肝は「自分が自分にブレーキをかけてるよ!」ということでした。

今回の話は「女性でキャリアアップをしている人が付近にいない。一度ワンランク上の仕事をアサインをされたが大変すぎて自分には無理だと思った。キャリアアップするとこうなるのかと思うとする気が起きない。」というものでした。

この話を紐解いていくと、いくつか疑問がありました。

いまは男性が就いている「アップ」なキャリアを自分は目指したいのか?
男性しかいないことで、どんな問題があるのか?

もし目指したいのならいくつか突破する壁はありそうです。

無理だと思ったという、「ワンランク上のアサインと従来の仕事を並行する」状態は、マネジャーと担当者の仕事を両方やっていることになるため普通にパンクします。

おそらく、キャリアアップする場合は仕事内容自体がアップデートされ、パンク状態のところに仕事が上乗せされるわけではないはずです。

それなのに無理だと思うのはなぜでしょうか。

おそらく、「今の仕事を完璧にしつつ、ワンランク上の仕事もちゃんとできないと私は認められないんだ」と思っているから、その基準を満たない仕事の仕方ができず「もうこれ以上無理」となるのだと思います。この点は本人もそうだと言ってました。


キャリアアップしている男性が同じ状況なら、彼女がやろうとしたような「担当者としての仕事を完璧にしつつ」「ワンランク上の仕事もちゃんと」は、していないんじゃないかな?と思います。

もしキャリアアップしている女性がいたら「私には無理だと思うんです。どうしたらいいですか?」と聞けるけど、男性には聞けない、だから上に上がれないと言うならおそらく、男性ばかり昇進する環境が問題ではない気がします。

あるいはキャリアアップしている女性を見ていれば「私にもできそう」と思い、男性を見るとなぜか「私には難しい」と思うと期待しているのであれば、キャリアアップしてやりたいことを自分なりに見つめる必要があるかなと思います。リーダーの女性が仮にいて、自分と同じ人間なわけがないからです。

他人事だから見えることとして、「求められることに厳密に応える」仕事は、キャリアアップするほど減っていき、「答を作り出す仕事」が増えていく気がするのです。

「答を作り出す仕事」をどうやるか、をできることを証明するのが認められるには近道かなと思います。

それはパンクせずにワンランク上の仕事を楽しむ方法を編み出すタフさの可能性もあります。オーバーフローをどこかの組織の手を借りてフィクスする斬新さの可能性もあります。

求められるものに対して良い点数を、模範回答に近いものを、と特に優秀な女性は提供しようとする傾向がありそれがかえって「より高い質の仕事を提供しないと」とプレッシャーになっている気がすることがあります。

ですが、答えがない問いも多く、「あっ、それが正解だったの」と偉い人たちの話からあとで思わせられることもあります。

それっぽい正解を作るのが偉い人たちの仕事ではないでしょうか。

上へ上がりたいと言いつつ上がらない人ほど「本当の解」を求めて人の作った解にはなんか一言言っている、そんな気がします。

「女性のロールモデルがいない」これもその一つかも、と。

正解を作る側に回るには「求められることに応える」だけでなく「どんな仕事を誰に対して提供していきたいか」を考える必要があると思わされました。

すべての仕事を完璧にやりこなさないといけない、と高い基準を課すことでキャリアアップにブレーキをかけているのであれば、「今ある仕事を完璧にする」ことと「次のキャリアでやりたい仕事」のどちらを自分が求めているかを自分に問い合わせる必要があると言う話に終わりました。

「次のキャリアでやりたい仕事」が組織になかったり認めてもらえないなら組織から出れば良いのです。「完璧な仕事をしても次のキャリアをご褒美としてもらえない」と言うなら、次のキャリアはご褒美としてもらうのでなく自分で決めるしかなく、それはたぶん男性も女性も同じなのです(古き良き時代の男性はまだそうかも?)。

女性が女性のロールモデルを求める傾向の裏には正解を作り出すと言うより、正解に沿いたいという気持ちがあるのかもしれない、と気づきました。

正解は、当てるのでなく作り出す。
そう考えるとできることが増えます。

そして、冒頭の話で、自分が進まないと思う時は自分でブレーキをかけていることは、まあまああるんだなあ、と思うのでした。

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