#1 活字と動画

ここは三日月工場の中にある休憩室。
いつも誰かがお茶なんかを飲んで休憩している。
今休憩しているのはカラスのクロベエさんのようだ。
「クロベエさん何見てるの?」
「やぁ、さっち。これね、猫の動画だよ。」
さっちは若いネコの女性事務員だ。
「え?クロベエさんって猫派なの?」
「そうだよ、かわいいよね、この”もちまる日記”のもちまるちゃん」
「ふ〜ん」
さっちは興味がない様子で水筒のお茶を飲みはじめた。
クロベエさんはカップのコーヒーを一口啜ってから「さっちは好きな動画とかないの?」と聞いた。
「あたしは動画観ないのよ」
「え!そうなの?見た目ギャルっぽいのに?」
「あ!見た目で判断するの良くない!あたしはもっぱら活字派なのよ!」
「はぁ?」クロベエさんは首を傾けてさっちを見た。
「今時はさ、なんでもかんでも動画で解説とか、簡単に済ませちゃう傾向にあるじゃない?だけど、あたしはしっかり読んでしっかり考えたいのよ!」
「はぁ?」
「クロベエさんは若い子に媚びたくて動画見てるんでしょ?」
「はぁ?いやいや、そんなことはないよ。動画面白いものもたくさんあるしね。手軽に観れちゃうのが便利でいいよね。活字よりも伝わりやすいこともあると思うよ。」そう言いながらクロベエさんはスマホに目を落とした。
「よくわかんない。」さっちはほっぺをぷうとふくらました。


こんにちは、ゆの字です。

活字と動画、あなたはどちらを好みますか?
というお話で、なんとなく世間では若い世代は動画が(生まれた時からあるという環境)当たり前で、私のように古い世代は上手く使いこなせない、という偏見が見受けられるように感じています。
まぁ、私自身はどちらかといえば活字中毒なので情報を得るのは活字主体なわけですが、動画を楽しみにしていることもあるのです。ただ使いこなせているか?といえば自信はありませんね。
逆に若い世代にもあまり動画を観ない、活字を読むのが好きだという人もいると思います。が、それは選択としての”活字”であって、”動画が苦手だ”というのではないのかもしれません。
世代間の認識の違いが、スピードをつけてどんどん速くなっているように思う今日この頃。でも置いてけぼりはイヤなのです。
なるべくなら時代の後を追いかけていたいのです。
<了>


クロベエさんが観てた、私も最近お気に入りの動画です。大人気”もちまる日記”



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