見出し画像

#2 ファスト映画は想像力が欠けている

こんにちは、ゆの字です。
先日、ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?』の第3話で”ファスト映画”を巡っての話がありました。
ドラマの内容は割愛しますが、その第3話に描かれた”映画を短く切り抜きしたものを10分程度にまとめて動画サイトで公開する”という行為が犯罪である前に、いかに創作する側の損害(お金だけではない、時間や評判というもの)を知らしめるお話になっていたので観終わった後、少し考えさせられました。

”ファスト映画”というものを私は観たことがないのですが、わりと最近にニュース記事でも読んでどういうものかは知っています。
ドラマの中にもあったのですが、1本の映画は約2時間あるので観ると時間がかかる、だからいいところだけを切り抜きして10分程度にまとめ、それを観ると映画そのものを観た気になる。その動画は再生回数が格段に伸びる、だから人気がありみんなに喜ばれていると製作公開した人間は「なぜファスト映画はダメなのか?」と開き直り、自分が犯罪者になってしまったという自覚がありません。現実も公開していた人は映画会社に訴えられたと報道されていましたが、やはり自覚はなかったのかもと思いました。

映画を製作するにはお金と時間がかかります。予告映像にもそれを専門に作る会社へ依頼して(そこにはもちろんお金がかかります)お客さんを「観たい!」という気持ちにさせるように意図して製作されていきます。
ですが、”ファスト映画”はそれらを”盗んで”その素材を使って、お金も時間もかけず自分のものとして動画サイトにあげるのです。
「いいじゃない。それを観た人に宣伝になるじゃない」という言い訳はどうも違うと思います。実際には10分程度で観た気になる人は映画館に足を運ぶ、またはDVD、Blu-rayを買うことはしないでしょう。つまり”自分ではお金を払わない”のです。
なのに、観た気になった人たちはSNSで知ったかぶりの評価を(主に批判的中傷的)書くのです。その評価がお金と時間をかけて創った人々の全てを台無しにしてしまうなど想像もしないで。

これは映画に限らないかもしれません。小説も漫画も、創作全てにおいて誰かの労力をいとも簡単に盗んで利益を得るということは、私は許せなく憤りしか感じない。
創作物は創作者の生きている行為であるから、盗んで利益を得る行為はそれを踏み躙るということになるということ、もっと想像してもらえたらと願います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?