ゆの字

三日月工場の人型従業員(という設定) 「何か思うことを書く」という行為に憑かれている…

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三日月工場の人型従業員(という設定) 「何か思うことを書く」という行為に憑かれている古い人間です。 大昔に作家になることを夢見ていたけれど、日々の惰性により埋没してしまった。 これから少しずつだけど更新できることを目標に。 自分の小さな物語を綴れたらいいな。

最近の記事

#3 ワープロで書いていた

こんばんは、ゆの字です。 真夜中の投稿です。 大昔はよく夜中に小説を書いていたものです。今はもう体が持たないので(ゴホゴホ)夜は寝ることにしているのですが、でも、何かを書くのはなんとなく夜中が捗りますね。 さてさて、その大昔、まだインターネットもなかった時代、私はワードプロセッサーいわゆるワープロで物語を綴っていました。 あの頃はまさか今こんな便利な文章を書くツールができるとは想像もしていませんでした。ましてや誰でも公開できて読んでもらえるとか、ね。 良い時代になったもんだ。

    • 【短編(連載)小説】 三日月工場の日常 #3

      架空の工場の架空の動物型の従業員の日常。宇宙協同組合に納品する。 ウサギ型従業員のヒナは焦っていた。 今日は宇宙協同組合に株式会社クレセントムーンの新しい三日月を納品する日である。だが、納品現場に同行するはずのヒツジ型従業員のオサム先輩が見当たらない。ヒナは宇宙協同組合の事務所が入っている大きなビルのエントランスで行ったり来たりしていた。しかしオサム先輩は現れない。 「連絡すらないなんて、どういうことよ!」何度もスマホを確認しながら焦りが募り、汗が額を滴ってきた。 「どうす

      • 【短編(連載)小説】 三日月工場の日常 #2

        架空の工場の架空の動物型の従業員の日常。工場は夏休みでした。 ギンジは株式会社クレセントムーンの技術部で白い犬型従業員。いつもぼんやりと生きているのか死んでいるのかわからないような目をしていて、「うぃ〜」としか返事をしない。 「ギンさん、ギンさん」 設計図を広げながら茶髪系犬型従業員のハチは椅子で寝惚けているギンジを呼んだ。 今日から夏休みのため、工場には誰もいない。ギンジとハチは開発部から依頼された新規の三日月の設計図を急ぎで仕上げるために工場へ出勤していた。 「もう、ギ

        • #2 ファスト映画は想像力が欠けている

          こんにちは、ゆの字です。 先日、ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?』の第3話で”ファスト映画”を巡っての話がありました。 ドラマの内容は割愛しますが、その第3話に描かれた”映画を短く切り抜きしたものを10分程度にまとめて動画サイトで公開する”という行為が犯罪である前に、いかに創作する側の損害(お金だけではない、時間や評判というもの)を知らしめるお話になっていたので観終わった後、少し考えさせられました。 ”ファスト映画”というものを私は観たことがないのですが、わりと最

        #3 ワープロで書いていた

          【短編(連載)小説】三日月工場の日常 #1

          ほぼ日刊で綴りたい、架空の工場の架空の動物型の従業員の日常。なんてことないお話です。 彼女は株式会社クレセントムーンに勤めるアヒル型従業員のエミ。クレセントムーンというのは三日月のこと。夜空の三日月を作る会社なのだ。 会社では広報部で仕事をしている。三日月工場で製作された三日月は夜空へと出荷されるのだが、その夜空に出荷されるまでの宣伝やらなにやらを受け持つ部署だ。 世界にはたくさんの”月”を製作する会社と工場がある。株式会社クレセントムーンはその一つ。クレセントムーンの”三

          【短編(連載)小説】三日月工場の日常 #1

          #1 活字と動画

          ここは三日月工場の中にある休憩室。 いつも誰かがお茶なんかを飲んで休憩している。 今休憩しているのはカラスのクロベエさんのようだ。 「クロベエさん何見てるの?」 「やぁ、さっち。これね、猫の動画だよ。」 さっちは若いネコの女性事務員だ。 「え?クロベエさんって猫派なの?」 「そうだよ、かわいいよね、この”もちまる日記”のもちまるちゃん」 「ふ〜ん」 さっちは興味がない様子で水筒のお茶を飲みはじめた。 クロベエさんはカップのコーヒーを一口啜ってから「さっちは好きな動画とかないの

          #1 活字と動画

          #0 はじめまして

          こんにちは、ゆの字です。 とてもとても古い人間です。新しい何かを始めようと腰を上げるにはかなりのエネルギーを消費してしまい、結局新しい何かを始めるには至らないことが多くなりました。 「何か思うことを書く」ということは、私としては新しい何かではなくずっと続けていた行為なのですが、なんせ書くツールがどんどん進化していくので気持ちと頭の具合が追いつかず、書くのが面倒になり半ばあきらめて放り投げていたところ、この「note」を知りました。 なんだかもう一度「何か思うことを書く」

          #0 はじめまして